概要
ヴァン・アークライドとエレイン・オークレールのカップリング。
二人は幼馴染であり、かつては恋人同士だった。
黎の軌跡 本編開始15年前
少年時代を旧王都『オラシオン』の孤児院で過ごしていたヴァンは、旧貴族の娘エレイン、出張役人の息子キンケイドと出逢う。
ヴァンとエレインは同い年、キンケイドは一つ上と、年齢が近かった3人は意気投合。
ヴァンの甘党は、実家が大手製菓メーカーであるエレインが持ち寄ったお菓子を食べていたことが原因の一つとなるなど、約1年の間で友好を深めていった。
幼い頃から互いに淡い気持ちを抱いていたヴァンとエレイン、それを兄貴分として見守るキンケイドだったが、ある日3人に別れが訪れる。
貴族的反移民主義を掲げていたエレインの父エドモン・オークレールは、孤児であったヴァンに対し裏から里親を手配。ヴァンを二人の前から排除する。
こうして離れ離れになることを強いられた3人は、幼いながら辛い別れを経験することとなる。これによりヴァンは地獄での生活を強いられ、危うく命を落としかける上に、自らの正体を知ることとなってしまうのだった。
黎の軌跡 本編開始7年前
紆余曲折ありアラミス高等学校に入学したヴァンとエレイン。
2年生であったキンケイドを含め、3人は7年振りに偶然の再会を果たす。
互いの近況を全く知らないまま、再会を喜び旧交を温めていく3人。
4月後半の学藝祭、キンケイドが出馬した生徒会長選挙を通じ、1年から生徒会業務を手伝っていたヴァンとエレインはごく自然に互いを意識するようになり、秋が深まる頃には想いを伝え合い恋人同士となる。
顔を合わせれば照れ隠しの言い合いが定番で、全校生徒から教員に至るまで微笑ましく見守るほどに初々しい付き合い振りとなっていた。
(終章:キンケイドのコネクトイベントにおける発言から抜粋)
後にエレインは副会長を後任し、ヴァンと共にキンケイドの指揮下で学藝祭を企画・運営。
裏方を一手に引き受けたヴァンは例年にないゲリライベントや前代未聞の演出を企画し、3人は非常に充実した学園生活を送っていた。
学藝祭の劇では、ヴァンが脚本を担当し、エレインは彼によって天然な性格にアレンジされたシーナ・ディルク役を演じた模様。
2年に進級後、エレインは生徒会長選挙に立候補。ヴァンは裏方としてサポートし、応援演説を担当する。
演説では不良チームを叩きのめし、悪徳業者を告発したと盛大にエレインをアピール(誇張はあるが、事実)。見事彼女は生徒会長に選出された。
しかしその後、キンケイドも含め学園の誰もがヴァンが副会長を引き受けると思い込んでいた矢先、ヴァンは学園を中退。突如姿を眩ましてしまう。
『悪い、エレインを頼む』
キンケイドに宛てた手紙にあったのはその一文のみだった。
肝心の理由については何一つ書かれておらず、その出来事がエレインの心に深い影を落とすことになり、ヴァンもそれを引きずり続ける事となる。
黎の軌跡 本編開始1年前~本編
創の軌跡のエピソード そして、乙女は剣を手に進み続ける 創まりの先へでは、エレインは紫電に続く新たな最年少A級遊撃士候補として噂される程の実力者となっている。
ヴァンも再び首都へと戻ってきているが、裏解決屋としてグレーな稼業を営む彼の身の上はエレインを心配させるには十分で、更には避けられているような対応にエレインはやきもきしている様子である。そして、それ以上に……
『なんで……どうして私を置いて行っちゃうの……』
そして現在、ヴァン自身もエレインとの一方的な別れに負い目を感じ、キンケイドを筆頭とした共通の知人達にその拗れた関係を心配される。
『大好きだからこそ離れるしかねえ……。……愛してるからこそ伝えられない言葉が。』
これは彼の失踪理由の深刻さと心情を表していると言える。
クレイユ村がアルマータによって消滅してしまった直後、エレインは自分を見失っていた。かつて遭遇したジェラール・ダンテスを取り逃がしてしまったことを抱え込んで。ヴァンはそれに踏み込まず、力になると言おうとしたが、エレインは……
『だったらどうして――――!!』
『どうして傍に……いてくれなかったの……?』
かつて失踪し、首都に帰ってきてからもなおエレインを避けてしまっていたヴァンは、その言葉に苦虫を噛みつぶしたような表情になる。
様々な事情から二人は未だ距離感が開いてしまっていたが、その後アルマータとの戦いに付随する形でエレインの父エドモンが逮捕され、エレインがかつて救った兄妹との触れ合いも経て、ヴァンとの関係はある程度改善されつつある。
