フォビオとは伏瀬のライト小説作品『転生したらスライムだった件』のキャラクターである。
プロフィール
概説
獣王国ユーラザニアの重臣、獣王国軍の最高戦力である「三獣士」の1人。
リムル=テンペストが豚頭帝(オークロード)の討伐に成功し、ジュラの大森林を「魔国連邦」として立国させたことを聞きつけ、獣王国から使者として派遣された。
しかし横柄な言動で問題を起こし、リムルからも使者として不適切と断じられてしまう。
その恨みに漬け込まれ、魔王クレイマンと中庸道化連の陰謀に利用させてしまう。
経歴
魔国連邦へ獣王国からの使者として派遣される。
しかし「弱肉強食」を理念とする獣人故に、応対に出たリグルドの顔面をいきなり殴って重傷を負わせ、格の違いを見せつけ屈服させようとした。
ところが直後、リムルと親友(マブダチ)となって魔国に滞在していた魔王ミリム・ナーヴァがその場に居合わせ、リグルドを傷つけたことを「親友の手下に手を出した」と義憤に駆られたミリムにより、文字通りワンパンでKOされてしまう。
その後リムルが正式に応対するも、使者として誠意のないやり方を咎められて追い出された上に、「国交を結ぶなら正式な使者を寄越せ」と遣使失格と見做され追い返された。
忸怩たる思いでジュラの大森林に部下たちと野営をする中、謎の仮面道化師の2人組から「魔王ミリムへの逆襲」を提案され、ミリムへの怒りから道化師たちの誘いに乗ることを決意。
だがそこに別の意図があることを怨恨の念で見抜けず、そのままカリュブディスの依代に利用された。
そのままカリュブディスと消滅するはずだったが、ミリムが「手加減」を覚えたことでフォビオの宿るカリュブディスの核を傷つけず摘出されたことで、九死に一生を得る。
その後、ことの顛末を知った獣王国からカリオン本人が出向き、フォビオを罰して今回の不手際を詫びた上で、改めて両国間の国交を開始させる運びとなった。
その後、魔国連邦vsクレイマンの決戦で再登場。
魔国連邦&獣王国の連合軍の将として本来の実力を発揮。
また登場時は見下していた豚頭人たち、それを率いるゲルドの実力を改めて認識し、彼らを戦士として高く評価している。
人物
登場時はかなり調子に乗った小物として、かなりの狼藉を働いている。
しかし本来は重臣らしく、冷静に状況を確認して相手の意図を察するなど、高い見識を有している。失態を犯せば、その否をしっかり自認することもできる。
また部下からの信頼も厚く、何より獣王カリオンへの忠誠心は嘘偽りのない純粋なものである。
中庸道化連の誘いに乗る際も、獣王国とカリオンに迷惑がかからないよう己の一切の身分を返上し、部下たちを国に帰らせてその旨をカリオンに伝えるよう命じた。
しかし三獣士としては一番の若輩であり、高い実力に反して経験値が足りておらず、頭に血が上りやすく調子に乗りやすい一面があった。
ただこれは獣人族の不文律である「弱肉強食」の慣習による悪影響も一因。「力のある者が全てを支配する」という原始的な戒律ゆえに、本来ならあり得ない実力を得ている魔国連邦の面々を同格以上と安易に認められない頑固さに変じ、獣人族の面子を損ねられたと感じていた。
カリュブディスの一件以降、相当手厳しく躾けられたのか、以後は本来の性質に見合った義侠心に厚い好漢として成長していった。
能力
実力は準魔王種レベルであり、伊達や酔狂で三獣士の地位にいる訳ではない。
登場時点ではベニマルを超える力量を誇っていたが、さすがにミリムが相手では分が悪過ぎた。
カリュブディスの核にされた影響により、スキル「自己再生」が「超速再生」へ昇格しており、魔力が尽きない限り不死身の肉体となって受けたダメージを無視した持久戦に持ち込むことができる。
関連人物
忠誠を誓う主君で十大魔王の一角。
カリュブディス討伐では救出されたフォビオを拳骨一発と共に叱責し、魔国側に借りを作ることになった。
クレイマンの奸計でカリオンが行方不明になった際は、他の三獣士と共に打開に解決に奔走した。
三獣士の同僚でその筆頭。
「黄角蛇」の異名を取る蛇の獣人族で、その実力は並の魔人では手も足も出ないほど。
のちに同僚として、彼女の棘道のような恋路を成就させるため、自ら貧乏くじを引く役目を負った。――が、胸中では密かにアルビスに惚れていたらしく、本気でベニマルに挑んでアルビスの夫の座を勝ち取ろうとするも敵わず玉砕してしまった。
三獣士の同僚。
白虎の獣人族で、フォビオとは鎬を削り合うライバルであり、失態を犯したフォビオを散々に詰っている。
一方でカリオン失踪の際は、狼狽えるスフィアをアルビスと共に諌めて落ち着かせており、同僚として信頼し合える関係となっていた。
十大魔王(のちに八星魔王)の一角。
ある意味、フォビオの災難の遠因と言える相手。
のちに獣王国がミリムの配下に加わったことで、まさかの己の上司になってしまった。
豚頭帝ゲルドの息子で、その名を継ぎ豚頭人たちの族長となった魔国連邦の重臣。
登場当初、フォビオは豚頭人を格下と侮っていた。
魔国獣王国連合軍では、互いに将として靴輪を並べることとなり、2人がかりでフットマンを押さえ込み、作戦成功後には健闘を讃え合った。
エンリオ
登場時に率いていたフォビオの配下で猿の獣人族。
フォビオとは逆に慎重な性質で、熱しやすい当時のフォビオに忠言するブレーキ役であった。
のちに魔国との交易担当となり、魔国との交渉役として犬頭族のコビーを紹介している。
魔国連邦出身の小鬼族(ゴブリナ)。
ベニマルへの憧れと恋慕から、大鬼族(オーガ)へと進化するという奇跡を起こし、ベニマルからは直轄部隊「紅炎衆(クレナイシュウ)」の棟梁に指名されるほどの信頼と実力を身に付けた。
しかし先のベニマルの結婚の件で、婚約者のモミジやアルビスの実力を知って失恋。その矢先で、同じく玉砕したフォビオと意気投合。
今後、2人の関係の発展に注目したい。