概要
かつては人間の聖域ドラニスの銅纏い、ドラニスを怪物から守る軍隊の一員であった。だが有翼の猫と絆を結び、怪物と繋がり荒野で生活する眷者となってしまったことで、彼の人生は大きく狂わされてゆくことになる。
生物を使役するプレインズウォーカーだが、「エルーダ」と呼ばれる魔法的な繋がりを用いて現地の生物を従えるのが特徴。但し、その相棒は一緒には次元移動できないので、移動するたびに相棒を入れ替えることになる。
遍歴
イコリア
ドラニスの銅纏いの中のエースとして名をはせクードロ総督の娘と婚約していたルーカだったが、ある日エルーダの力に目覚めたとき怪物と情報を共有してしまい怪物に部隊を壊滅させられる。その時生き残った同僚の報告を受けたクードロ総督はルーカが怪物と内通しているという疑いを持ち処刑しようとする。そのことを知ったジリーナは密かにルーカを逃す。
その後荒野を彷徨い眷者としての力を磨いていたある日、出会ったビビアン・リードの手ほどきでプレインズウォーカーというものを知ったルーカだったがオゾリスというイコリアの怪物を統率するアーティファクトと通話することで力に惹かれ暴走。ドラニスに牙をむくことに。
そして怪物を率いてドラニスを襲撃したルーカはくーどろを殺害するが、残った銅纏いとビビアンの連携で襲撃は撃退される。行き場を失ったルーカは相棒を捨ててやむなくPWするのであった。
ストリクスヘイヴン
ストリクスヘイヴンで現地のルールを破ったことでならず者として白い目で見られるようになったルーカは、オーリクという次元を覆そうとたくらむテロリストの一員となる。
そして学園襲撃時にはカズミナから「あなたはまだ仲間になれるかもしれないって思っていた。あなたの才能を共通の善のために役立てられるかもしれないって。けれど、過大評価だったみたいね」と避難されるもルーカは自分を受け入れない学園なぞくそくらえだといわんばかりに応戦。オーリクの援軍もあり劣勢に立たされたカズミナを退ける。
だが、襲撃は失敗した。この事態を予測していたオニキス教授と教授からの警告を受けてかねてから備えていたローアン・ケンリスとウィル・ケンリスの姉弟がテロを陽動にして古の魔人を呼び出し学園を破滅させようとする首領のエクスタスの前に急行。教授は瞬間移動魔法を浴びせられ遠くに飛ばされてしまうが、残された姉弟が「逆に古の魔人の制御を奪う」という奇策で反撃に転じ首領の討伐と魔人の撃退に成功。首領を失ったオーリクたちは教授と始祖ドラゴンたちの連携の前に敗れテロは最小限の被害で鎮圧。ルーカは数名の仲間とともに落ち延び困窮するのが精いっぱいであった。
ファイレクシア:完全なる統一
ファイレクシアという故郷イコリアどころか全宇宙を脅かす存在を知ったルーカは、それを止めるチームに参加する。
が、仲間とはぐれてニッサと敵地をさまよっている間にファイレクシアのケンタウルスと遭遇した時、ニッサの制止を無視してそのケンタウルスを相棒としてしまう。いぶかしむニッサに「大丈夫だ、いざとなったら繋がりを断つ」と安請け合いするが、現実はそんなに甘くなく、あっさりと完成してしまう。
そしてファイレクシアの軍門に自覚なく降ったルーカは孤立したニッサを虜にしてしまうのであった・・・。
ジェイスとビビアンは「新ファイレクシアに立ち向かうにはギデオンにかわる軍事的専門技術として彼をスカウトしたそうだが、正直ジェイスとビビアンは彼の素行の悪さも考慮すべきだった。
ただし素行が悪いと言ってもPWの中ではマシな方である。実際に新ファイレクシア突入で分断された時点で上に向かう、合流を優先する。気に入らない相手であっても同じ所属であれば罵倒したりはせずに同じ任務で時間が立てば仲間として上手くやっていけると考えるなどPWの中では極めて真っ当な思考はもっていた。ファイレクシアの生物を相棒したのは軽率ではあったが、一番の問題は戦いを避けるべき時に放浪者が現れ戦う事を提案し、いざ戦いを始めたら後にすぐにプレインズウォークして消えてしまった事にある。
新ファイレクシアで起こった事はルーカ個人の問題と言うよりも新ファイレクシアと10人PWの戦いは時間が無いとは言え事前に共有しておくべきファイレクシアの油と生物の特徴の情報や「不測の事態が起こった際には戦闘よりも合流を最優先する」程度の事を事前に徹底させようともしなかったリーダーのジェイスの責任が大きい。
