次回予告
「それはほんのいたずら心で始まった」
「ディアナ様は御自分のうしろ姿を眺めてみたいと思っただけだし、キエルお嬢さんもいつもと違う自分を演じてみたかったんだと思う」
「でもそれがお二人を苦労の道に向かわせることになった」
「次回、ターンAガンダム『墓参り』」
「風が、挽歌に聞こえた」
あらすじ(ネタバレ注意)
ボストニア城で行われた月と地球側の会議で、月側の休戦協定破りを責める地球の領主達に対し、ディアナ・ソレルは今まで入植したムーンレィスを引きあげることを申し出て、交換条件として交渉の再開を約束させる。その手腕にグエン・サード・ラインフォードは瞠目するが、ディアナには月に帰れぬ事情があるかもしれないと洞察する。
一方、ホワイトドールの操縦を覚えきれないソシエ・ハイムは、ロラン・セアックにまた救われたことが悔しかった。そこへシド・ミードたちが訪ねてきた。ロランの持っている手帳に出る、機械人形の操縦マニュアルの情報全部を写真に収めて焼き増しするという。そして、使用人のジェシカからは、ハイム夫人の容態を案じて、「お嬢さんに帰って来て欲しい」という嘆願がくる。
同じ頃、ボストニア城にはキエル・ハイムが招かれていた。民間レベルの情報交換のために、ディアナが希望したのだ。グエンは更にディアナに飛行船での地上視察を勧め、準備を始める。
ミリシャの陣地では、掘り出されたフラットの代価として札束がキース・レジェに支払われた。喜ぶキースはパン工場を造り、パンを持ってきますと約束。視察の通達はそこにも届き、ミリシャには徹底した休戦状態が厳命される。
出発を待つディアナとキエルは、自分たちが似ていると気づく。そして遊び心から衣服を交換、入れ替わったまま視察へと出かけることに。
飛行船にはビシニティに帰るソシエとロランも乗っていた。ソシエは、姉キエルに扮したディアナへ母を見舞うように訴える。グエンはソシエの願いを聞き、飛行船をビシニティへ向けた。ビニシティへ向かう飛行船を、護衛のハリー・オード中尉のゴールドスモーが遠くから見守っていた。
キエルに扮したディアナは、途中の車内から町に残る戦火の爪痕を見て心を痛める。やがて、飛行船はビシニティ空港へ到着、一行はハイム家を訪れる。
ディアナはハイム夫人の痛々しい様子を、さらにハイム氏の墓を見て、自分の責任を痛感する。
「お父さま、ごめんなさい!お墓参りが遅くなってしまって、申し訳ございませんでした!仕事にかこつけて、ついつい家に戻ることが遅くなりまして、本当に申し訳ございませんでした!安らかにお眠りくださいまし」
ハイム氏の墓前にひざまづき謝り続けるディアナの姿にキエルは心打たれ、父の墓を前にキエルだと名乗る訳にはいかず静かに涙を流すのだった……。