概要
裏解決屋のヴァンとアラミスの学生であるアニエスのカップリング。
二人の出会いはアニエスが祖父の形見である【ゲネシス】を取り戻すためにヴァンに依頼をしたのが始まり。
最初のゲネシスを手に入れてからは押しかけ女房のごとく半ば強引にアークライド解決事務所のアルバイトとしてゲネシス捜索は勿論その他の裏解決屋の仕事も手伝うようになる。
何気に歳の差が8歳差とシリーズ歴代のカップリングとしてはアガットとティータに次ぐ歳の差カップルでありアニエス自身もその事を色々な意味で気にしている。(ちなみにこの年の差はアニエスの両親と同じ年齢差である)
ヴァン自身は元来鈍感な上歳の差もあるためかアニエスを保護者目線で見ている節がありまだそういう目線では見ていないが、日々成長し喰えない一面を見せる彼女の姿に驚きながらも暖かく見守っている。
アニエスは序盤の頃から既に意識をしていたようであり『知れば知る程謎が多くなるのにもっと知りたくなる』『気にして欲しい人』と徐々に想うようになり中盤頃にはある程度自覚しているようであり先輩であるレンからも見透かされてからかわれている。
自分の感情よりもヴァンの利を優先するタイプでありリゼットが同行する際にはヴァンの安全を最優先に考え仄暗い息吹を押さえながらも同行をお願いしたりしている。
そのためにヴァンの幼馴染みであり元恋人でもあるエレインに関してはそのやり取りから何となく察してはいたが、二人の関係には基本干渉しないもののやはり気にはなっているようである。
裏解決屋と言うお世辞にも真っ当とは言えない職業上ヴァンを悪く言う者は多いが、言われなき言葉や偏見や狹量な物言いで言う者には誰であろうと正当な言葉で言い返す気概を持つ。(ただし自分でもグレーと思う部分は多少ぼかした物言いをする場合もある)
両者共に無自覚ではあるものの端から見たら既に「いちゃついてる」や「尻に敷かれている」と言った仲に見えており、趣味人で金銭面や食生活が不安視されているヴァンに他のメンバー達も「アニエスが引き締めてあげないと駄目かも」と周りからも言われている。
終盤、ヴァンが自らの魔の因子のため皆に別れを告げて異界へと消え去って行った際には。周りが悲しみや憤り諦めの気持ちでいる中、ただ一人アニエスだけは最後まで諦める事無くヴァンを救うために最後まであがき続けていた。
その甲斐あってヴァンのいる異世界まで辿り付くことに成功し彼が自らの運命に『選択』したのと同様にアニエス達もヴァンを助けに来たのを『選択』して来た事を告げる。
「黒でもない、白でもない!ましてや灰色ですらない——
夜明け前の優しい暗がりみたいに寄り添ってくれる貴方だけの色が——
どうしようもなく愛おしくて何があっても失いたくはないから!!」
そう大胆な告白をした後、仲間達の協力もあってヴァンを魔の因子から引きはがす事に成功し無事に帰って来る事に成功する。
皆の力で救出を果たしたものの、前述の通りアニエスが最後まで諦めなかったからこそヴァン自身も今作もハッピーエンドで終わったのは過言ではないだろう。
それからしばらくして他の仲間達の一時帰省を見送った後、アニエスは依頼の報酬と限定ケーキを口実にヴァンを父親への紹介も兼ねて自宅へと招待する事に成功したのであった。(なお劇中ではそれが存在するのかは明らかにされていないがこの日は12月24日でもある)
黎の軌跡Ⅱ
今作でもアニエスはヴァンに好意を抱いているがヴァンはアニエスの気持ちには気が付いていない。
ヴァンにどんな心境の変化があったかは定かではないが他のキャラクターたちと違いアニエスに対してだけは新調した服を「似合ってる」と褒めている。
恋愛面以外はアニエスはヴァンに自分を成長させてくれたことを感謝しているのだが、ヴァンもアニエスに対して同じように思っている事が判明。
前述のヴァンが消えた後のアニエスの行動は想像していなかったらしく、そういう部分を含めたアニエスのありえないくらいの意志の強さに引っ張られて、諦めかけていた自分を絶対に手放したくないと思えるようになっているというのがその理由である。
ゲネシスが全て揃った際にもアニエスがアルバイトを続ける理由がなくなったのにヴァンの方から彼女を引き留めるなど、雇う前や初日、フェリの依頼が終わった後にアルバイトを続けるか確認した頃からは考えられないような行動もとった。
ある人物からの呼び出しでヴァンが学祭を抜け出した際にはまた一人で全て抱え込んで向かったと思われて全員で後を追いかけ(ヴァン曰くあくまで様子見のつもりだったらしい)
「いつもいつも、いつもいつもいつも……
反 省 し て く だ さ い 、 ヴ ァ ン ・ ア ー ク ラ イ ド 所 長 !」
「…………はい………」
怒りと悲しみを込めたアニエスの涙ながらの叱咤にヴァンは返す言葉もなくたじろぐばかりであった。
全てのゲネシスをそろえてもまだグレンデルとメアについて解決していない上に肝心のエプスタイン博士の手記の最後の一節が今回の事件ではなかったと知る。
その後の後夜祭でアニエスは宣言した、ゲネシスの事、これからの共和国の事、父との事、そして――
「勝算がなかったとしても、いつかこの想いを、大切な人に―――
そんな一歩を踏み出せる、勇気を、」
目の前のライバルは自分にとってあまりにも高みにいるとわかってはいる、だがそれでも気持ちを伝える勇気だけは持ちたいと一歩を進む事を告げられた際には、その意味を理解したのかは不明ではあるが、驚いた表情になり言葉を失っていた。
余談
実はヴァンはアラミス高等学園のOBでありアニエスの先輩にあたる、偶然にも二人共『学園で二人の幼馴染みと再会』『幼馴染みと共に3人で生徒会(庶務)に入る』と共通した学園生活を送っている。
アニエスが主人公を務める公式コミカライズ『英雄伝説 黎の軌跡 ~アニエスの流儀~』ではアニエス視点と言う事もありヴァンに対する一挙手一投足にデレデレしていたりエレインとの仲を見て飛躍した想像をしたりと原作よりもヴァンに対して恋する乙女な描写を見せている。