「世の中にはルールがあるように、この家では父さんの言うことがルールだ」
CV:石黒賢
概要
本名は不明(キャラクター表記も「恵と知の父」)。妻を失い、現在は息子の恵と知の3人暮らし。
TVのインタビューに応じた際は息子二人を抱え家族との仲の良さをアピールするなど、外面よく振る舞っている。また自宅がそれなりに豪邸であることや、高級品の腕時計を身に付けていることから高所得者であることが窺える。職業は不明だが、自宅で知に対し「父さんは仕事している」と述べていたことから、在宅ワークが主と思われる。
だが本性は極めて横暴、自己中心的且つ独善的であり、息子たちを自宅の一室に閉じ込め「子供が親の言うことを聞くのは当然」と自身の意に反すると見做せば「自分に従わないのならお前たちには何の価値もない」、「誰のおかげでここにいられると思っているんだ」などと暴言を浴びせる、言うまでもない虐待行為を日常的に及んでいる(暴力まで振るっているかは不明だが、恵のAsである竜の背中には心身問わず現実でダメージを負えばAsにも反映される『U』のボディシェアリングによって彼の虐待が原因による痣が浮かび上がっている)。その惨さは普段は開放的で大らかなカミシンですら「本当に父親かよ」と絶句し嫌悪感を露わにする程である。
その上当人はこれらの息子たちに対する所業が虐待とは微塵も思っておらず、恵と知の救助に来たすずに対して「虐待!?嘘をつくんじゃない!!」、「私たち家族を引き裂く気か!?」と怒鳴り散らし逆ギレする有様である。どの口が言うか。しかも鈴の顔に引っ掻いていた。
恵のAsである竜が『U』で数々の暴挙を働いているのは彼からの虐待による鬱憤を晴らすため(また強い姿の自分を見せることで知を元気付けるため)であり、このことから本作に於ける全ての元凶と言うべき存在である。
自宅で仕事をしている最中、知が口ずさんでいた歌が耳に障ったことで彼と恵にいつものように虐待を働いた際、その場面を映した映像がネットに流出したことで一連の愚挙が白日の下に晒される。
翌日、自宅を脱走した恵と知の後を追うと二人を助けに来たすずと対峙。彼らを庇う彼女から何としてでも恵と知を取り戻そうとしてすずの頬を引っ掻き傷を付けた挙げ句彼女を殴りつけようとしたが、すずの顔を見た途端怯え出し、遂には跪いて何かに恐怖するかの如く一目散にその場から逃走するように去っていった。
なぜ彼がすずに恐れを成し逃げ出したかは定かではないが、鑑賞者からは兄弟を守るすずの姿が自身の妻と重なったからではないかと推測されている(性根が小心者なのは確か)。
その後の消息は定かではないが流出された虐待の動画が証拠となり、警察に逮捕されたのは間違いない。また、彼こそが恵を竜へ豹変させた張本人でもあり、それによりインターネットおよび世界中を狂わせた為、この時点で社会による彼の威厳及び地位は皆無に等しく、永久に人々からの白い眼差しを当てられ続ける事になる。
因みに彼は動画流出の犯人をすずだと思っていた(虐待が発覚した際に知のパソコンの画面から彼女の顔を目撃しているためか)ようだが、実際はすずたちとは別に配信動画を視聴していた彼ら当事者たちとは一切接点のない第三者の仕業であった。
なお劇中ではヒロやメジャーリーガーのフォックスを解説していた野球解説者など、好印象な人物には良からぬ裏の顔があるのではないかと疑った者がいたが、彼は本作の登場人物の中で正しくそれに該当する人物であった。
また記事冒頭の台詞のように彼は子供らに自身の家庭内に於ける権威を「世の中のルール」に喩えていたが、皮肉なことに最後はその「世の中のルール」によって報いを受けたと言える。
なお、この毒親を演じた石黒賢は翌年の某刑事ドラマにおいて平然と部下をぞんざいに扱い、平然に人を殺める程の本作以上の劣悪な性格のマッドサイエンティストの悪役を演じることになったが、こちらは終盤にとある刑事と一人の科学捜査官の手によって逮捕され、ある意味で恵と知の仇は彼らの手によって遂に討ち取られる事となった。
ジャスティンのオリジン説
本作の主要ヴィラン(悪役)であるジャスティンはオリジンとなる人物が劇中で明らかにされなかったが、鑑賞者からはこの人物こそが彼のオリジンと目されている。
根拠として、一つに両者の性格の共通性が挙げられる。
ジャスティンは所有するアンベイル光線銃という強力な武器と多数の大手企業からのスポンサーを用い自警団・ジャスティスを率いていたが、実態はその強大な力を濫用し意に沿わない者を躊躇なく弾圧する(例として、ベルや人魚AIらは竜の居場所を吐かなかったことで、違反者でないにも拘らず前者はアンベイルされそうになり、後者はジャスティンの指示で下っ端構成員らに痛めつけられた)過激派集団であり、故にベル(=すず)からは「貴方は正義なんかじゃない、ただ他人を屈服させたいだけ」と論じられていた。
そして恵と知の父もまた、自身を絶対的存在として振る舞い息子らに暴力で抑え付け屈服さていた。
またジャスティス軍団が竜の居城を襲撃している最中、彼は丁度自宅で仕事をしていたことも、ジャスティン=恵と知の父を思わせる描写である(父の職業はジャスティンの活動であり、高所得なのはジャスティンが受けている多数の大手企業からのスポンサーから得ていることになる)。
尚、もしこの説が真であると仮定した場合、ジャスティン(恵と知の父)は正義を掲げる団体の頭でありながら、実際には「竜」という怪物を生み出していた張本人であることになり、ジャスティスの活動に矛盾が生じる一因になると言えるだろう。
他にも、最終盤彼がすずを前に逃げ出すように去っていったのは妻を連想した以外に自身を失脚に追いやったベルのオリジンである彼女が目の前に現れたことに対して恐怖を感じたためでもあるという指摘もある。
ただしジャスティンの声優は恵と知の父とは異なる森川智之氏が担当しており、他のAsはオリジンと同じ声優が担当していることから、これに基づけば別人である可能性もある(仮に父親がジャスティンと同一人物だったとしてもボイスチェンジで声を変えたのかもしれない)。
とはいえ、上述した彼とジャスティンの共通性やそれを仄めかす描写があることは確かであり、製作側からしてみれば何らかの意図はあるのかも知れない。
関連タグ
竜とそばかすの姫 恵(竜とそばかすの姫) 知(竜とそばかすの姫)
ジャスティン(竜とそばかすの姫)…上記のように彼のオリジンと目されている。