ここに至るまで顔を合わせれば微妙な空気が流れていたこともあり、既に付き合いの浅い人間にさえ交際関係を見透かされるほどに分かりやすかった模様。
ちなみに劇中でヴァンとエレインがカクテルを飲み交わすシーンがあるが、
この際飲んでいる種類は
ヴァン グラスホッパー/アレキサンダー
エレイン ギムレット/ホワイトレディ
である。
それぞれカクテル言葉に表すと、
グラスホッパー 『喜び』『あなたに会えて嬉しい』
アレキサンダー 『初恋の思い出』
ギムレット 『遠い人を想う』
ホワイトレディ 『純心』
となるが、公式Twitterにより劇中のカクテル言葉には秘められた意図があると示唆された為、
これは該当イベントにおけるヴァンとエレインの心情を表していると思われる。
黎の軌跡Ⅱ 本編
首都で起きている連続猟奇殺人事件の重要参考人として、各勢力からマークされているヴァンの元を訪ねたエレインは、依頼人という形で共に調査に乗り出す。
その道中、学生時代の思い出と疎遠になっていた数年間、そして再び歩み寄り始めている今について思いを巡らせた二人はお互いの「可能性」について話をするが、ヴァン自身の問題が解決していない以上、周囲に無責任な事は出来ないとしてヨリを戻すか戻さないかの返事はなかった。
エレインにとってももどかしくはあるが、今はまだこの距離感も嫌いではないとのこと。
『"貸し逃げ"なんか二度とさせない――― せいぜい覚悟しておくことね?』
この時にはすでに二人の間にぎこちない空気は流れておらず関係は改善されたと言える。
更に、コネクトイベントではオラシオンの事件を皮切りにエレインが親戚達から縁談を持ちかけれられていた事が発覚する。貴族家系の娘にありがちな話でヴァンも動揺を見せたが、全て断っているとのこと。
尚、お伽の庭城の最後の異変を解決する際にD∴G教団に囚われていた事を話していた様子から、少なくともD∴G教団の手に落ちたことだけは話した模様。
界の軌跡
コネクトイベントで父と連動する形でエトワスの社長までが逮捕されたことにまで責任を感じ、バイク選びにさえそれが反映される事を見抜いたヴァンがエレインを諭し、付き合ってくれた礼に自宅へ招いてお茶を振る舞うなど前作と同じく関係は相変わらず良好。
翌日も恩師の頼みでアラミスの見回りをしているときに、かつてヴァンがエレインに告白した木がなくなっていたことに気づく。その後、生徒会室でヴァンがエレインの仕事に付き合って他愛のない会話を弾ませて門限を過ぎて寮長に叱られたり、巡回の教師を驚かせたなど学生時代の思い出に花を咲かせながら自分達が大人になったとお互いに実感。
この時にヴァンは教団に囚われていた際に実験を受けて心身をすり減らし、自分を手放しかけていた事、そしてそんな中でもエレインが孤児院に持ってきてくれたクインシー社のチョコレート、それを初めて食べたときの記憶が僅かに自分をつなぎ止めてくれたことを明かす。
エレインはヴァンが地獄に落ちたきっかけを作ったのが自分の父だったことから、子悪露のどこかで自分はヴァンの側にいてはいけないと責め続けていたのだが、自分もルネもヴァンと繋がれていたのだと安心している。
またはぐらかされた返事についても気長に待っているらしい。
以下ヴァンの本心についてのネタバレ注意
作中でアニエスがヴァンに告白する場面があるのだが、ヴァンは「アニエスを恋愛対象として見ることができない。それが今の自分が返せる唯一の答えだ」と断っている。
その際にエレインに対してどう接していいか分からない所があるという誰にも言った事のない本心も明かすことになった。
アニエスはヴァンはエレインに踏み出せていないはずだから、自分と同じようにできればヴァンにも一歩踏み出してほしいと言われたのだが、彼はそれに対して何も言えなかった。
また「ぐずぐずしていると諦めの悪い子にまた迫られる」「母は12年かけて父親を落とした」「明後日には二人と同じ8歳差に戻る」などまるでアニエスはヴァンを急かして無理矢理にでも一歩を踏み出させようするかのような態度を取っていたのだが、ヴァンはその理由に気付くことはなかった。
なおアニエスが告白した日の夜にエレインはヴァンとアニエスが二人でいるのを見かけており、二人を意味深な目で見ていたのだが何も言わなかった。
しかし翌日にアンカーヴィルへ向かうヴァン達をエレインが見送りに来た際に、エレインはヴァンの顔を見て表情を変えていたので、アニエスが告白したこと自体は気付いていた可能性がある。