別役弘香
ひろちゃん
すず(内藤鈴)の通っている高校の同級生で、彼女ともっとも近しい友人。
愛称は「ヒロちゃん」。インターネットを巧みに使いこなすメガネ女子で、その理知的な印象に違わない切れ者然とした弁舌を振るっている。また、すずの秘めている音楽の才能を見込んで彼女をインターネット上の仮想空間『U』へと誘い、すずが歌姫ベル(Belle)として世界的な人気を浴びるようになるなかでプロデューサーとして彼女の活動を支えてもいる。
本作における主人公の相棒というべき存在である彼女は、持ち前の明晰(めいせき)な頭脳と強力な情報収集能力、そして明朗活発な行動力のもとに、『U』の世界の謎多き存在「竜」の正体に迫ろうとするすずを力強くバックアップしている。
容姿
赤縁のナイロール(ハーフリム)の眼鏡をかけた理知的な印象のメガネ女子で、その大仰(おおぎょう)な表情や仕草には喜怒哀楽の感情を容易に見て取ることができる。普段の澄ましたようなクールな対応ぶりから「フォッフォッフォッ」「ケッケッケッ」といった悪魔的な企み顔、果ては「ガーッハッハッハッハッ!!」という喜びのあまりの大爆笑に至るまで、多感な年頃らしいさまざまな顔を見せている。
性格
すずとは対照的に明朗快活かつポジティブ思考な性格で、自身のこだわりに忠実であろうとする芯の強さや、ベルの名声のもとにプロデューサーである自身の功績を自画自賛しようとするナルシストさがある。また、冷徹かつ皮肉屋で毒舌家な一面もあり、親友のすずを「隠キャ」と揶揄(やゆ)したり、人気者には必ず裏があるとにらむ疑い深さや腹黒さも見せている。
それらの特性を織り交ぜた彼女の分析能力や観察眼は相当なもので、他人の秘めた本質を容易に見破ったり、的確な指摘や言葉の罠を繰り出して相手を突き崩したりするなど、才女としての智略に満ちた活躍ぶりも発揮している。
家庭環境
彼女の実家は代々地元の銀行を取り仕切っている名家で、市内の真ん中に建てられた昔ながらの平家造りの豪邸に暮らしている(小説版、75〜76ページ)。彼女はその家の応接間をまるまる使ってマルチ大型モニターを中心としたインターネット接続環境を立ち上げており、モニター群の真ん中に鎮座した革張りの回転椅子に座りながら悠々自適に過ごしている。
なお、作中では彼女の粗相(そそう)が過ぎたために父親から応接間を使用禁止にされており、以降はすずの家の近くにある廃小学校(現在は地域のコミュニティセンターとして活用されている)に機材一式を移して、空き教室のひとつをかつての応接間と同じようなインターネット接続環境へと作り替えている。
その他
- 学問に対しても優秀ぶりを発揮しており、高校の物理教師である寺田先生が授業後に「生徒への挑戦状」として書き残した物理の難問たちを真っ向から解いてかかるなどしている(小説版、117ページ)。また、彼女はその寺田先生に強い憧れを抱いており、自身のスマートフォンの待ち受け画像を授業中の彼の姿を撮ったものにしたり、「別に先生からしたらわたしなんか路傍(ろぼう)の石だよ」と力量の差を意識する様子を見せている。
- 趣味は読書で、自宅の応接間のプライベート空間にもハードカバーの分厚い本や画集などを所狭しと積み上げている(小説版、76ページ)。また、すずと一緒に昼休みを過ごすなかでも、「人類史の概観といくつかの重要なターニングポイント」「自由競争と平等の矛盾」「科学の発展と人間の精神のアンバランスさ」といった最近読んだ難しい本の内容をまくし立てたりしている。(小説版、69ページ)
- 『U』においてベルの歌で儲けた莫大な収益については「1ドルも残さず各種チャリティーに匿名でぶっ込んであげるから」と明言しており、実際に子供の貧困や児童虐待といったさまざまな社会問題を扱ったWebページ上の記事を集めている。(小説版、78〜79ページ)
『U』の世界において弘香が使用しているAs(アバター)。
丸い帽子のような頭部を持つ下半身のない妖精のような見た目をしており、カラーリングは白とピンク、水色を基調としている。こちらはオリジンと違い眼鏡をかけていない。
正式なアカウント名は不明だが、作中ではこの名称が使用されている。ちなみにこの姿では、すずのことをAs名である「ベル」と呼んでいる。
またベルの二番目のフォロワーであり、コメントに鈴を実名で呼んで、絶賛していた。
『U』の世界においてベルのプロデューサーを務めており、高名なデザイナーとの打ち合わせやベルのライブの進行管理を引き受けたりしているものの、その能力は恐らく『U』の機能のひとつである「Asのオリジンとなる人物の隠された潜在能力を引き出す」システムによって備わったものと思われる。
内藤鈴
顔のそばかすが特徴的な内気な女子生徒。
弘香はすずのことを「鈴」と呼んでおり、対するすずは「ヒロちゃん」と呼んでいる。
