存在自体が重大、いえブラッククローバー最大のネタバレなので閲覧注意!!
スペード王国を支配している悪魔憑きの魔導士たちであるゾグラティス兄妹の一人で、4兄妹の長兄である。
存在が示されたのはユノとの戦いにおける末弟・ゼノンの回想内であり、そこでは車椅子に座り咳き込んでおり病弱な印象で、顔は隠されて解らずファンの間では彼の正体や現在の行方が議論されていた。
「やあ」
「概ね君の言ってた通りになったよ」
「ルシウス・ゾグラティス」
「あぁ 時は満ちたよ」
漆黒の三極性の3名の兄であり、時間魔法を司る最上位悪魔の一体アスタロトと契約している悪魔憑き。
そして、クローバー王国の現魔法帝であるユリウス・ノヴァクロノの中に眠るもう一つの人格であり、スペード王国を中心に起こった悪魔憑きに関わる一連の事件における真の黒幕である。
プロフィール
人物
風貌は基本的にユリウスと同様だが、髪の色が黒くなってゼノンに近く感じられ、彼の方がいくらか優しそうな目つきであるが、ユリウスのような穏やかさよりもどこか狂気を含んでいる不気味さがあり、(向かって)左額に太陽を模したタトゥーが記されている。
ユリウスが使っていた時間魔法は元々は最上位悪魔アスタロトの魔法であり、当然他の悪魔憑き同様、これとは別にルシウス固有の魔法を持つ。
ユリウスと同じく人間の力や魔法の可能性を重んじ、ルチフェロに対して「この世界で最も魔法が優秀なのは我々人間だ」とも語っているが、一方でユリウスは認めていたアスタと対峙した際には、彼とは対称に生まれつき魔力を一切持たないアスタ(とリーベ)を欠陥品呼ばわりしている。
彼と同様に争いや差別の無い平和で平等な世界を目指しているが、その実現方法というのが「自身の魔法で全ての人間を新たに創造し直す」という酷く独善的なもので、目的の為ならどれほど大きな犠牲が出ようと全く意に返さない冷酷非情のエゴイストである。
彼のこの計画はスペード王国にいた頃から既に始まっており、アスタロトの時間魔法で予知しながら準備を行い、ユリウスを魔法帝に仕立ててからもずっと好機を待ち続けるなど極めて用意周到で狡猾な面もあり、唯一予知のできない反魔法を使うアスタを、計画のイレギュラーになりうるとして自らの手で潰しに来るなど用心深くもある。
使用魔法
時間魔法
ルシウスに憑いている悪魔・アスタロトの魔法。
基本的にユリウスと同様の魔法を使うが、規模はどれも彼より数段上であり、ルチフェロの心臓を取り込んだことで更に強化されている。
- ”クロノスタシス”
時間を止める球体で対象を包み込んで拘束する拘束魔法にして基本魔法。ユリウスは人間一人を包むほどの規模だったが、ルチフェロを取り込んだルシウスは建物を丸ごと包むほどの大きさのものを生み出している。
- ”クロノスタシス”先見(グリゴラ)
未来を見通す魔法で、ユリウスはごく短い先の未来を感知して相手の動きを先読みするために使用していたが、ルシウスはなんとアスタロトを従魔してから現在に至るまでの遙か未来を予知していた。
更には一つだけでなくいくつもの枝分かれした未来を全て予知で見ることができ、自身の目的を達成するまでの未来も既に予知しており、今のところ反魔法のせいで予知が出来ないアスタ(とリーベ)の存在を除けば、全て自身が予知した通りにことが運んでいるという。
霊魂魔法
ルシウスの持つ固有魔法で、相手の魂に触れることで霊魂を自在に変化させ、触れた相手を根本的に別の人格へ変えてしまうことができる。
つまり彼の手にかかれば、善人を一瞬で極悪人に変え、凶悪犯罪者を一瞬で聖者に変えられるのである。
更にはこの魔法を応用し、邪悪な存在である悪魔の力を浄化して聖なる力に変えるという離れ業までやってのけている。
作中では、まず自身の魔法で人間を洗脳し、更に悪魔を受肉させ浄化することで、人間を浄化した悪魔とほぼ一体化させる生体改造が施され、不死身の体と強大な魔力を持った存在へと変貌させている。
