※存在その物が重大なネタバレにつき閲覧注意
概要
スペード王国編のラスボス。
「あちら側の世界」「冥府」と呼ばれる場所で最上位に位置する悪魔の1体。
クリフォトの樹に最下層に位置し、整合する10体の最上位悪魔の中で最強。空間魔法の悪魔、時間魔法の悪魔と並ぶ冥府の支配者の一体。
頭に数本の大きな角を生やし、色も全体的に暗めのグレーをしている。
悪魔の中でも抜きんでて傲慢・不遜・残虐な性質をしており、思い通りにならないだけで怒りを露わにし自身以外の存在を格下と見做す態度を毛ほども隠さない。
漆黒の三極性のリーダー格であるダンテ・ゾグラティスに憑いている。
宿主の悪意に共鳴し、その巨悪の力を振りかざす。
アスタの母親であるリチタの死に関わっており、彼女を慕っていた反魔法の悪魔リーベにとっては深い因縁を持つ相手である。
活躍
最下級悪魔のリーベがかつて冥府から現世へ飛ばされリチタと契約無しに共に平穏な日々を過ごしている中で、自身が永遠に現世へ君臨する術を模索するためリーベの体を乗っ取ろうとした際、リチタの命と引き換えにリーベを守る形で妨害され失敗、以降リーベから憎まれるようになった。
スペード王国にてダンテがマグナに敗北し、更にジャックに倒されたことで彼を見限る。その後新たにモリスと契約し、グリフォトの樹を自身の魔法で造り変えることで二つ目の冥府の門を開こうとしたものの、黒の暴牛の団員達の活躍により完全な顕現に失敗する。
しかし、半分は顕現に成功しており事態が終わったと思い安堵していた人々の前に現れ重力魔法で一蹴し自身の完全な顕現を邪魔したアスタに対し怒りを露わにしていた。
たった一人でバフ状態の団長陣を手玉に取り、およそ勝負とすら言い難い一方的なワンサイドゲームを展開していたが、人間が自分を倒し得る可能性があると認めると全力を解放。戦況は佳境を迎える。
次々と魔法騎士団の決死の一撃を粉砕していくが、今際の際で悪魔同化を完成させたアスタとリーベの前に全身を切り刻まれて完膚なきまでに敗北。それでも力尽きることなく魔力を行使して止めを差そうとするも、幾度となく立ち上がる人間の気迫の前に怖気づき、這う這うの体となって「次会ったら本気出す(要約)!」と言っている事は事実なのに絶妙に情けない台詞を吐きつつ逃走を図るが、それも叶わず斬り倒された。
その後はアドラメレクにより遺体から心臓を回収されている。
この時点では不完全に顕現したルチフェロは50%ずつに分裂しており、もう半分の冥府に留まっていたルチフェロは健在であったが、それも最終章冒頭で敗れ心臓を奪われた。
能力
重力魔法の使い手。
それ以外にも冥府にいながら現世に存在するリーベに干渉し体を自由に操ることが出来る他、クリフォトの樹が顕現している時には大量の悪魔を意のままに操ることが出来る。また、第1、第2階層の悪魔全てを触媒にすることで現世に顕現することが出来る等、重力魔法ではないと思わしき魔法もかなりの高レベルで扱うことが出来る。
不完全な顕現の状態でありながら作中で描写された魔法は勿論、純粋な身体能力やタフネスも他の最上位悪魔と一線を画しており、クローバー王国の魔法騎士団団長7名を相手取っても苦戦どころかほぼ無傷で叩きのめしてしまい、反魔法のアスタでさえも直接斬られない限り有効打にもならないと規格外であり、正に絶望的な強さを誇っている。
余談
作中では冥府を支配する「重力・空間・時間」の悪魔の3体は、地獄の支配者である3体の悪魔を元ネタとしてこの3体の悪魔はそれぞれ、「ルシファー・ベルゼブブ・アスタロト」と命名されている。
この3体の内ベルゼブブとアスタロトはそのままの名前が使われているが、ルシファーのみルチフェロとなっている為一見すると作者オリジナルの悪魔の様に思えるが、実はルシファーをイタリア語で訳すと「ルチフェロ」と訳されるので元ネタまんまである。
アドラメレクに命令した際には断られており、これを見たアネゴレオンには「貴様、人望ないな!!!!」と言われていた。
また、アスタの反魔法の剣に自分から触って出血した直後、ブチギレしてアスタを殴り飛ばすという行動を見せたり、バトル中はほぼ全編を通して不機嫌そうな感情を出し、スペード王国編のラスボスを務めていながら次編のラスボスの強化パーツに丸々なってしまうなど、中々シュールな扱いを受けていることから魔王様らしからぬネタにされている。
更に余談
ルシファーはサタンと同一視されることがあるのだが、331話においてルチフェロにもサタンという別名がある事が明かされた。
更に更に余談
ルチフェロの宿主であるダンテと名が同じ(但し、姓は異なる)イタリア人が実在し、彼の代表作の叙事詩である神曲の地獄篇では、炎に包まれた”悪魔の城塞”、極寒の地獄・コキュートスを通って地獄の中心へ向かい、中心部のジュデッカの更に中心、地球の重力が全て向かうところにて魔王・ルチフェロが封印されているという。クリフォトの第一階層はスティーヴ・セイヴドウのそれによると地獄と呼ばれていること、そしてそこから現れたナハマー、リリスの魔法属性が序列的にもダンテが地獄で訪れた順番と一致していることから、ルチフェロの重力魔法、及びリリス、ナハマーの魔法属性はこの神曲・地獄篇が元ネタではないだろうか?