弘香は高校1年生だった当時からクラスの端にいたすずと交友関係を持っており、物語の半年前にあたる冬のある日に彼女を『U』の世界に招待するべくURL付きのメールを送っている。以降は『U』の世界で彼女のAsであるベルをプロデュースするかたわら、現実世界でも学校の昼休みや休みの日などにしばしば顔を合わせながらふたりきりで過ごしている。
弘香は自分に自信が持てないすずのことを「隠キャ」などと毒舌混じりに評することもあるものの、基本的には母親を亡くして父親とも上手く行っていない孤独な彼女を「わかってるよ。だから付き合ってんじゃん」と親友として気遣っている。(小説版、141〜142ページ)
また、すずが学内で人気の男子生徒である久武忍と関わったためにクラス内のほかの女子生徒たちから総攻撃を加えられた際にも、弘香は率先してすずの身を案じ、彼女のために複数の女子グループを相手取って巧みに揺さぶりをかけたりするなど、事態の終息のために尽力している。
余談だが、弘香の声を担当した幾田りらは、すずに対してズバズバ言うときも怒り口調のときも「彼女のことが大好きで、その魅力を最大限に引き出したいという愛がある」ことを念頭に置きながら収録に臨んだことを明かしている。(『細田守とスタジオ地図の10年』、71ページ)
竜
『U』の世界で大勢から忌み嫌われている、竜の姿をした凶暴な謎の存在。
弘香は竜のことを「竜」と呼んでいる。
すず=ベルとともに彼女にとっての最大規模のライブを行うなか、突如として乱入してライブを滅茶苦茶にされたことが彼を知ったきっかけであり、弘香はベルのすぐそばをかすめるように飛びながら戦っていた竜に対して「ふっざけんなあのやろう!! ベルが怪我でもしたらどうすんのっ!?」などと激しい怒りをあらわにしている。そののち、『U』のムーブメントに便乗する形で竜の正体を探り始めた弘香は、過去に竜と戦ったことのある『U』のファイターたちに直接聞き取りを行ったり、噂をもとにして竜の正体である可能性が高い人物に接触を図ったりするなどといった積極的な手段のもとに調査を行なっている。そして、そうした地道な調査の末に『U』の閉鎖区画のなかに竜が隠れ住んでいる城があるという噂を入手し、「今度は間違いないって!」という確信のもとにすず=ベルを送り出している。
また、竜とベルが知り合って互いに交流を持つようになってからは、彼の従者である人魚AIたちの面倒をまとめて見るようにもなっている。(小説版、200ページ)
CVを務める幾田りら氏は、本作が声優としての初の出演作。それにもかかわらず、細田守監督から「何でそんなに上手いの?」と絶賛されていた。
また、本作での咀嚼(そしゃく)シーンに関しては、アフレコ現場に片手サイズの小さい羊羹を持参しそれを食しながら演じていた。
佐久間敬 / 多々良(バケモノの子) - 主人公の相棒ポジションの先輩。皮肉屋で快活な性格も共通している。
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おんなのこって、なにでできてる? 高2の夏に行われた女子たちの会話と、二年後の夏の始まり。 恵鈴とタグを付けておいて恵くんが不在で申し訳ないのですが、後編での登場を前提にしているため、そこについてはご容赦いただければ幸いです。 また、前作、「歌糸(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15751325)」との直接的な繋がりは明示しておりませんが、当方の書く恵鈴・竜ベルはそちらを基礎とする部分がほとんどであるため、間接的な続編でもあります。そのため、前作を読まれているほうが理解しやすい部分もあるかと思われますが、基本的には単体でも読めるはず、です。 ※ネタバレあり。 ※本文内の表記方法は可能な限り小説版に準拠。 ※この小説には技術面、及び家族関係等について多分な捏造、及び推論考察を含むため、公式設定ではない内容が多く含まれます。 後編の文字数がまだ見えていない状態ではあるのですが、切り替えにはちょうどいいので普段では絶対に切らない文字数で一旦切らせていただきます。 何が書きたかったかというと、単にルカちゃんに着せ替え人形にさせられる鈴が書きたかったんですが、理性が邪魔して結局おふざけに至れなかったため、ルカちゃん指導のもと、二年で綺麗になった鈴にビビればいい、が着地点です。 表紙はお借りしました。(https://www.pixiv.net/artworks/49615216) また、前作にいいね、ブクマ、スタンプ等をしてくださった皆様、有難うございました。9,445文字pixiv小説作品- そばかすの姫の決意
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