ルシウスはこうして誕生した彼らを「新たな上位生命体」と称し、世界を平和にするために戦う「聖騎士(パラディン)」と名付けている。
シスターリリーの他に既に数人が聖騎士とされ彼の配下となっている。その中には15か月前に消息不明となっているダムナティオ議長と思われる人物のシルエットもあった。
霊魂・肉体・血液・骨魔法
自身のアジトへ撤退後、漆黒の三極性の魔法を自身の霊魂魔法と統合した魔法。これにより、先天的に盲目で、ルチフェロ顕現に巻き込まれ肉体を一部欠損したモリスに失った部位と視力を創り、既に死亡したヒース、モルゲン、アシエを蘇らせた。自身の複製体を創ることも可能。
経緯
スペード王国にてアスタ達が重力の悪魔・ルチフェロを死闘の果てに討ち倒した後、魔法議会議長のダムナティオが独自に調査した悪魔に関する調査結果をユリウスに報告した際に、自身の謀略に勘づいたユリウスを強引に抑え込み、ダムナティオを魔法で停止させ姿を現した。
そのまま舞台はスペード王国での戦いから1年3ヶ月後となり、冥府の最下層でルチフェロの半身を容易く屠った後、彼の心臓を抉り出し食らって取り込み、現世に戻った後は一等上級魔法騎士となりシスターリリーに最後の告白に赴いていたアスタの前に現れ、彼と初めて対峙する。
アスタとの交戦中にシスターリリーを捕らえ、自身の固有魔法である霊魂魔法によって最上位悪魔ベルゼブブを浄化させ彼女に受肉させた上で、魂を変化させることで聖騎士へと洗脳・生体改造した。
そしてリリーが敵に回ったことに動揺し、隙が生じたアスタを手刀で切り伏せ重傷を負わせた後、リリーにベルゼブブの空間魔法を使わせてアスタを消し去った(と思われたが彼は生存しており松の木が生えている海岸に飛ばされていた)。
その後、駆けつけたヤミを始めとした魔法騎士団の団長たちに対し、自身を魔法帝を超えた『魔法大帝』と称し、世界に“聖戦”を仕掛けると宣戦布告する。
自身のアジトへ撤退した後、アドラメレクから上位悪魔の部隊がユノに瞬殺された件の報告を聞き、ユノ・グランベリオールを抹殺対象としている。一方、常に自身の前に居る同じ志を抱く好敵手を殺害され怒りに燃えるユノの側も「アイツを倒し、魔法帝になる」と倒す気満々で彼に挑もうとしている。
伏線
ここまで思い返せば、ユリウスは魔法騎士団・灰色の幻鹿の団長になる以前の過去が語られたことが一度も無く、魔法帝になる前後からも何か引っ掛かる節を覗かせていた。
- ユリウスの出身地は王貴界とされていたが、魔法帝を輩出した貴族ともなれば一度は「ノヴァクロノ家」という単語が出てもおかしくないのに、一度も彼の家族に関しての言及がなかった。
- ユリウスの魔導書には表紙が無く、余りに特殊。元々ユリウスとルシウスは霊魂魔法とスペードが重なった魔導書を共有していたのか、ユリウスが持って生まれる筈だった霊魂魔法や一人分の悪魔憑きの素質をルシウスが奪って生まれた故の結果なのかは分からないが、クローバー王国で活動していた時、ユリウスは自身の本来の魔法を持っていないから表紙(スペード)がなかったと思われる。
連載最初期から登場している古参キャラで、これまで誰よりも頼れる存在であったユリウスがラスボス、または候補だと判明した事でショックを受けた読者が多く、ゼノンの回想で初めて語られた時間を司る悪魔の存在や、その一体だけが表舞台に現れていない為、「ユリウスと関係があるのでは?」という予想もあったそうだが、それでも衝撃的な展開で話題となった。
関連イラスト
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ブラッククローバー 漆黒の三極性 悪魔(ブラッククローバー)
全とっかえマン ブラックシャドー:全生命(全人類)を抹殺・消滅して新たに創造し直す目的を持つラスボス繋がり。敵対するヒーローの中の人がユリウスと同じで、アニメ版の放送局も同じ。前者は登場作品が週刊少年ジャンプ連載だがアニメ未登場キャラである。