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概要編集

メタフィクションからの派生。解釈はいろいろあるが、多くの場合で虚構世界を形作っているはずの物語(=ストーリー)全体がメタ寄りに…つまり強く現実を意識させる内容になっていることを指す。あるいは、『フィクション作品』のなかであるにもかかわらず虚構や現実へのツッコミや疑問提起を頻発に行っていること(詳細は各項目を参照)。


事例編集

もっとも有名なものの一つは、司馬遼太郎の歴史小説であろう。この作者は自身の作中で「余談ながら」とか「作者は考える」と言いながら作中描写を取っ掛かりに雑学備考後日談、加えて作者の個人的な持論考察ストーリーを棚上げして下手すれば数ページにわたって綴りぬくことがもはや常套手段と化している。端的にいうとメタ視点での脱線で様々な理由から非常に評価が分かれる要素だが、一種の様式美としても扱われている。このため、小説というよりも司馬の歴史解説書状態になっている作品も多数みられる。


最近の創作物だと『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』では、主人公が現実世界のプログラマーとしての感性で自身が転移した先のファンタジー的な異世界をとらえていて、プログラミング的な技法で自作魔法や聖剣を創作する一方でコンピューターゲームいうところのバグや理不尽な仕様に疑問を抱く描写がみられ、一部は偶然ではなく明確な意思を持った存在によって作為的に構築されたと考察するに至っている。また、他にも日本出身の登場人物が多数いるが、彼らの一部(例:アリサなど)はその世界を『ゲーム寄りな世界』と認識して全力で楽しもうとしている。


Web版では後半にてその世界の管理者である7柱の神というデウス・エクス・マキナ的な存在と主人公が対面し、主人公が転移した世界は「宇宙からやってくる怪物の侵略から世界を守るための巨大な装置」のようなものであるといった真実を告げられる。また、神々も元々は外部からやってきた存在である示唆がみられるなどメタにメタを重ねる描写となっている。


他にも筒井康隆の『朝のガスパール』では、読者等からのリアルタイムの反応(ファンレターやネット掲示板、荒らしや炎上・AA ect)をそのままストーリーに反映させるという壮絶なメタ構造を披露している。メインテーマは「第四の壁の破壊」であったそうな…


使用上の注意編集

上手くいけば一部分を客観視させることで物語を昇華させることもできるが、かなり操作が難しい。下手をすれば様々な要素が交通事故を起こして世界観破綻する可能性もある。「物語を、虚構を楽しもうって思っているのにいつまでマジ(現実)の話ししてんだろう…」と受け取り手が白けたりドン引きすることも結構ある。基本的には諸刃の剣であることを心得るべし。


上述の司馬もあまりにその手法を駆使し過ぎた結果、彼の作品を通して歴史を知った読者の多数がその著作が小説というフィクションではなく歴史書的なノンフィクションであると誤解するケースが多発してしまい、作劇と現実の曖昧さを後になってから非難される事態になっている。参考


メタ構造的な描写に熱中しすぎると、誰でもない読者が付いていけなくなってしまう。

まさに過ぎたるは猶及ばざるが如しである。


関連イラスト編集

神芝居諦めが肝心

要するにどうゆうこと? と思った方はこの作品から何となくの雰囲気を察してください。


関連タグ編集

創作 メタ メタフィクション メタ発言 第四の壁 内輪ネタ 楽屋ネタ

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