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八十日間世界一周

はちじゅうにちかんせかいいっしゅう

フランスの作家ジュール・ヴェルヌの冒険小説、およびそれを原案とする映像作品や舞台。
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概要編集

フランスの小説家であるジュール・ヴェルヌが1872年にル・タンという新聞にて発表したもの。1873年に単行本化された。


とある新聞に「80日で世界一周が出来るようになった」という記事が掲載された事から、それを実証するために行動する事になったとある資産家の、波瀾万丈の旅の様子を描いたもの。

なお、この作品が発表されてから17年後、アメリカの新聞記者だったネリー・ブライが、72日間で世界一周を果たしている。しかもその旅の途中でヴェルヌと逢って話をしたと言うから恐れ入る。


日本では発表から6年後の1878年に川島忠之助という人の手による日本語翻訳版が刊行されたが、この時は物語の前半部までしか刊行されず、後半部に関しては1880年になってようやく刊行された。


登場人物編集

  • フィリアス・フォッグ卿

 謎の大富豪。ロンドン社交クラブでトランプゲームの最中に、八十日間で世界一周が可能であるという賭けを言い出して、その日の夜にいきなり出発した。旅先でも周囲の人々とトランプゲームに熱中し、外国の珍しい風景など見向きもしない英国紳士


  • ジャン・パスパルトゥー

 フォッグ卿の召使として新就職してきたフランス人。採用されたその日の夜、いきなり世界一周へ旅立つ羽目になる。当時の一般庶民的な価値観を持っていて、主人の金遣いの荒さに目を回す立場。時差を理解していないので(当時の庶民ならよくある事)、世界一周旅行の間、家宝の懐中時計と太陽の動きが違うのは太陽が間違えているんだと信じて疑わない。


  • フィックス刑事

 大急ぎで旅立ったフォッグを、ロンドンで発生した銀行強盗事件の犯人だと睨み、逮捕状が届くまで英国領に引き止めようとして追跡。旅程を急ごうとするパスパルトゥーとの間で騒動を繰り返す。


  • アウーダ夫人

 インドで行われていたサティー(未亡人の殉死)の儀式で殺されそうになっていた女性。フォッグ一同の機転で救出され、世界一周旅行に同行する事になる。


メディア化について編集


舞台演劇編集

元々ヴェルヌが劇作家を志していた事もあってか、単行本が刊行された翌年である1874年、アドルフ・デネリーという劇作家との共同著作という形で脚本を手掛けた舞台演劇がパリで上演された。

1946年にはブロードウェイミュージカルになった事があるが、ロングラン上映とまではいかなかった。


映画編集

アメリカのイギリス人俳優であるデヴィッド・ニーヴンの主演で映画化された事がある。1956年10月にアメリカで公開され(日本でも1957年の夏休み映画として公開)、1957年3月に発表された第29回アカデミー賞において最優秀作品賞を受賞している。

なお、この作品を元にディズニージャッキー・チェンが演じる執事パスパルトゥーを主人公にして「80デイズ」というタイトルでリメイクしており、2004年に公開されたが、評判はお世辞にも良いとは言えない結果に終った。


アニメ編集

ヴェルヌの作品自体が子供向けに仕立て直される事が多い事もあり、本作もしばしばテレビアニメの題材になる事があるが、何らかの形でアレンジされる事が多い。


日本では東映動画の手によって制作された「長靴をはいた猫 80日間世界一周」が存在しており、1976年の春休み映画として東映系の映画館で上映された。声の出演はなべおさみほか。

また、スペインのアニメ製作スタジオであるBRBインターナショナルが、日本アニメーションとの共同制作という形で「アニメ80日間世界一周」を制作しており、日本でもOVA→テレビアニメとして公開されている。

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