概要
『東方鈴奈庵』におけるキーアイテムの一つであるとともに、同作主人公の本居小鈴が興味を惹きつけられてやまないものである。
しかし一方でその性質から様々なトラブルの要因となることもあり、『鈴奈庵』のエピソードに大きく関連するものとなっている。
「妖魔本」とは
霧雨魔理沙によれば、「妖魔本」とは「 主に昔の妖怪が書いた本 」を指し、その種類には妖怪の手による古典書籍、人間宛に書いた書物、「グリモワール」などが含まれる。特に「 妖怪の存在を記録した本 」が多い。
「妖魔本」の定義や性質等は作中で語られる他、単行本帯部分にもまとめられた定義が掲載されている。
東方Projectにおける妖怪は「 存在を忘れられた時にその存在が完全に消滅する 」ものであることから、人々から忘れられ自身の存在性が萎縮し消滅の危機に瀕しているような妖怪にとっては、自らの存在が記載された記録本は「 最後の希望 」であり、ここに封印された妖怪等は本の中で力を蓄え、目覚めることのできる時を待っているのである。
一般に人間にはその文字も読むことができない他、書物によっては現在の妖怪にも読むことのできない程の古い文字で書かれているものもある。
しかし小鈴はその能力で読めない文字も読むことができ、妖魔本の独特な魅力とスリルとを楽しんでいる様子である。
「妖魔本」の昨今
『鈴奈庵』作中には小鈴が収集し所有している多数の妖魔本が登場し、小鈴は「 幻想郷一の妖魔本コレクター 」を自負している。
小鈴以外では魔理沙も数冊所有している他、稗田阿求もその執筆活動の資料として鈴奈庵から借りていく事がある様子である。
ただし博麗霊夢は妖魔本の性質から書籍そのものの妖怪化や封印された妖怪が解放されることを懸念している。
一方その言葉を受けた小鈴は「 その時は霊夢さんにお願いしますね! 」と晴れやかに返している。
なお「妖魔本」に類似するものとしては、『鈴奈庵』単行本第一巻読み切りにおいて二ッ岩マミゾウが書いた「 特別な絵本 」について、霊夢が「 妖怪絵本 」と(わけあって心の中だけで)称している。
登場した妖魔本
- ネクロノミコン第一漢字写本
- 今昔百鬼拾遺稗田写本
煙々羅が封印されていた。
- 山怪散楽図
天狗がふざけて描いたパロディ本。
- 艶書
祐天上人によって娘の霊が封じられていた本。
- 河童相傳胡瓜遣
福沢諭吉の物理学書「窮理図解」のパロディ本。
明治時代に実在した本だが、作中では河童達による執筆。
作中で最も重要な扱いを受けた妖魔本。