説明
マザーは敬称なので、名前としてはラパーパとなる。
「花の海」と呼ばれた理想郷を支える「母なる樹」に宿っていた神秘的な存在であり、この理想郷に住まう全ての者たちにとって「あまねく命の母」であった。
しかし、ある時に終わりなき混沌デウスマストが眷属を率いて攻め込んできた為、この世界とそこに住まう全ての命を守る為単身立ち向かう。長い戦いの末デウスマストを宇宙の彼方へ放逐し眷属達を封印することに成功するが、本人も致命傷を負ったために世界を支え続けることができなくなり、依り代にしていた大樹と共に大地から離れて何処かへと消え去ってしまったという。
ラパーパの守護を失った大地は砕かれてしまい、五つの大陸と無数の島々へと分裂。これが地球、ナシマホウ界とも呼ばれている世界の始まりである。
一方大地から離れた大樹は、静寂なる時空の狭間で長い時をかけて傷を癒し、やがて一つの世界を作り出した。大樹を中心とした周辺空間は水と大気で満たされ、海と空が作られた。そして海には大樹が枝葉を伸ばし島を生み出し陸地を作り出した。だが、大樹を支えるべき大地のみは作られず巨大な海洋世界となった。これが魔法界の始まりである。
つまり、魔法界とナシマホウ界は元々一つの世界であった。
だが、どちらの世界においてもあれからラパーパの姿を見た者はいない。
戦いの時はラパーパはデウスマストの攻撃をダイヤのシールドで防いでいるのだが、最終的にこれが衝撃に耐えきれず2つに割れて攻撃を真正面から受けてしまう描写がある。(だが、これと同時にラパーパがデウスマストの放逐に成功したため実質的な相打ちである)
そして、ラパーパが倒れ臥すのと同時に2つに割れたダイヤのシールドは2個の光る石へと変貌して別々の場所へと落ちていく描写がある。おそらくこれがダイヤのリンクルストーンが2つに分かれている理由と思われる(作中での説明はなかったためあくまで推測の域を出ないが)。
ラパーパは大地から離れて消え去る直前に、「いつか必ず世界は結ばれる。そう魔法をかけた」との預言を残している。
世界を繋げたいと本当に心の底から強く願うものが二つの世界に現れ、その思いが繋がった時、その奇跡は必ず起こるとラパーパは約束した。そしてラパーパはこの奇跡の魔法をこう名づけた。「プリキュア」と。
それもあってか、ラパーパが眷属達を封印した技はダイヤスタイルの決め技「プリキュア・ダイヤモンド・エターナル」に、デウスマストを宇宙の彼方に放逐した描写はアレキサンドライトスタイルの決め技「プリキュア・エクストリーム・レインボー」にそれぞれ非常に似通っている。
母なる樹はその存在感から魔法界のシンボルとして今でも親しまれているが、「花の海」のこともマザー・ラパーパという太母の存在も人々の記憶と歴史からはもはや忘れられている。
それでも、「プリキュア」という言葉だけは魔法界ではかろうじて残された。その言葉がもつ預言の意味は忘れられていたが、「誰も知らないような大魔法を使う伝説の魔法つかい」として魔法界では象徴的に伝え続けられた。
回想シーンで描かれたラパーパの顔立ちはキュアフェリーチェに非常に似ている。
視聴者達の間では彼女の母、もしくは転生前の姿ではないかと言われていたが……
そして後に、ことははラパーパの力を継ぐ者であることが明らかになった。(解釈によっては転生を果たしたともいえる)
女王ポジとして
存在が言及されたのが終盤に入ってからであり、最終話間際に肉体を喪ってなお精神が存在していたことが描写されたマザー・ラパーパだが、彼女が劇中で行使した力は相当なもので
- 様々な星を蹂躙してきた終わりなき混沌を自らの肉体を喪いながらも撃退し、数千年もの間完全に封じ込める。
- 封印がほころび始めてからも眷属たちの約三分の二を肉体をもって復活することを阻止して、終わりなき混沌の組織的な攻勢を阻止している。
- そうやって混沌たちを牽制しながら来る日に備えて様々な強力な遺産を各地に残しており、プリキュア達が復活した混沌の眷属たちを完全に浄化できるように万全の態勢を整えさせる。
など、歴代でもスケールが大きな部類に入る終わりなき混沌を相手にして殆ど主導権を握らせず、完全に浄化して脅威を取り除くことに成功する原動力となった。
基本、敵組織に翻弄され対応が後手に回りがちなプリキュアシリーズの女王様ポジションキャラとしては、別格クラスの力を持った稀有な存在ともいえる。