概要
社名は設立者であるヘルマン・ブローム氏とエルンスト・フォス氏から採られている。
現在はティッセンクルップ・マリンシステムズの系列となっている。
社名の綴りはかつては「Blohm & Voss」だったが、現在では(社内文書などでも)「Blohm+Voβ」となっている。
B&V社製の航空機
B&Vの航空機は・・・、どうにも超個性的、いや最早素直に「奇怪」としか言えない機体が幾つかある。ビックリドッキリ左右非対称のBv141、可変取り付け角の主翼を装備した旅客機Bv144、戦闘グライダーBv40・・・
どういう考え方をすればこんなものを思いつくのかすら分からないようなBv141は、だいたいリヒャルト・フォークト博士のせいである。
ちなみに飛行艇はマトモなものに仕上がっている。(但しBV P111を除く)
B&V製ゲテモノヒコーキ列伝
B&Vの飛行機が奇怪と言われても、イマイチ想像できない方も少なからずいるかもしれない。
何しろ第二次大戦時の"作品"、それも構想だけに終わった機体も幾つもあるのだから。
そんな方のためにB&Vの愉快な作品たちを挙げさせてもらうと…
- BV 40
迎撃用戦闘グライダー。当時のグライダーなんぞ、せいぜいMe321(ドイツ)やハミルカー(イギリス)などのように輸送機として使うものが精々だったが、こいつはガチの戦闘用。曳航は戦闘機に任せるつもりだった模様。設計ではコクピットまわりに錘をかねて装甲版を使い、小さい投影面積と合わさって銃撃を回避する目算だったが、肝心の機銃が威力不足だったり、敵の射程外から攻撃できるロケット弾が完成したので不要に。
- BV P111
簡単に言うと飛行艇版Bv141。当然、左右非対称。
B&Vのキング・オブ・ビックリドッキリメカ候補の一つ。泣く子も黙ってから二度見する左右非対称の偵察機。BV194は同機の爆撃機バージョン。詳細は個別記事にて。
- BV 144
可変式取り付け角の主翼を採用した旅客機。
- BV 155
艦上戦闘機⇒急降下爆撃機⇒高高度戦闘機⇒(メッサーシュミットがMe262開発で忙しかったので)空軍省から押しつけられる、という波乱万丈の経緯をたどった高高度戦闘機。
まず縦横比がおかしい(全長約12mに対し、全幅20m!)。ラジエーターが主翼の下に付いている。
- BV 163(構想のみ)
翼端についているのは燃料タンク?それともエンジン?いいえ、コクピットです。
たぶんリヒャルト・フォークト博士の(ある意味での)最高傑作。主翼の両端にキャビンが付いているという常識の斜め上をさらに異次元の方向にぶっ飛ばしたデザイン。
- BV P170(構想のみ)
エンジンが主翼の両端に1台づつ、そして機首に1台で合計3台搭載されている異形の戦闘機。ちなみにコクピットは胴体尾部。タトゥイーン製のレース用ポッドにそっくり。
- BV P175(構想のみ)
パラサイトファイター。胴体下部にどう考えてもとってつけたとしか思えないような配置でジェットエンジンが取り付けられている。
- BV P178(構想のみ)
端的に言ってしまえばキャビン(コクピット)とエンジンの場所を逆にしたBv141。見た目はいたって普通に見えるのだが、よく見るとエンジンの位置がおかしい。ちなみにジェットエンジン。
- BV P188(構想のみ)
ジェット爆撃機。W字型主翼というとんでもない平面形の主翼を採用。
- BV P192(構想のみ)
急降下爆撃機。プロペラが首輪のような位置にある。
- BV P195(構想のみ)
急降下爆撃機。今度はプロペラが胴体中心部に付いている。
- BV P202(構想のみ)
可変斜め翼戦闘機。現代ですら人類には早すぎる代物。現在までにNASAでAD-1(エイムズ・ドライデン1号)という実験機が製作されているのみ。
- BV P212(構想のみ)
無尾翼ジェット戦闘機。形状的にはジェットエンジン付きのブーメランで大体説明できる。
- AE 607(構想のみ)
全翼式戦闘機。エイか蛾かと思うような風貌に片側にオフセットされたコクピット(そんなに左右非対称が好きかこの変態共)という外見はおよそ地球上の戦闘機とは思えないほど。
結論
関連イラスト
B&V(とリヒャルト博士)の変態的発想の極み・Bv141。