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ボナー・フェラーズ

ぼなーふぇらーず

Bonner F. Fellers(1896-1973)とは、ダグラス・マッカーサーの副官を務めた事がある小泉八雲マニアなアメリカ軍人。
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概要

1914年、アーラム大学に入学し、同大学に留学していた日本人女性「渡辺ゆり(後に結婚して一色ゆり)」と出会った。


1916年にアーラム大学を中退したフェラーズは、陸軍の士官学校に入って1918年に卒業。その後の1921年からフィリピンに配属され、1922年に来日を果たす。来日したフェラーズは、帰国していた渡辺ゆりの紹介で河井道と出会った。


帰国直前、もっと日本を知ろうと考えたフェラーズは、渡辺ゆりに何か参考にできるものはないか尋ねたところ、日本に帰化したギリシャ人ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲の事を教えられ、八雲の著作を数冊購入してフィリピンへと戻った。


そして、「神国日本」等の八雲の著作を読んだフェラーズは小泉八雲の著作を次々と読破し、日本人を理解した初めてにして唯一の西洋人と評価した。そして1930年に妻を連れての再来日時には、東京の小泉家を訪ねる程の立派なハーン・マニアとなっていた。


小泉八雲の著作により日本に大いに興味をもったフェラーズは、日本軍と天皇の関係や、天皇が不可侵である事等をまとめた「The Psychology of the Japanese Soldier(日本兵の心理)」と言う陸軍指揮幕僚大学の卒業論文を作成し、日本人を知る資料としてダグラス・マッカーサーも1937年にフェラーズと共に来日した際に読んだと言われている。なお、フェラーズ自身は陸軍大学に入学した1938年にも来日している。


准将に昇進し、陸軍情報局を経て1944年にマッカーサーの軍事秘書官となったフェラーズは、太平洋戦争終結後の1945年8月30日にマッカーサーと共に上陸。旧知の一色ゆりと河合道の所在をつきとめ、アメリカ大使館内の自宅に招待した。そして、小泉家に対しても食料の支援等を行った。


太平洋戦争中、天皇の戦争責任について「天皇を罰すれば日本人の激しい反発を買う」と言う文書を作成していたフェラーズは、戦時中、キリスト教徒として昭和天皇の御真影を掲げる事を拒否していた河井道や、アメリカ留学経験のあるキリスト教徒の一色ゆりに「天皇を罰するべきかどうか」たずねたところ、河井道は「もし陛下の身にそういうことが起これば、私がいの一番に死にます」と昭和天皇の処罰に反対した為、昭和天皇に対する開戦の責任よりも戦争を終結した功績を重要視し日本の統治に利用すべきであるとマッカーサーに進言。関屋貞三郎寺崎英成らと共に天皇非訴追の為の裏工作や情報収集を行い、昭和天皇とマッカーサーの会談をセッティング。そしてマッカーサーは、天皇を戦犯とみなすに足る確実な証拠は発見できず、昭和天皇を処刑した場合、日本国民の反抗にあい100万の兵力や長期の駐留が必要になるとアメリカ本国に報告し、昭和天皇の戦争責任は回避された。


1946年に対日理事会事務局長に就任したフェラーズだったが、1946年11月に退役。軍からアメリカ政界へと活動の場を移した後の1973年に亡くなった。


終戦のエンペラー

日米をまたにかけて活動し、「ラストサムライ」等の作品で知られる奈良橋陽子が製作し2012年に公開されたハリウッド映画「終戦のエンペラー」では、フェラーズが主役に配されている。


※奈良橋の祖父はフェラーズに協力した関屋貞三郎。


作中でフェラーズは、一色ゆりをモデルにしていると思われる日本人女性「島田あや」とのラブロマンスがフィクション要素として描かれているが、これはフェラーズがGHQの一員として日本に滞在していた際に、外出している回数が多い事を発見した奈良橋が「女性にあっていたのではないか」と想像して作り出したものとの事。


※前記の通り、当時すでにフェラーズは結婚しており、外出は小泉家を訪問していたものと思われる。


またエピローグにて、日本びいきが元でアイゼンハワーによってフェラーズが大佐に降格されたようにも受け取れる日本語字幕が表示されるが、実際は、単に戦時中の功績による昇進で将官が増えすぎてしまった為、軍の再編成の際にある程度の数を一斉に降格させた中にフェラーズが含まれていただけだったりする。その為、後にフェラーズは准将に再度昇進している。


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