ダンテ・ゾグラティス
だんてぞぐらてぃす
悪の感情を解放している時こそが一番人間らしいのだよ
クローバー王国から北に位置する異国・スペード王国を牛耳っている、三人の悪魔憑きの魔導士〈漆黒の三極性(ダークトライアド)〉の一人であり、三人のリーダー格。
かつてはスペード王国の兵士であったが、平和な日々に退屈し、自分の悪意が満たされることを望んでゼノンやヴァニカをはじめ複数の仲間たちと反乱を起こし、一人を除き王族を皆殺しにして国を乗っ取り、実質的に支配者となっている。
王冠とローブを着用し国王を気取っているような服装で、緑の目とオールバックの黒髪に色白な肌、額には一文字に縫い目のような痣がある。口髭と顎髭を生やし常に不気味な笑みを浮かべている。
「人間の本質は“悪”である」と豪語する徹底した性悪説の信奉者で、憤怒・憎悪・嫉妬・破壊衝動や復讐心など、人間の持つ負の感情を総じて“悪意”と称し、これらを「人間しか持ち得ない至高の感情」としている。
その悪意への信奉はもはや崇拝に近い念で、敵対する相手が自分に向けるものには「良い悪意だ」と称賛し、自身が相手に抱くものには「…嫉妬、怒り、憎悪、たまらないね………!!」と歓喜の声をあげて快楽と愉悦に浸るなど狂気じみている。
それらに対しての周囲からの悪口や非難さえも、『私の事を悪く言ってるのなら誉め言葉』とすら解釈している。
所謂、「サイコパス」である。
自分と似たような立場の者は特別扱いし、同じ悪魔憑きであるアスタにも興味を示すが、「悪い力を正しいことに使えるのも人間だ」とする彼とは真っ向からぶつかり合う。
冷徹で狂気的な言動以外にも女好きという面もあり、自身にふさわしいと認識した女性には相手の気持ちに関わらず強引に自分の女になるように迫る。
作中ではバネッサの美貌とスタイル、特異な魔法を気に入り後にグレイの魔法にも目を付けて自分の女になるように迫った。
この際のセリフから女性の外見の美しさに自身にとって有益となる魔法の使い手(主に冥域の魔導士)を好む。また、自分の女と認識したものには自分以外の者に魔法を使われるのを好まずその場面を見た際は難色を示している。
こちらの世界と冥府を繋ぐために経路である「クリフォトの樹」を生み出すのに必要となる冥域の魔導士であるヤミとヴァンジャンスを狙ってクローバー王国への襲撃を目論む。
ゼノンが金色の夜明けのアジトを襲撃したのと同時期にスペード王国との国境付近に待機していた黒の暴牛アジトを急襲する。
バネッサやゴーシュ、悪魔化したアスタを悉く圧倒、ヤミとも互角以上の勝負を繰り広げる。激戦の末、最終的にアスタとヤミとの連携により敗れ瀕死の重傷に追い込まれるが、直後に現れたゼノンにより回収、ダイヤモンド王国から亡命してきた科学者・モリスにより治療及び再生能力の強化が行われる。
クローバー王国から侵入してきたジャック及びナハトと対峙、2人を圧倒していくがジャックの裂断魔法が重力に適応してしまったことで戦局が一転したかに見えたが、戦いの最中でクリフォトの樹により冥府の門が開かれ、悪魔の力を100%引き出し戦いを継続。
出てきた最上級悪魔を足止めする為にナハトが離脱したことでジャックとの一対一の戦いになり、ジャックを徐々に追い詰めるが、ヤミの救出に向けてアスタ達とは別の方法で乗り込んだマグナとゾラに阻まれる。
彼らの圧倒的な魔力の低さで、マグナを一切警戒せずに雑魚と決めつけていたが、マグナが秘密特訓で編み出した裏炎魔法 魂炎鎖死決闘(ソウルチェーンデスマッチ)を受けて、魔力量が均等にされたことで悪魔の力が50%まで低下し、マグナの大幅なパワーアップを許してしまう。
それでもダンテは重力魔法による攻撃と肉体魔法による再生力を活かして優位に立とうとするも、黒の暴牛で一番と言っていい根性の持ち主であるマグナとの殴り合いは互角に持ち込まれてしまう。長く続くと思われた殴り合いに見えたが、ダンテの魔力が突然尽きてしまう。
マグナと同格となり互角故に普段以上に消費が激しい事に加え、魔力を半分奪われた状態でいつものように魔法を使っていたせいで全く予想していない早さとタイミングでダンテの魔力が枯渇してしまい、魔法は勿論、ルチフェロとの交信も途絶えてしまう。同時にマグナも魔力が尽きてしまい、最後の殴り合いの末に敗れる。
その後、ジャックにトドメを刺されただけでなく、ルチフェロから見限られることになる。
さらにルチフェロが倒された後はルシウスに肉体魔法を目当てにその肉体を回収された。
世の中は理不尽で不平等なのだ!!世の中にはどうしようも出来ない事象があるのだ!!それが私だ!
