概要
ムスカ・マチェッダ(Musca Macedda)とは、イタリアのサルデーニャ島の伝承に登場する蝿の悪魔。
ロッツォライのナバラ城の地下には二つの宝箱があり、片方にはすばらしい財宝が入っているが、もう片方の宝箱にはこの蝿の群れが入っているといわれていた。
そのため、もし誤ってこの蝿を解放してしまえば、この国の住民ばかりか周辺七カ国も滅亡してしまうので、誰にも開けることができなかったのだという。
イグレシアスのサルバテラ城の地下にも同じ宝箱があったが、聖人の祈りによって悪魔の蝿は去ったために宝は手に入れることができたのだという。
しかし、黙示録の時代に、疫病などの災厄を引き起こすために戻ってくると予言されたのであった。
なお、この悪魔は海岸や湿地、もしくは平地の人々に害を為すが、山や丘などの標高が高い場所に住む人々は襲われにくいと伝わる。
そのことからこの伝承の成立には、サルデーニャ島におけるハマダラカ発生による、マラリア禍が影響を与えていると考察されている。