概要
「破壊も創造も、全てお前が決めろ」
1/24スケールで展開されるオリジナルデザインのプラモデルで、メカデザインはMORUGA氏が担当。同社のオリジナル作品である『フレームアームズ』との違いは「ブロックトイとしての側面を持っている」ということ。
モデリングサポートグッズの大型用品として発売されたギガンティックアームズで導入された「六角型ジョイント」(『ヘキサギア』の世界では「ヘキサグラム」と呼んでいる)」を使ってフレームユニットを組み合わせて作られる素体ユニットから装甲ユニットや武装を取り付ける形で構成される。
ヘキサグラムの他に3mm軸穴や5mm軸穴も部分的に設けられており、コトブキヤ製のプラモデルだけではなく、他社のプラモデルやフィギュア等にも限定的ながら組み合わせることができる(ただし、物によってはブースターパックやEXユニットと組み合わせる必要なところがある)。
なお、このキットを組むにあたっては「ヘキサギア パーツリムーバー」を用意すると組み換えが容易となるだろう。
1/24スケールということもあって、『ミクロマン』に相当する大きさのフィギュアであればヘキサギアに容易に搭乗させることができる(特にブロックバスターやモーター・パニッシャー)が、レイブレード・インパルスとボルトレックスの場合は、種類は限定されるものの1/12スケール相当のアクションフィギュアが搭乗可能である。
世界観・ストーリー設定が濃密に設定されており、一部キットには設定を記載したカードが封入されている。
大きく「SANAT」VS「KARMA」という対立軸が用意されているものの、単純な勧善懲悪では割り切れない世界観になっている。これはプロデューサーが入院した時に出逢った他の入院患者達それぞれの死生観が影響を与えているという。
ストーリー
エネルギー問題が未解決のまま人類が衰退の一歩をたどる未来、枯渇した燃料資源に代わって台頭する永久機関に近い汎用動力装置である「ヘキサグラム」がこの世に出る事になった。
ヘキサグラムは無尽蔵に恩恵をもたらし、新たな産業革命を起こす一方で、環境汚染が今までよりも加速してしまう一因にもなった。
産業革命により世界は国家という枠組みと入れ替わる形で複合企業体のもとで統治されることとなった。しかし、それでも人口減少は抑えられず、文明再建にはかなりの時間が必要となった。そんな人口減少に対応すべくヘキサグラムを使用した工業規格である「ヘキサギア」が創られる。
ヘキサギアはモジュール化を前提に設計された多様性・汎用性により主要機械のスタンダードとなるが、同時に軍用にも使われ衰退期の中でも細々と発生していた紛争を激化させるに至り、環境汚染がさらに進行してしまう原因となった。
そんな中、紛争により環境汚染と同時に加速してしまう人口減少に対して複合企業体の一つである「MSG」は人類再建のもう一つの要として人工知能「SANAT(サナト)」を作った。
SANATの方針は地上の荒廃とともに徐々に人類とは異なったものへと変貌し、プロジェクト リ・ジェネシスという人類情報体変換計画を考案するまでに至り、生みの親であるMSGを支配するようになった。
人類を支配しようとするSANATに対し、一部の人類が抵抗を試みてSANATやMSGに対抗するべく本来ヘキサギアの人工知能として作り上げた「KARMA(カルマ)」を改良し、それを中心として企業同盟軍「リバティー・アライアンス」を設立するに至った。
破壊と創造を繰り返し、KARMAとSANATは人類の命運を掛け互いに激突する…
ヘキサギア
詳しくはヘキサギア一覧の記事にて。
ガバナー
詳しくはガバナーの記事にて。
登場人物
- レナード・ハインライン
アースクライン・バイオメカニクスの創設者にしてゾアテックスとそれを管理・制御するAIであるKARMAの開発者だが、謎の失踪を遂げた。
設定上の存在とされていたが、コトブキヤからパラポーン・センチネルの新規版であるVer.2.0にて姿を模した頭部が付いてくる。
概要冒頭のヘキサギアシリーズのキャッチコピーは、背景設定ではレナードが失踪前にヴァージニアに遺した言葉とされている。
- ヴァージニア・アースクライン
ハインライン失踪後のアースクライン・バイオメカニクスの代表を務める女性研究員。
Youtube「コトブキヤチャンネル」内にてガバナーサイズの事務員モデルに彼女を採用したり、ローズの上位互換型として疑似戦闘服をイメージしたキットを販売予定しているとアナウンスされた。
- ブライト・カーツワイル
SANATの代行者である男。かつて人工知能開発の世界的権威であったらしい。代行者として人々に情報体への変換を唱えるが、その一方でジェスターを独断で製造するなどSANATの意志とは別の思惑を持っている模様。
- アッシュ
公式ホームページ内で綴られる本編というべきストーリーページにて存在されているガバナー。
より多くのお客様獲得に向けてエンターテイメント要素で「主人公」枠として再設定された存在。
