ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

目次 [非表示]

彼は江戸時代に於ける隠れたシャアロック・ホームズであった。


                            ――「お文の魂」より


解説編集

1917(大正6)年発表の第一作「お文の魂」に始まり、途中中断や掲載雑誌の変更等を経て1937(昭和12)年までに書かれた計68作の短編作品(番外編扱いされる1作「白蝶怪」を除く)から成る「捕物帳シリーズ

『修善寺物語』など新歌舞伎作品の作者として知られる岡本綺堂が、コナン・ドイルシャーロック・ホームズ探偵譚に影響を受けて書き始めた「江戸時代探偵物語」で、その後多数の追随作品を生むなど、捕物帳を時代小説の一大ジャンルに仕立てあげる嚆矢となった作品である。


幕末期に江戸の腕利き岡っ引として活躍し、今は70歳を過ぎて隠居している半七老人のかつての若き日の思い出話を、明治の世になってから書き手の「わたし」が聞き取って綴るという形式で展開される。話の主役が他の岡っ引(が解決した事件を半七が代理で語る)な回や、逆の失敗談も含まれる。

ただ単に話の冒頭で突飛な謎を提示してその解決過程を追う――だけでなく、半七老人が「わたくしの癖で前置きを」などと言いつつ当時の社会背景や文化風俗、江戸の町の四季の移ろい模様などの雑話も巧みに織り交ぜて格調を高め、また大正~昭和初期に書かれた作品とは思えない程今でもすっきりと読める綺堂の名文調子もあって、評論家によっては「今なお『半七』を超える捕物帳作品は現れていない」とされることも(但しミステリ小説としては、という見方では現代作品と比べると流石に物足りないのはある意味で仕方がない)。


作家北村薫曰く「半七捕物帳に関しては、全作読んでもらうのがベスト(=おすすめ代表作を絞れない)」。

現在は作者岡本綺堂の著作権が消滅しているため、青空文庫でシリーズ全作品の閲覧が可能。


過去幾度も映画化、TVドラマ化されているが、難点としては主人公半七をはじめとする作中登場人物達のキャラクター性にこれといった際立った特色がなく、投げ銭の銭形平次色男浮気者の人形佐七など良くも悪くも個性豊かな他捕物帳作品キャラ達に比べて地味で、その点で(映像化に関しては)多少損をしていることは否めない。



関連リンク編集

青空文庫「岡本綺堂作品リスト」


関連タグ編集

捕物帳 時代小説

関連記事

親記事

時代小説 じだいしょうせつ

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 344

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました