概要
1950年に岐阜市内線・美濃町線向けに5両が製造された路面電車用電車。車体のデザインなどは都電6000形のデッドコピーとも言えるもの。足回りは戦後初の新製四軸ボギー車だが、制御方式は直接制御で、台車もブリルタイプの古典的なものを装備するなど保守的な設計である。
当初は3両が美濃町線へ、2両が岐阜市内線へ配属され、後に全車両が岐阜市内線へ集結。集電装置もトロリーポールからビューゲルを経てZパンタグラフへと換装され、ワンマン化改造も施工されている。
しかし冷房化改造は行われず、後継のモ780の登場によりモ573が1998年に、モ575が2000年に廃車。残った3両はラッシュ時専用車として揖斐線に乗り入れない運用に限定して使用された。
2005年3月の名鉄600V線区全廃により全車が廃車。冷房改造されていなかったために全車解体処分となったが、府中市郷土の森公園内の交通遊園に保存されている都電6000形6191号車の修復用としてモ571の運転台の窓枠が再利用された。