パラポーン・センチネルと同じくしてポーンA1も新規版Ver.2.0へ移行する際に彼を模した頭部パーツが2種も付いてくる。
関連用語
- ヘキサグラム
燃料資源の枯渇した時代にMSGにより開発された再生型エネルギーパック。これの登場によって、世界は衰退した国家に代わり企業の統治する時代に突入した。
結晶炉という施設で生成されるが、生成と同時に汚染物質が発生してしまう。生成された直後は微粒子状であるが、管理・制御のために六角柱型にパッケージングされる。
出力によって減少したエネルギーが時間が経つにつれて再生するという「‘出力‘停止‘再生‘」のプロセスを繰り返し、無尽蔵にエネルギーを生み出す。この特性のため、複数個搭載して順番に一個ずつ使用していけば実質永久機関として作用する。
単なるエネルギー源としてだけではなく、接続された機械の構造を読み取り自動でその駆動に適した特性に変化するという摩訶不思議な特徴も持つ。ガバナーのアーマーや第三世代ヘキサギアに主に用いられている人工筋肉はこの作用の応用である。
- KARMA(カルマ)
アースクライン・バイオメカニクス製第三世代ヘキサギアに搭載される成長型のAI。ハインラインが開発した。
小型ながら全ての個体が連接して巨大ネットワークを形成する。SANATの干渉を無条件でブロックする事が可能。
ヘキサギアの機体制御のみならずガバナーが着るアーマータイプの生命維持装置の管理も行う。またガバナーに合わせて成長するようにプログラムされており、単純な単語でのやり取りしかしない個体もいるが中にはジョークを言うほどに成長した個体もいる。まさにガバナーの相棒ともいえる存在。
またSANATの干渉を遮断できる事から都市の管理にも使われている。
- SANAT(サナト)
軍産複合体MSGが作り上げたジェネレーターシャフトの人工知能。だがある日を境にMSGを支配し、「人類種の保存と存続」という目的の為に人類を情報体に変換するプロジェクト リ・ジェネシスを開始した。
プロジェクト リ・ジェネシスの為ならば敵対者への武力行使も厭わない。
- リバティー・アライアンス
SANATとそれが率いるMSGに対抗する企業同盟軍。人間を情報体にして存続させようとするプロジェクト リ・ジェネシスに反発して「人が人である自由を勝ち取る為に」という言葉の下に生命体としての命を全うする事を誓って戦う。団結した各企業がそれぞれの専門分野の技術を惜しげもなく出し合って打倒SANATの為、KARMAを主力に次々と新兵器を作り出していった。
ただし、多数の企業(敵同士だったとしても)が集まって出来た組織である為か、ある企業は汚染された地球から脱出して宇宙に移民する計画を持ち、またある企業は地球に固執し続け地球と共に滅ぶ覚悟を決めているなど、目標は同じでもその思想は企業によって違う為、一枚岩ではない模様。背景ストーリーでは、ヴァージニアが目をかけているガバナーの所属するヘテロドックスにリバティー・アライアンスの部隊が攻撃を仕掛け、その戦いにヴァージニアが介入してガバナーを救出するという傍から見れば意味がわからない事件まで起きている。
- アースクライン・バイオメカニクス
リバティー・アライアンス加盟企業の一つ。レイブレード・インパルスやボルトレックスなどのヘキサギアを開発した企業。創設者はKARMAを開発したハインライン。だが彼が失踪した後はヴァージニアが代表を務める。MSGが様々な侵攻を開始した際に初期の電子戦を防御できず、瞬く間に工廠などの多くの施設や都市基盤の管理システムを制圧されてしまった。その為、リバティー・アライアンスとヴァリアントフォースの双方にボルトレックスを始め、この会社の機体が配備されている。
- ヴァリアントフォース
SANATに支配された複合企業体MSGの最大の軍事組織。プロジェクト リ・ジェネシスの遂行の為に戦う。無人人型兵器パラポーンが主戦力だが、人間の兵士も多数おり、彼らもまたSANATの思想である人類の情報体化に賛同的である。パラポーンは機械の身体に情報体化した人間の意識を宿しており、代替可能な身体に意識のバックアップとダウンロードを繰り返して戦闘経験を無数に蓄積して戦う。それにより死の定義すらも大きく変えてしまった。
SANATという絶対的上位存在がいるためにリバティー・アライアンスに比べれば統率は取れているが、密かにプロジェクト リ・ジェネシス憲章に違反する兵器を開発している代行者がいたりリバティー・アライアンスに協力しているパラポーンがいたりと、その内実には不透明なところもある(メタ的に言えば、ヘキサギアやガバナーの所属を固定してユーザーの遊びの幅を狭めないように、敵対陣営の兵器を運用していても問題ないとする理由付けと思われる)。
- プロジェクト リ・ジェネシス
SANATが推し進める人類救済計画。
