ペルガモン(銀河英雄伝説)
ぺるがもん
以下の記述における外観・デザインや性能などに関する設定は、OVA版ならびに劇場版に準えたものとする。原作小説と共通する項目は、戦歴程度でしかないことに注意されたい。
自由惑星同盟の大型宇宙戦艦の1隻で、数多く建造されたアキレウス級またはアイアース級の姉妹艦。第6艦隊旗艦であり、指揮官ムーア(銀河英雄伝説)中将の座乗艦。識別番号は、OVA版で『06』、劇場版で『601』。
アスターテ会戦に参加、第2艦隊と第4艦隊共に銀河帝国艦隊を迎え撃つ。主人公ヤン・ウェンリーの親友ジャン・ロベール・ラップ少佐が、参謀として勤務していた艦でもあるが、このペルガモンにとっては悲劇の舞台として、視聴者又は読者にその名を残すこととなる。
OVA版
形状は同盟軍特有の縦長で長方体の艦体であり、艦首の武装ブロック、中央部の居住ブロック、艦尾の機関ブロック、の3つのブロックに分かれる。同盟軍総旗艦アイアースと殆ど同じ艦体形状をしており、一方でアキレウス級説では本艦が完成形とされる設定もある。
ただし、機関ブロック両舷の側面砲台の数が標準40門から20門へ減らされている反面、艦橋ブロック両舷のビーム砲台が6門から24門と大幅に強化されているのが特徴である。
劇場版
劇場版『新たなる戦いの序曲』では、レオニダス同様にデザイン変更がなされているが、その変貌ぶりはレオニダス以上とも言える。ペルガモンは、艦首括れの上部(谷折り側)を潰してミサイルランチャーを増設。艦体中央部から後部の機関部にかけて、大きくせり出しており、ついでアンテナが艦体上下に6本も追加装備されていることから、アイアース級の中では別格の存在としての雰囲気を醸し出している。
ペルガモンは、メディアによって幾つかの諸説が存在する。
1、アキレウス級戦艦の5番艦であり、アスターテ会戦で撃沈。
2、アイアース級戦艦の1隻(艦番は不明)で、劇場版ではデザインを大きく変更されている。結末はアキレウス級説と同じ。
最新は2番のアイアース級説で、12000分の1スケールで販売された『コスモフリート・ファイル・コレクション』のらいとすたっふにより設定された。
OVA版
- 全長:1,159m
- 全幅:72m
- 全高:m
- 乗員:名
- 主兵装
・艦首25㎝中性子ビーム砲×40門
・12㎝荷電粒子ビーム砲×舷側44門(機関ブロックに20門、艦橋ブロックに24門)
- 戦闘艇:36機
劇場版
- 全長:1,159m
- 全幅:72m
- 全高:m
- 乗員:名
- 主兵装
・艦首25㎝中性子ビーム砲×40門
・12㎝荷電粒子ビーム砲×舷側44門(機関ブロックに20門、艦橋ブロックに24門)
・16連装ミサイルポッド×1基(艦橋ブロック前方)
- 戦闘艇:36機
指揮管制
艦隊旗艦としての機能を与えられている故、1万5000隻規模を統率する能力は有していると考えられる。一方で劇場版では、通信用の大型アンテナが倍の12本もあるため、OVA版よりも高度な通信機能を有していると考えても不思議ではないだろう。
攻撃能力
25㎝中性子ビーム砲を40門備、荷電粒子ビーム砲44門、とアイアース級またはアキレウス級譲りの攻撃力を誇る。特に艦橋ブロック側面に増設されたビーム砲塔郡は、対空火器としての機能を高めていると思われる。
劇場版ではミサイルポッドが追加されており、正面攻撃力はかなり向上していると考えられるが、その一方で正面から被弾した場合に直撃を受けやすいという欠点も見られる。
防御能力
防御する手法はもっぱらシールドと装甲頼みである。OVA版では後背からの直撃を受けて戦闘不能、轟沈している。劇場版では帝国軍の戦闘艇ワルキューレの攻撃を多数受け、艦内各所を破壊されて戦闘不能においやられる。
ただし、他の一般艦艇がワルキューレの近接攻撃を前にして一撃で撃沈している傍ら、ペルガモンは数機のワルキューレから同時に攻撃を受けても撃沈する事は無かったため、それなりの耐久は有している。
OVA版
アスターテ会戦に参加。迎撃艦隊の一翼を担い、包囲艦隊の内で左翼部隊を務めていた。戦力は1万3000隻。ダゴン星域会戦での勝利を再現すべく進撃していたが、帝国軍司令官ラインハルト・フォン・ローエングラムの意表を突いた戦術の前に計画は崩れる。
しかし、ムーアは包囲殲滅に固執するあまり、第2艦隊と合流することなく第4艦隊への救援に向かう事となる。その裏を斯かれ、ラインハルト艦隊に右側背を直撃されてしまい、事態の打開についてムーアとラップが口論している間に直撃弾を受け、真っ二つに折れて轟沈してしまった。
劇場版
経緯はOVA版とほぼ同じだが、右側背を直撃されてからの経緯は異なる(寧ろ劇場版の方が原作小説になぞらっている)。後背を突かれた第6艦隊は急速反転によって迎え撃とうとするも、一斉転舵による艦隊の混乱に付け込まれて壊滅的打撃を被ってしまう。ペルガモンはワルキューレの近接攻撃を受け、艦体の至る所にレーザー射撃を食らって戦闘能力を完全に奪われてしまう。
主砲制御室の破壊や機関動力部の出力低下、さらには友軍の壊滅によるペルガモンの孤立。完全に包囲され、脱出も出来ない状況下で降伏を迫られるが、ムーアは猛反発し玉砕の道を選ぶ。ラップの静止を振り切り、艦を前進させるものの集中砲火を受けて大破。遂には轟沈してしまう。
ペルガモンは外見的にも大きく変更された艦であるが、記憶に残されるのはどちらかと言えば、将来有望とされ、なおかつヤンの数少ない理解者でもあったラップの悲劇の舞台となった艦としての、記憶ではないであろうか。