概要
これまでのテイルズオブシリーズでは基本的には主人公とヒロインが公式カップリングの設定が多かったが、「ヴェスペリア」ではスタッフ曰く「テーマをぶれさせないた恋愛要素は排除した」とのことで、ユーリとエステルにもそういった関係はなく、公式ではない。…なのだが、シリーズを通してかなりの人気を誇っているCPである。
それぞれ色んなキャラとフラグは立っているので、「自分の中でくっつけばよし」と公式はコメントしている。親切な公式である。
ユーリに感謝されてエステルが恥ずかしがったり、エステルが城へ帰ろうとした際にユーリが「寂しくなるな」と呟くなどの描写はあるが、お互いに明確な恋愛感情を抱くことを示唆するシーンは最後までない。
公式のコンプリートガイドによると、エステルはユーリに淡い感情を抱いているが、ユーリはエステルを妹のように思っており、エステルの気持ちを知りつつもはぐらかしているらしい。
ただ公式シナリオブックの最後に載っている小説で、ユーリがエステルに壁ドンをしてからかうシーンがある。けしからん。
DJCDにおいては、魔導器の実験で遊び人な性格にされジュディスやパティを乙女ゲーのように口説いたユーリにエステルが大慌てし、しかし自分を口説く前に正気に戻ってしまったことを少し残念そうにするというなんとも言えないいじらしさを覗かせるシーンがある(DJCD「テイルズリング・ヴェスペリア」Comic Market 87 Limitedより)
ユーリの声優である鳥海氏は、ユーリとエステルの関係について「自由な人と自由じゃない人の対比」であり、「エステルはユーリの自由さに憧れている感じ」だと語っている(テイルズオブマガジンおよび2018テイフェスパンフによる)。
また、テイルズオブ大全(1995~2016)のエステルの項においては、ユーリについて丸い文字配列の中で
「絶望にうちひしがれ、嗚咽を漏らすその度に叱ってくれるユーリの手が温かかった」「長い髪の向こうにぞんざいさと優しさを同居させた手負いの黒鳥は、いつでも傷だらけの翼で彼女を世界の全てから守ってくれた」
と書かれおり、卵から孵ったばかりの雛とそれを守る親鳥のような関係性が示唆されている。
対してユーリの項には、エステルをフレンの元に送り届ける道中について「いわば子守」だと言いながら、罪と埃にまみれた手を握り返す穢れなど何一つ知らない白い指が救いであったような描写がされている。
以上のように、公式において恋愛関係にはないが、お互いの存在が救いになっているのは間違いなく、兄と妹のような親鳥と雛のような二人がED後どうなっていくのかはプレイヤーに委ねられており、非常に想像のしがいのある二人である。