滅びゆくであろう人間を情報体に変換させてジェネレーターシャフトに保管すると言うもの。ジェネレーターシャフトはヘキサグラムを動力源とする巨大建造物であり、これに文化や歴史、人々の意識などを保存した後、宇宙空間に建造されたアーコロジー「メガスフィア」と接続し、アーコロジー内で情報体となった人々による人類史の再創生を行うのがSANATの目的である。尚、この計画には「憲章」というルールが存在しており、その中には「地球環境を不用意に汚染する行為を禁じ、徒にそれを為す者の存在を許してはならない」とか、「情報体となった者はその存在を“ヒトとして定義”する“規定された機械部品”以外に是をダウンロードすることを固く禁じる。此れに抵触する者は速やかに消去されなければならない」などがある。
- ジェネレーターシャフト
地球最大の建造物でありSANATはその頂上にいる。百年以上前から建設が行われており、今でも増築されている。人類種とその全ての歴史を保存する為の超巨大サーバーでありプロジェクト リ・ジェネシスの要でもある。
その稼働電力は全てヘキサグラムで賄われており、SANATはこれを永遠に残す為にMSGが保有する結晶炉でヘキサグラムを製造し、既に製造されたヘキサグラムを回収する。
MSGにとっては軍事設備をはじめ、未だ生身のヒトが生活する為の環境への配電などを行う生命線でもある。情報体となった人間は全てジェネレーターシャフトに保存・バックアップされており、これを破壊されない限りは新たなボディにダウンロードされて再出撃することが可能。リバティー・アライアンスにとってはまさに破壊目標とも言えるがアグニレイジやエクスパンダー、護衛騎士団と言った強力な戦力が防御を固めている為、攻略は困難である。
- ヘテロドックス
リバティー・アライアンスとMSGのいずれにも属さない傭兵や武装勢力、一部の工業都市の市民を一括りにそう呼んでいる。ヘテロドックスとは「異端者」と言う意味。長い世界情勢の不安で大企業に力を集約する中、広大な無人地帯に点在する無数のコミュニティ的な存在で、外部勢力に対しては最小限の接点しか持たず、電子的にもオフラインである。戦闘用のヘキサギアを持っている者もいるがそれらは戦場で遺棄された機体を回収して修理しているものが多い。
記憶障害により孤立したミラーたちが小規模なヘテロドックスになったという非常に稀なケースが存在する。また、正体不明のゾアントロプス・レーヴェも独自の技術を持つヘテロドックスでは無いかと言われているが、彼が一体何者なのかは不明。
- BMIグラムサイト
リバティー・アライアンス加盟企業。脳内に埋め込んだ機器を通じて、脳波により人工物の操作を行うブレインマシンインターフェース(BMI)の開発を専門に行う企業で、白堊理研と合同でアーマータイプ:ポーンA1を完成させた。なお、最新のBMIは義眼に内蔵することで脳内に機器を埋め込まずとも、義手をはじめとした様々な機器の操作を可能としている。ただし、ヘキサギアなどの複雑な機械を脳波によって操作することは使用者の脳神経に多大な負担を強いる。
- 白堊理研
リバティー・アライアンスに加盟する理化学研究所であり、最新の医療技術をはじめ、ガバナー用の装備品であるアーマータイプの機能追求を行い、損傷した人体を補うクローン再生技術や人工筋肉、戦闘用の精神安定剤など薬物開発も行う一方で一般市民用の人工食料の開発も担当している。ヘキサギア関連ではエクスアーマータイプと強化兵士の開発で知られている。
- シュメール・インダストリィ
掌握した結晶炉の管理とヘキサグラムの研究を行う会社。ヘキサグラムの研究データを白堊理研に提供してアーマータイプを完成させた。
- マクスウェルギアーズ
アースクライン・バイオメカニクスからの委託を受け第三世代ヘキサギアの量産を請け負うサードパーティ。バルクアーム・グランツを開発したのはこの会社。ヘキサギアに対応した様々な兵器開発も行っている。
- EST(エスト)
ヘテロドックスの傭兵部隊を斡旋する派遣企業で、エマージェンシーサポートチームの略称。リバティー・アライアンスに加盟している。
- ヴィクター旧世代技術研究所
ヘキサグラム誕生以前の技術を存続するために設立された研究所。
枯渇している資源で動く兵器群を補完する役割も担当している。
- ナイトストーカーズ
リバティー・アライアンス内部に存在する少数精鋭の秘密特殊部隊。
その母体は企業間抗争以前から存在した極秘部隊で戦役の様々なターニングポイントで暗躍したと言われている。
メンバーの素性は一切伏せられているが、複数の企業体から直接派遣されているようだ。その成り立ち故に、時としてリバティー・アライアンスのみならず各々の所属企業の利益に基づいた行動も取るとされ、主として表沙汰にできないような事案の処理や内外を問わない各種諜報工作へ関与しているという噂である。