重力魔法
自身に憑り付いている最上位の悪魔・ルチフェロを通して使用する魔法。
文字通り重力を操り、相手や周囲を押し潰すのはもちろんのこと、肉体や武器の一部に重力を乗せて攻撃を重くしたり、自分や物を宙に浮かせて自在に動かしたり、岩石を特定の形にくり貫いたりするなどかなり応用が効く魔法。
更には、強い重力を一点にかければ、空間自体を捻じ曲げて攻撃を回避する事も容易くする。
(アスタの反魔法やヤミの『闇纏 次元切り』さえ無効にした。)
悪魔の力を50%以上解放する事で、両側頭部から牛のような角と背中に悪魔を模した翼が生えてくる。
60%でバネッサのルージュが一瞬で消滅するばかりか、バネッサ・ゴーシュ・グレイの3人を空中に浮かせたうえで指一本動かせないほどの圧力で拘束してしまう。
80%で額から2本の角が生え、顔の上半分が真っ黒に染まり、頭頂部から顎まで数本の黒い線が滲み出る。そして、ダンテの平常時における最大パワーである。
- 魔王の御前(まおうのごぜん)
自身の辺り一帯を強い重力で押し潰す。一面の木々が折れ曲がるほどの重力で、かなり広範囲に発生させることができる。また、ヤミのようなクローバー王国魔法騎士団団長や零域の魔導士もしくはそれに近い魔力でなければ大抵の魔法を掻き消してしまう。
- 悪神の加圧技工(あくしんのかあつぎこう)
文字通り、重力による加圧によって岩石などを加工して武器を作り出すことができる。
- ヘビーインファイト
自分の拳に重力を纏わせて、接近戦で相手を殴り付ける。
- ヘビーインファイトグラディエイター
ヘビーインファイトの発展技で、使用する武器に重力を纏わせて接近戦を仕掛ける。
- 重力特異点
悪魔の力を80%開放する事で使用可能となる。掌に黒い球体を出現させる。その威力も通り過ぎるだけで山を簡単に抉り取ってしまい、掠るだけでも馬鹿にならないダメージを負わせられるほど。発生させてからほぼ永続的に維持させる事ができる。
肉体魔法
ダンテ自身が持つ彼本来の魔法で、文字通り自身の肉体を自在に操る魔法であり、自己再生機能の強化・巨大化や肉体強化などが行える。
それらの能力(特に自己再生機能)が悪魔憑きとなった後爆発的に強化された結果、死ぬことも老いることも衰えることもない無敵の存在へと変貌した。
悪魔の力を開放すればするほど体を抉られる程のダメージを受けても、再生するスピードが早くなるだけでなく、巨大化や別の腕を生やす事も可能にしており機動力の高さもそのままで戦闘を行える。
このためアスタの反魔法によって肉体魔法の力を消さない限り倒すことの出来ずヤミですらアスタの加勢が無ければ倒せないと悟るほど。
しかし、本人はこの魔法を「再生と変化時の容姿が醜くなる」「これを使わなければいけないときは追い込まれてる証拠」であると認識しており本気を出さなければならない時でもない限り使用するのを嫌っている。それでもダンテ自身は、同時に「喜ばしい」とさえ認識している。
悪魔の力を最大まで行使し、肉体魔法によって巨大化した恐ろしく禍々しい姿を見たヤミでさえも「こいつはもう 人間じゃねーよ」と戦慄した。
その変貌した姿と戦いぶり、そして恐怖を感じさせずにいられない狂気的な言葉の数々は、某漫画の悪魔及びそれに匹敵するくらいに変わり果てた人間達を思い起こさせかねないものである。
スペード王国に帰還し回復を終えた後は、回復力と再生力が更に向上しており、ジャックの斬撃を受けてもものの一瞬で治ってしまった。途中でジャックがダンテの魔法に適応し大ダメージを受けるも、クリフォトの樹の第一関門が解放された事で悪魔の力を100%開放出来るようになった際には、その傷も殆ど消えていた。
ポジション的には「中盤の噛ませ」と言った立場の彼だが、第5回人気投票で4位、第6回人気投票では5位にランクインしている。なんで?
人気投票で変なキャラがランクインする、と言うと過去の例から組織票が疑われる所だが、彼の場合はネット上にそういった痕跡を発見する事は出来ない。
特定個人による大量投票、と言う可能性はあるが、公式にそのような発表はないし、「自分が大量投票した」と名乗り出る者もいない。
では日本人の知らない海外で人気が……と思いきや、海外のファンも理由が分からず首を捻っている。
2度もランクインしているため、スタッフのミスや何らかの不正なども考えにくい。
ただただ謎としか言いようがない。
ちなみに、第5回は総投票数838,790票中、59,445票で4位。
第6回は総投票数229,579票中、12,814票で5位。
第5回の応募方法はWEBで1日1回、第6回は関連誌に付属する応募券とWEBで1日1回だった。