アメリカ陸軍公式動画
概要
第82空挺師団(82st Airbone Division)は、アメリカ陸軍の空挺部隊であり、1942年8月に歩兵師団からアメリカ軍で初めて空挺師団として再編された由緒正しい部隊である。輸送機からのパラシュート降下で展開するエアボーン部隊として活動している。現在では緊急展開部隊のひとつとして、合衆国の有事が起きれば素早く即応する。
エアボーン部隊として全兵力が輸送機で空輸できるよう装備を軽量化しており、野砲すら155mm砲ではなく軽量な105mm砲を使うほど、米陸軍の現役師団で最も軽量化された師団とも言われる。一方でその兵力は最精鋭として扱われ、本師団で服務した後に第75レンジャー連隊、グリーンベレー、デルタフォースといった特殊部隊への入隊を目指す米軍人も多い。
第二次世界大戦では、北アフリカ戦線を皮切りにシチリアでイタリア軍と戦い、さらにノルマンディー上陸作戦やマーケット・ガーデン作戦、バルジの戦いといった主要な作戦に投入された。その後もベトナム戦争やグレナダ侵攻、アフガニスタンといった様々な戦地に派遣された歴戦部隊であり、第101空挺師団とともに米陸軍史上最も名声と功績が高い精鋭師団の一つとも称えられる。
その第101空挺師団とはライバル関係にあるが、82師団は輸送機からのパラシュート降下を主軸とするエアボーン部隊なのに対し、101師団はヘリコプターを移動手段に空中機動するヘリボーン部隊という点で異なる(ベトナム戦争までは101師団もエアボーン部隊だった)。
精鋭部隊でもあり、米軍が特殊部隊を能力に合わせてランク付けした「Tier」という序列では、非特殊部隊ながら最下位のTier3に分類されている。上記の通り緊急展開部隊である第18空挺軍団の隷下にあり、一部の部隊は18時間以内に出撃できる即応体制を維持している。
師団の愛称は「オール・アメリカン(All American)」。これは第一次世界大戦の最中である1917年8月に新兵のみで歩兵師団として編成された同師団創設時、当時48州だったアメリカ全土の出身者が本師団に召集されたことに因む。本師団のエンブレムも、この頭文字をとった「AA」を形どったものとなっている。
関連イラスト
Pixivでは、上で記述した第二次世界大戦中でのシチリアでの戦闘を描いた作品も多い。