彼らの装備とヘキサギアは必ず黒く塗られている。だがそれらはどれも調達ルートが入念に偽装されており、現地とは全く関係のない遠方に納入されたものだったり、そもそも工廠を出た記録が無かったり、あまつさえ複数機の部品を集めて構成されている機体まであるなど色々と不可解である。
このように色々とわからない事だらけの怪しい部隊である。
- ゾアントロプスフリーク
ヘテロドックスの中でも謎の多いゾアントロプス・レーヴェを崇拝しているアウトロー達を指す。彼の姿と力に近づこうと自らの纏うアーマータイプなどを改造しているが、その機体性能は基準となるアーマータイプに依存しており、オリジナルであるレーヴェと比べるべくもない。だが、彼のヒトを超越した力に焦がれゾアントロプスを名乗る者たちが出没し、彼らは自らのことを「ゾアントロプスタイプ」と呼び合い、それぞれ異なるコードを名乗り戦場に現れる。
- レッケージ
廃棄されたヘキサギアなどのあらゆる機械の残骸が集積されている隔離地区で所謂ゴミ捨て場、もしくはジャンクヤードのような場所である。ガバナー達の中にはここで有用なパーツを探してはヘキサギアを構築したり、愛機に組み込んだり、ジャンク屋のように売り捌いたりする者がいる。
- レイティングゲーム
アンダーグラウンドで密かに行われるヘキサギアを使った賭博試合。所謂ギャンブルである。対戦には主にバルクアームが使用されている。
模型としての歴史
販売に至る経緯
コトブキヤにてオリジナルロボットコンテンツである「フレームアームズ」が発足される。
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カスタマイズコンテンツ「M.S.G」発足
エクステンドアームズ(フレームアームズの拡張キット)販売開始
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エクステンドアームズとM.S.Gの要素を併せ持つ「ギガンティックアームズ」発足
ヘキサギアの初期コンセプトが固まる。
ヘキサギアシリーズ開始
バルクアームα、ボルトレックス、レイブレイド・インパルスなどの初期キットによる営業配信も記憶に新しい。
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ユーザーからのアイデアを吸収するべく立ち上げた「フリービルド」
ヘキサギアシリーズ、フレームアームズシリーズ、M.S.Gシリーズ(エクステンドアームズ・ギガンティックアームズも含む)を組み合わせた遊び方の提案企画。フレームアームズ・ガールも加えたコトブキヤにて販売されるオリジナルキットなら全てOKとなっている。
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バルクアーム・グランツによる可変ロボットの登場
元々の生物型ロボットにも可変機構はあったが、やはりロボットを欲すると確信した。
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より生物らしさを追求したロボットコンテンツとするべく、シリーズを重ねるごとに改良。
ウィアード・テイルズ
L.O.Z.
ボルトレックス・ラーズなど
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アビスクローラー(クモ形態)をきっかけに広まったメカ虫プラモデルというジャンルを確立。
ブロックバスター、モーターパニッシャー、オルタナティブ メッサーフロート
ゲルトルード、ブロッケード・アイビー
(他社の可変ロボットとして虫を採用されるケースはあった。)
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SUVブームをきっかけにバルクアーム・グランツにもSUVシリーズが追加。(どちらかというとクロカンに近い)
ラウドゲイル
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ロボットにも人体構造を付与したモデルを追加「ブイトール」
バルクアームの新規キット「バルクアームλ(ラムダ)」投入
レイブレード・インパルスReloadedにバイクモードを追加
→コレきっかけにバイクのスケールモデルに興味を持つユーザーが増え始める。
(模型界隈としてはありがたいムーブメントである。)
関連項目
コトブキヤ プラモデル フレームアームズ モデリングサポートグッズ
ゾイドブロックス BJPM:ブロックトイの側面を持つプラモデル繋がり
ミクロマン アッセンブルボーグ:搭乗・組み替えギミックを持つ点は共通しているが、こちらは完成済みのアクションフィギュアである。
アリス・ギア・アイギス:創彩少女庭園の新規コラボイベにおいて、まさかのヘキサギアコラボとは明言されていないのにもかかわらず、色々と実装されることが判明した。同コラボの復刻においても、しれっとヘキサギアモチーフのアクセサリーが実装されている。