概要
自由惑星同盟軍末期を代表する旗艦級大型戦艦。1番艦アキレウスを皮切りに、姉妹艦やバリエーションを含め25隻以上という大量建造が行われた。
媒体によっては「アイアース級」「パトロクロス級」等の名前が使われることもある。
艦形の特徴
艦首に25cm中性子ビーム砲を多連装(標準で40門)装備し、主砲塔の後方に艦橋、アンテナ、重水タンクなどの中枢部、その後ろには長大な機関部が設置され、側面には艦載戦闘艇スパルタニアンの格納庫が片舷16機ずつある。機関部上方にシャトル格納庫があり、格納庫側面には5連装の小口径対空ビーム砲が複数設置されている。エンジンは1基で、閃光遮断板で噴射口を囲んでいる。
上下には長距離通信アンテナがそびえ、艦隊旗艦としての指揮能力の高さを象徴している。
代表的なアキレウス級
パトロクロス
作中に初めて登場したアキレウス級で、同盟軍第2艦隊旗艦。艦艇識別番号02(「新たなる戦いの序曲」では201)、司令官はパエッタ。
全長1,159m、全幅72m、全高358mはアキレウス級の標準サイズ。
レグニッツァ上空戦、第4次ティアマト星域会戦、アスターテ星域会戦を戦い抜いた歴戦の艦で、アスターテ会戦では艦橋左舷至近でスパルタニアンが爆発し中破、戦闘能力こそ維持できたもののパエッタ中将が重傷を負った上、艦隊司令部もほとんど全滅に近い状態となってしまった。そこで、第2艦隊次席幕僚で、司令部で唯一無事だったヤン・ウェンリー准将(当時)がパエッタの命令で指揮権を引き継ぎ、初めて艦隊の指揮を執った。
アスターテ会戦後の去就はパトロクロス級とアキレウス級・アイアース級でそれぞれ異なり、前者では損傷が激しいため廃艦、後者では修復された後、第1艦隊司令となったパエッタと共に第1艦隊旗艦に異動。ランテマリオ星域会戦に参加し奮戦する。
アイアース
作品開始時の同盟軍宇宙艦隊総旗艦。艦艇識別番号無し。
全長1,159m、全幅72m、全高358m。
当時の宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボスの座乗艦であり、ヴァンフリート星域会戦や第4次ティアマト星域会戦における同盟軍総旗艦。
アキレウス級の中でも初期型に当たる艦で、サイズや形状はアキレウス級標準型と同じだがカーキ色の塗装をしている他、艦首主砲群の左右最上部に指揮管制システムが設置され、主砲門数が38門に削減されている。帝国領侵攻作戦の失敗及びアムリッツァ星域会戦での敗退によるロボス引責辞任後の動向は不明。
リオ・グランデ
同盟軍第5艦隊旗艦。艦艇識別番号0501。司令官はアレクサンドル・ビュコック、艦長エマーソン。同盟軍宇宙艦隊を象徴する歴戦の巨大戦艦。
全長1,260m、全幅72m、全高358m。艦隊旗艦としては両軍を通じて最長の艦(※帝国最長はガルガ・ファルムルの1,210m)。アキレウス級標準型と異なり艦首が長いのが特徴だが、これは建造当時艦首主砲が旧式のものしかなく、射程を稼ぐために長砲身化せざるを得なかったため。後の改装によって艦首主砲は新型に更新され、その艦首の長さを生かして長距離タイプの砲を搭載している。
第5艦隊旗艦としてヴァンフリート星域会戦、第3次ティアマト星域会戦、アムリッツァ星域会戦等に参戦。ロボスの引責辞任後、宇宙艦隊司令長官に就任したビュコックと共に宇宙艦隊総旗艦に昇格。その後、ランテマリオ星域会戦を指揮。そしてマル・アデッタ星域会戦で同盟軍宇宙艦隊の最期に殉じた。
エピメテウス
同盟軍第11艦隊旗艦。艦艇識別番号1101。司令官はウィレム・ホーランド。
全長1,230m、全幅140m、全高358m。機関部両舷にバルジ状の張り出しを設け、後部上方の艦載機格納庫も延長されており、非常に長大な印象を受ける艦。突撃力に優れるが、機動性がその分犠牲になっている。
前任の旗艦ヘクトルの後任として第11艦隊旗艦となり、中将に昇進したホーランドを指揮官に迎え第3次ティアマト星域会戦に参加。猛攻と突撃により4倍の数の帝国軍を一時圧倒するも、突撃の限界点に達した瞬間を見極めたラインハルト・フォン・ミューゼル中将(当時)率いる艦隊の斉射三連を受け、文字通り消滅した。尚、本艦の後任旗艦であるレオニダスⅡもアキレウス級である。
アガートラム
同盟軍第13艦隊・イゼルローン要塞駐留機動艦隊副旗艦。司令官はエドウィン・フィッシャー。アキレウス級のバリエーションの1隻で、全長983m、全幅72m、全高356m。艦艇識別番号BG-20。
艦首主砲塔群の下の張り出しと傾斜した巨大な艦橋構造が特徴で、主砲である中性子ビーム砲の口径こそアキレウス級標準の25cmよりやや小さい22cmだが、その門数は64門。また、張り出し部分の後方にスパルタニアンの格納庫を持ち、搭載機数も通常のアキレウス級より多い。
その巨大な艦橋構造を利用した強力な通信能力とフィッシャーの艦隊運用の手腕を以て第13艦隊(ヤン艦隊)の艦隊運用を支え続けた。
バーミリオン星域会戦後、その強力な指揮・通信能力を恐れた帝国軍の命令で解体された。
アキレウス級各艦
※は設定のみ存在 太字は正規艦隊旗艦
・アキレウス※ 第4艦隊旗艦
・アイアース 宇宙艦隊総旗艦(第1艦隊旗艦)
・ク・ホリン 第3艦隊旗艦
・リオ・グランデ 第5艦隊旗艦→宇宙艦隊総旗艦
・ペルガモン 第6艦隊旗艦
・パトロクロス 第2艦隊旗艦→第1艦隊旗艦
・ケツァルコアトル 第7艦隊旗艦
・ヘクトル※ 第8艦隊旗艦→第11艦隊旗艦
・クリシュナ 第8艦隊旗艦
・バン・グゥ(盤古) 第9艦隊旗艦→第10艦隊旗艦
・パラミデュース 第10艦隊旗艦→第9艦隊旗艦
・エピメテウス 第11艦隊旗艦
・ペルーン 第12艦隊旗艦
・レオニダス 第4艦隊旗艦
・マウリア 第13艦隊所属分艦隊旗艦
・ペンテシレイア※ 第7艦隊所属
・アガートラム 第13艦隊副旗艦
・メムノーン※ 第10艦隊所属
・ペロプス※ 第3艦隊所属
・プロテシラオス※ 第8艦隊所属
・グラウコス※ 第12艦隊所属
・レオニダスⅡ 第11艦隊旗艦
・アキレウス(2代目) 第14艦隊旗艦
・シヴァ 工作艦隊旗艦→動くシャーウッドの森旗艦→エル・ファシル革命予備軍分艦隊旗艦
・ディオメデス 第15艦隊旗艦
・ロスタム マリネッティ分艦隊旗艦
関連イラスト
第8艦隊旗艦クリシュナ
第6艦隊旗艦ペルガモン(『新たなる戦いの序曲』版)