概要
2014年ブラジルワールドカップ、開催国ブラジルはエース・ネイマールの活躍もあり順調に勝ち進んでいた。
だが準決勝ドイツ戦前、そのネイマールが準々決勝のコロンビア戦で骨折。さらにキャプテンのチアゴ・シウバも累積警告で出場停止となり、暗雲が立ち込める。
で、試合が始まり11分、さっそくブラジルは先制されてしまう。
そして前半23~29分、わずか6分の間に4ゴールを叩き込まれる。
この時点で0-5。ブラジルサポーターは精神崩壊モードであり、ハーフタイムではドイツの選手も「手を抜かずやろう」とか言い出す始末である。ネイマールも「こんなの見るぐらいならポーカーでもした方がまし」とまで言い出すもんだからブラジルの空気はもう推して知るべしだろう。
それでもブラジルは後半必死に追い込もうとするが、後半24分ゴールネットを揺らしたのはドイツだった。さらにその10分後には7点目が入り、やけくそになったのかブラジルサポーターがこのドイツのゴールにスタンディングオベーション、パスに声援を出す有様。
ブラジルも一応終了間際に完封負けだけは免れたが、そんなもんが何にもなる訳ではなく試合は終了。
結果として、「7-1」と言うとんでもないスコアが残ってしまった。
ああ、歴史は繰り返す……
実はこの64年前の1950年、ブラジルでワールドカップが行われていた。
その時はトーナメントではなく決勝リーグと言う形で行われ、上位4チームとして決勝に進んでいたブラジルは優勝に向けて突き進んでいたが、最終戦のウルグアイ戦に敗れ優勝を逃した。
この一件は開催地から「マラカナンの悲劇」と呼ばれ、関係者の中には自殺者まで出たという。その時の悲劇を糧に立ち上がったのがかのペレであり、またカナリア色のユニフォームにしたのもこの時の白を避けるためだったと言う。
その後
当然この試合に対しブラジル国民は大激怒。
各地で大暴動が発生し、新聞各紙も
「1950年の準優勝メンバー、おめでとう。今日我々は本当の恥辱を知った」
「あなたの気持ちを記してください」(要するに白紙)
「地獄に行くのはお前だ、監督!」(監督は戦前、「私は自分のやり方でやっている。気に入らない者は地獄に行けば良い」とのたまっていた)
とまあこんな有様である。
そんなテンションだからオランダとの3位決定戦も0-3と惨敗。ワールドカップ王者となったドイツとは比べ物にならない差がついてしまった。
勝利の反動?
だがその後2回のワールドカップではドイツはなんと2回連続で1次リーグ敗退。
準決勝どころか決勝トーナメントにも出られない有様である。
それにひきかえブラジルは……と言いたいがこっちも2回連続ベスト8どまりと準決勝に進めていない(もっとも、ブラジルは2002年の優勝以降準決勝進出はこの時だけであとは全部ベスト8どまり)。両者の対決はいつになるのか。