概要
基本は人が四つん這いになり、段を組んで最上段に人が1人立つ。
「人間ピラミッド」とも呼ばれる。
組み方や解体の仕方など、様々なアレンジバージョンがある。
海外でもイベント等で披露されるが、日本では体育祭のプログラムの定番のひとつとなっている。
問題点
近年の日本の体育祭では高さがエスカレートする傾向にあり、中には10段、11段を行う学校すら出てきた。しかし見た目の派手さが優先され安全対策は二の次になっているのが現状であり、10段ともなると建物の2,3階にも相当する高さだが、ヘルメットの装着などの安全対策はほぼなされていない。
また部活ではなく体育祭で行うという都合上、体力の不十分な生徒も事実上の強制で参加させられることが多くピラミッドの崩壊の危険性が増している。
今までにも多数骨折などの事故報告例があり、1990年には福岡県で高校生が首の骨を折って全身麻痺になる事故が発生、民事訴訟に発展した。
こうした経緯により組体操のエスカレートに疑問を持つ声も上がり、中でも名古屋大学教育学部准教授の内田良は厳しく批判の言説を展開しており2014年頃からTVなどでも取り上げられるようになった。
こうした流れから2015年には次々と組体操の高さ制限を設ける自治体も増え、愛知県長久手市では2015年から小学校のピラミッド組体操を4段まで、大阪市は「ピラミッドは高さ5段まで、タワーは3段まで」とし、尾張旭市や彦根市も高さ制限を設けることとなり、当初は規制に消極的だった東京都でも2016年は一端「ピラミッド」や「タワー」を休止することになった。
また、規制のない地域にある個別の学校でも段数の制限を自主的に設けるところが出て来ている。
こうしたトラブルが日本で頻発する背景には、推進派教師の暴走や根性論の蔓延だけでなく、体育祭で見た目が派手な演目を望む一部の保護者や、そうした話題性を煽り立てるメディアなどの存在もある。
推進派として有名な兵庫県のとある宗教信者の教師はこの規制の動きに強く反発しており、保護者や中学生の一部で自分が怪我などをしていない者からも規制を嫌がる声が根強くある。
2015年以降も事故が各地で相次いだこともあり、規制強化を国に求める声は高まって行ったが、第三次安倍内閣の最初の文科相だった下村博文や、二代目文部科学副大臣である義家弘介は国レベルの規制には否定的な発言をしていた。
しかし2016年2月5日の衆議院予算委員会で馳浩文科相は「これは危ないと思った」「重大な関心をもって、このことについて文部科学省としても取り組まなければいけない」と発言、国レベルの規制に転換する方針を示した。
真面目な話はこの辺にして…
そういった負の側面がありながらも、ピクシブでは可愛らしいイラストが投稿されている。
ホビー方面では「○○盛り」と題してジムやザク、ショッカー戦闘員、ミサカをピラミッド状に積み上げるフィギュアが発売された。