曖昧さ回避
- 英語文化圏における覗き嗜好のある男性を意味する俗語。※この項で説明
- ホラー映画『血を吸うカメラ』の原題。
- アメリカ海軍所属の戦闘機F-14の偵察任務タイプ。除き(偵察)をするトム(トムキャット)という意味で、1.に由来している。
- 楽曲名として採用されており、イギリスの『プラシーボ』、日本の『米米CLUB』『L'Arc~en~Ciel』などのものが知られる。
1.のピーピング・トム
ベルギーのチョコレートメーカー「ゴディバ」の名やロゴのモデルとなった、11世紀のイングランドの女性「ゴダイヴァ夫人」は、夫のマーシア伯レオフリックの圧政を諫めるために、夫が圧政をやめてほしいならと出任せに言った無理難題である「全裸で馬に騎乗してコヴェントリーの街を行進してみせろ」を実行したと伝わっている(史実ではなく伝説であるとされる)。
しかし、重税から町民を解放するための行為だと、彼女を支持する役人たちからのお触れで知っていた人々は、気高い彼女への敬意と彼女の尊厳を護る為家の中にこもって戸も窓も締め切り彼女を見ないようにしていた。
そんな中、仕立屋の男トーマス(またはアクティオン)が一糸まとわぬ夫人の裸体を我慢できずに覗き見たために命を持って償った、もしくは天罰や町の住民たちによって盲目にされたと伝わり、この男こそが、覗き嗜好のある男性を意味するピーピング・トムの語源なのである。
この伝説を元に後代に町で祭り「ゴダイヴァ・フェスティバル」が開催されるようになったが、夫人に扮したもの(着衣している)が行列に参列する際に、街角か家の窓にこの男の木像が置かれるしきたりがあったという記録があり、その木像はデザインから17世紀頃の作であると考察されている。
また当時のアングロサクソン名にトーマスはあり得ないので、この男の伝承自体も後代のものであるといわれている。