概要
本体は暗殺チームのリーダー、リゾット・ネエロ
【破壊力:C / スピード:C / 射程距離:C / 持続力:A / 精密動作性:C / 成長性:C】
スタンド名の由来はアメリカのヘヴィメタルバンドMETALLICAから。
また、劇中であげていた「ロオオオーード」という呻き声は同グループが1996年に発表したアルバム『ロード(LOAD)』から。
本体の体内に無数の群体型スタンドが潜んでいるという非常に珍しいスタンド。
射程は5~10mで、典型的な近距離パワータイプよりは射程が長い程度。
磁力で地面や湧き水など鉄分を含む様々な場所から鉄分を引き寄せて操り、刃物等を作り出して攻撃出来る。また、相手の血液中の鉄分を刃物等に作り変えることも出来、その場合は体内から攻撃することもできる。リゾット自身が鉄分を身にまとうことにより、景色と同化する=透明化することも可能で、この状態のリゾットにドッピオほど接近出来た者は1人もいないとされる。
切断された足を能力で作った金具でつなぎ止める、と言った使い方も披露している。
磁力で鉄分に作用すると言うシンプルな能力だが、この能力の恐ろしい点はターゲットの体内の鉄分を減らすことにある。 つまり早く鉄分を補給しないと、血液中の赤血球が酸素を運ばなくなり酸素欠乏症になってしまうのだ。
さらには敵の体内から攻撃可能という特性から、高いカウンター能力を持つイエローテンパランスや高い防御力を持つホワイト・アルバムのようなスタンドの最大の天敵である。
おまけに上述どおりスタンドが体内に潜在しているためにスタンド使いにありがちな「スタンドのビジョンがスタンド使いに視認されることで自身がスタンド使いであることがバレてしまう」という欠点も存在せず、対スタンド使いに対しても能力発動時でも自分がスタンド使いであることを悟られず優勢な立場に立つことが出来る。
まさに任務の失敗は一度もないのも頷ける、暗殺に適した能力であるといえよう。
だがしばしばこの戦法には、カミソリやハサミを敵の体内で作ったり鉄欠乏性貧血にさせてジワジワといたぶるような回りくどいことをするよりも、脳や心臓のような重要な臓器の血管内の複数箇所に金属片を生成して一瞬で血流を停止させ、重度の脳梗塞や冠動脈閉塞に至らしめるなどの手段で殺した方が手っ取り早いのではないのか?というツッコミがされる。
- これについてはもっともな話だが、「精密動作性」がC(=人間並み)なので、おそらく体内の深部で刃物を生成してピンポイントで傷付ける等の精密な動作は出来ないのだろう。作中でも皮膚一枚隔てた場所や体外と言った、まだ見える範囲でしか刃物を生成出来ていない。
初見殺しではあるが、いくつか弱点があり、ドッピオにそこを突かれる。
①リゾットの体内にいるスタンドから磁力を発生させるため、リゾットの肉体からしか磁力は出ない(体内中にスタンドがいるので欠損した身体から磁力を発生させることは出来る)。
②射程が5~10mなので、ある程度間合いを詰める必要がある。
③敵の鉄分を体外に抜く方法は、磁力で鉄分だけを引っ張り出すだけという単純な方法であるので、鉄を引っ張る方向を辿ればリゾットがいる。
- 手前にカエルを置く→手前に置いたカエルの鉄分が先に体外に引っ張られる(カミソリとなる)→その方向から磁力が強くなってる→つまり、その方向からリゾットが近づいている。
- 鉄で出来たメスの引っ張られる方向にリゾットがいる。(作中では切断された足から、この能力を使うことで位置を偽装したが)
他に弱点…というか相性が悪いと言えるのが、他ならぬ第5部主人公らブチャラティチームの面々。
本体の強キャラ感に加え、スタンドも厄介なものであり、実際劇中でもその脅威は存分に描かれた一方で、ブチャラティチームと直接戦うことはなかった彼だが、スタンドの相性は皮肉なことに最悪。
相手の皮膚の下に凶器を形成してもスティッキィ・フィンガーズで取り出され、ゴールド・エクスペリエンスで傷や血はカバーされ、姿を消しても二酸化炭素を探知して遠距離攻撃が可能なエアロスミス等々、様々な意味で厳しい戦いとなるだろう。
単純な強弱ではないスタンドの相性というものが如実に現れる一例ではなかろうか。
補足
磁力をコントロールする能力は他に、3部に登場したバステト女神があるが、そちらは人間自体を磁石に変えてしまうのに対し、こちらは体内の鉄分を磁力で操作してしまう。能力は同系統でも、攻撃タイプ的には正反対である。
ちなみに、人間の体内に存在する鉄分の量は3〜5グラム程度とそれほど多くなく、かき集めたとしてもカミソリ2枚程度にしかならない。そのためメタリカが生成する金属は純粋な鉄であるとは言い難く、実際リゾットの死亡時、能力によって生成されたメスなどの鉄器は消滅してしまっている。
作中ではドッピオの皮下に剃刀を生成して引っ張り出す→突進してきたドッピオに針を生成して引っ張り出し、足止めをした後、喉にハサミを生成して切り裂こうとしており、リゾットの台詞では通常の相手ならこのハサミの攻撃で決着していたようだが、ドッピオはエピタフの予知によって即座にハサミを摘出し切り抜けている。
以降摘出による失敗を警戒したのか、ハサミのような「鉄器を皮下に作って押し込む(切り飛ばす)」タイプの攻撃は、ドッピオが弱り切ったとどめの瞬間までしなくなっている。代わりに地表の鉄分からメスを作り出し一斉に飛ばして体力を削る攻撃に切り替えている。
メタリカは能力によって質量以上の鉄を発生させているとおぼしく、この性質により人体内の5グラム程度の鉄を操るより強力な殺傷力を実現していると言える。