概要
良馬を見抜く相馬眼に優れ、馬の育成に功労があり、天馬の神仙である「伯楽」に因み「伯楽将軍」の名を与えられた。
エピソード
あるとき、穆公から自身の後継者を推挙するよう言われた伯楽は、下働きをしていた九方皐という男を推した。
穆公が九方皐に名馬を探しに行かせた所、三ヶ月後に戻ってきた九方皐は「いい馬を見つけましたので、都の近くの沙丘まで連れてきておきました」と報告した。穆公から「どんな馬だ？」と尋ねられると「黄色い牝馬です」と答えたが、取りに行かせてみると黒い牡馬だった。
穆公が伯楽を呼び出して文句を言うと、伯楽は「何とそこまで達しましたか。それこそが私の千倍にも万倍にもなろうかという、測り知れない能力の現れなのです」と言う。穆公が「どういうことだ？」と尋ねると伯楽は「九方皐が観察しているのは、馬の天機（潜在能力）であり、毛色や性別など、どうでもよい事は気にしないのです」と答えた。
問題の馬が引き入れられてきたが、果たして天下の名馬であった。
ことわざ
一日に千里を走る馬は常に存在するが、その馬を見分けられる伯楽のような人物は常にはいない。
転じて、優秀な人材はたくさんいるが、その人材を見出せる人はどこにでもいるとは限らないという意味。