実際、軍事的専門として迎えたと言うがストーリーでのナヒリ、ニッサ、放浪者、ジェイスの行動などから見ても個々が好き勝手に行動しているだけでありルーカが行動と共にしたニッサ、放浪者(特に戦闘を提案しながら勝手に去って行った放浪者)の行動に怒りのまま罵倒するような事をしていないだけでも一度共に戦うと決めた組織には相当に甘い事が分かる。
機械兵団の進軍
完成したルーカはファイレクシアの尖兵として故郷イコリアに侵攻を開始。
嘗ての婚約者で今は亡き父にかわり崩壊したドラニスからの避難民の指揮を執るジリーナ・クードロと彼女に協力するビビアンの前に現れた”ルーカだったもの”はイコリア民を虐殺し始める。ビビアンの「ファイレクシアの迎撃で手柄をたてさせ汚名を返上させよう」という目論見は最悪の結末を迎えることになった。
だが、イコリアの怪物の適応力は凄まじいものだった。油に対する耐性をいつのまにか会得した怪物たちは敵とみなしてファイレクシアの機械軍団に襲い掛かる。
そのうちの一体、ヴァドロックがルーカだったものに襲い掛かり噛みついて持ち上げたすきを逃さず、ビビアンはルーカだったものに矢を打ち込む。そうしてひるんだすきにヴァドロックは炎を浴びせながらルーカだったものを飲み込み、その場を去っていった。
なお、完成化して悪堕ちしたプレインズウォーカーのうち(自らの意思でファイレクシア側に与したティボルトを除く)ファイレクシア戦役の後アジャニ・ニッサ・レヴェイン・ジェイス・ベレレン・ナヒリ・ヴラスカは後日談で生還が確認され、肉体にとどめを刺されたタミヨウも密かに巻物で自分の意思を守護霊化する形で存続している。
が、ルーカの場合はよりにもよって『ヴァドロックの吐き出す炎には焼き尽くした対象を人々の記憶から抹消するという効果があるらしい』ため存在そのもの無かったことにされている可能性があり復活が絶望的な状態となっている。
性格
純粋に悪党・・・というわけではないのだが、オゾリスに触れて以降とにかく素行に問題がある。その結果トラブルを起こして落ちぶれてはほかの次元に落ち延びる、という失敗を繰り返している。
基本的にぶっきらぼうで仲間とは距離をとる傾向にあるが、自身の能力への過信と他人への不信感がひどすぎて忠告を聞かず我流で戦おうとするので、戦闘力そのものは高いのだが何事も行き当たりばったり。
ただし能力を持つ前は軍で上手くやれて結婚相手もいた点から能力や性格が悪い訳でない。一緒に戦うと決めて合流した10人のPWの行動に不満があっても態度や口に出さずに「仲間として戦ううちに解決できる」と考えて妥協し助ける事はする点や故郷の次元も危ないと言う理由で参加をする辺りから情も有る事から新ファイレクシアとの戦いで完成化する事なく生き残ってさえいれば心強い仲間になっていたとも思われる。
カード性能
銅纏いののけ者、ルーカ
むら気な眷者、ルーカ
免れ得ぬ破滅、ルーカ
ファイレクシア:完全なる統一にて、完成化を免れたプレインズウォーカーの一人として登場。
同セットでカード化されたプレインズウォーカー10人は同セットにて新ファイレクシアに完成化さられた姿が描かれているボーダーレスマンガ版カードの特別版イラストも存在する。なお先に10人のイラストが先行公開され、内5人は本当にストーリー内で完成化させられると公表された。
但し、彼の場合はもとからいろいろやらかしていたため他の完成面子とは違い反応は薄かった。
関連タグ
ゼナゴス・ドムリ・ラーデ:周囲の環境への反感と己の力への渇望から暴走し、破滅していった男性赤緑プレインズウォーカーたち。ルーカも最終的には赤緑になってしまったため、”赤緑男性PWは慢心で破滅する”の法則が当てはまってしまった。この法則が当てはまらないのは初代こそ赤緑だがその後色がころころ変わっているサルカン・ヴォルぐらいのものである。
サムト・アーリン・コード・レン:赤緑の女性PWたちだが、こっちはコミュ力をちゃんと備えている。サムトとアーリンは生き延びているし、レンは機械戦争のクライマックスでその身を犠牲にして全宇宙を救い、彼女の遺したドングリはテフェリーの手でザルファーの大地に植えられ芽吹くのを待つことになる。
アングラス:赤黒のプレインズウォーカーだが見識や社交性を身に着けており、灯争大戦ではファンたちの当初の予想とは裏腹に頼もしい味方として終始活躍し手生き延びた。