概要
原作キャラと夢主・オリ主の交流や、原作ストーリーへの干渉ではなく、「好きな原作の舞台×夢主・オリ主」といった願望を趣旨とした夢向け作品。
作中世界でどのような暮らしができるか・したいかを考えて形にしたり、作中世界の歴史・生物・文化など世界観に関わる分野に対する考察・研究を仮想体験形式で綴ったりする内容がこの枠に入る。
表記揺れに「世界夢」がある。
原作キャラの扱いは夢主・オリ主と深い相互関係が生じない距離感が重要。接触度が低い順に、
- 一切登場しない
- ニュースや記録、噂など伝聞に留まる範囲で主人公に情報が届く
- 過去に一度会ったことはあるがそれっきり交流は一切無い
- 職場や学校で顔を見かけたり必要最低限のやり取りがある程度でそれ以上の付き合いは無い
といったケースが挙げられる。
主人公が積極的に原作キャラの様子を目や耳で追っている場合や、主人公から見た原作キャラの様子が話の中心になっている場合は傍観夢やモブ視点の枠組みに入り、別物になるので注意。
また、主人公の研究・活動の成果が作中世界に広まった結果原作キャラや原作ストーリーに影響を及ぼしたり、過去に原作キャラと主人公が会ったケースで主人公が原作キャラの心に強い印象を残し、その後の原作キャラの歩みに影響したりするものも従来型の夢向けの枠組みに寄り、世界観夢の枠組みには入り難くなる。
あくまで「筆者が作品を書く上で主軸として捉えている題材がどれか」が重要。
タグ付けケーススタディ
具体例として、ポケットモンスターシリーズの二次創作の小区分を挙げる。
これは「ポケモンの居る世界で暮らしたい」「ポケモンの生態を観察したい」といった願望を作中の人物に仮託して作られた作品なら世界観夢の分かりやすい例となる。
しかし、実際に投稿されている作品には世界観夢タグが付いていることはほとんど無く、夢向けへの分類自体されていないケースも多い。
本タグの知名度の問題もあるだろうが、
「自己投影を前提にしておらず、ポケモン世界にありそうな光景を描いただけだから夢創作ではない」
「主題はポケモン達の魅力や在り方だから強いていえばモブ視点」
などといった作者の考えがタグ付けに反映されていると思われる。
また、夢向けに分類されていてもポケモンを「ドラゴンやオークのような架空の異世界生物」ではなく「それ自体がキャラクターである」と捉えているユーザーから見れば「ポケモンと生活」作品は「原作キャラとの絡みがメインなのだから世界観夢ではない」と判断することも考えられる。(「転生したらポケモンになっていた」系の作品で、主人公の転生先がサトシのピカチュウのような特定の個体ではなく同種のポケモンが多く居る内の一個体であっても成り代わりタグが使われるケースが多いことから推測)
二次創作の小区分としては、二次オリも原作のストーリーや世界観をベースとしつつ、原作には存在しないユーザー独自の解釈や設定・オリジナルキャラクターを主軸として描くジャンルである。
中には世界観と設定は原作を踏襲しつつ、オリキャラのみで原作本編とは関わらない形の物語を展開するものもあり、これは世界観夢に限りなく近い。
だが、「オリ主やオリキャラを自己投影の対象にしてはいないから」「書きたいのは登場人物達のストーリーやドラマであって、主人公と世界の絡みではないから」等のこだわりから世界観夢扱いをされたがらない書き手の存在は推測できる。
このように、投稿作品が夢向けか否か、夢向けならどの小区分に属するかはあくまで投稿者の判断に委ねられる。
「タグ付いてないけどコレ世界観夢じゃね?」と思った場合読者はいきなりタグを付ける前に投稿者の意図・認識を確認しよう。
「夢向け」に対する偏見を向けられるのが嫌で夢向けに入らないように自作品を扱い、「夢向け」扱いをレッテル貼りとして忌避する作者も居るくらい、繊細な問題なのである。