概要
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』に記された妖怪。石燕の創作とされる。
「羅」は薄布の意味で、「薄布のような煙」という意味の名前になり、煙に宿る、または煙そのものの精霊である。
英語ではEnenraやEnraenraと表記するが、「n」の後に母音が来る事でナ行音と混同してエンエンラではなくエネンラと間違って読んでしまうのを避けるために「n」の後にアポストロフィーを置いてEn'enraと表記する事もある。
煙の妖怪というのは珍しく、形の自由度もあってかpixivではオリジナルデザインの煙々羅も多い。
創作における煙々羅
※煙羅煙羅(えんらえんら)表記のものも多い。
水木しげる作品
- 妖怪画
水木しげるの妖怪画では石燕の絵を基にした姿で描かれ、竈(かまど)から出ている。
1983年に小学館から発行された子供向け妖怪解説本「妖怪おもしろ大図解」ではところてんや煙を食べるため、歯はないと書かれている。その他、体内に「煙袋」という器官と「火打石」があり、煙袋には「毒煙」と「目を痛くする煙」を出す煙が仕込まれている。火打石は自身が現れたい時に現れるためのもの。やのまんブックス発行の「鬼太郎と行く 妖怪道五十三次」では「浜松」に描かれており、「歌川広重」の元絵の大きな煙が煙々羅になっている。
ゲゲゲの鬼太郎の原作や3期アニメでは元々炭焼き小屋の煙を食べていた大人しい妖怪だったが、小屋の主人が亡くなったのを期にねずみ男から連れ出され、煙を食べさせるのを条件に火事場泥棒の手段に利用される。結果、都会の毒の煙を食べすぎたために暴走してしまった。名前は「えんらえんら(煙羅煙羅)」表記。
『この香りは………たまらーーーーん!!』
CV:はせさん治(3期)
3期アニメでは107話に登場。煙故に鬼太郎の毛針や下駄が通じず、ちゃんちゃんこで竜巻を起こして吹き飛ばそうにも逆にちゃんちゃんこを吸い込まれて煙でベトベトに固められてしまうなどかなりの強敵。汚れたちゃんちゃんこを拾う際は流石の鬼太郎も引いていた(その後普通に着用してたけど)。
煙を食べるという習性(と食い意地の張った所)を利用して、竹林の奥に奉ってあった昔の帝が代々使っていたという由緒正しき「香木」を使って田舎の崖穴まで誘き寄せ、穴から出ようとした所を広げていた「風の神の袋」で閉じ込めて一反木綿で袋の口を閉めて捕らえた。しかし、袋の中で煙を吐いたことによって止め具になっていた一反木綿が耐えられなくなって破裂、脱出してしまう。その後は子泣き爺の挑発に乗って子泣きを追い回すも、どうにもならなくなった所で砂かけ婆の一世一代の捨て身の秘術「大砂塵」によって砂かけ婆と共にコールタールとなる。最後は妖怪病院の妖怪分離機で砂かけと共に元の姿に戻り、炭焼き小屋の主人と酒飲み友達だった子泣きが主人の後を継ぐ形で炭を焼くこととなり、元の生活に戻った煙羅煙羅は「ありがとよ、子泣き」と感謝した。また、都会で暴走していたことについては「都会の毒の煙のせい」とされ、子泣きの寛容な心によって許されている(最初は封じ込める予定だった)。
余談であるが、巨大化した煙羅煙羅は通行した場所を煤だらけにするだけでなく、地面も破壊するなど、もはや煙を超越した何かである。あと崖穴で恍惚の表情をしながらお香を堪能している時の絵面がちょっとヤバい。
妖怪ウォッチ
煙だけあって姿は自由自在なので、評判が一番良いという女性の姿をとっている。
東方鈴奈庵
第二~三話に登場。東方Projectでは珍しく人間の姿を持たない妖怪。煙を発生させて火事だと誤認させるが、その煙を放置していると本当に火事が起きるという。本の文字を食べる字喰い虫を煙で退治するために本居小鈴と稗田阿求が妖魔本の『今昔百鬼拾遺稗田写本』から封印を解いて復活させた。しかし再度封印する事ができず、博麗霊夢と霧雨魔理沙が捕まえるために奔走する事になる。
近くの人間に憑依して別の場所へ移動する性質を持つ(憑依した人間の意識を操ったりする事は出来ず、移動先はその人間の行動に依存する)。
忍者戦隊カクレンジャー
第22話「笑って頂きます」に妖怪軍団エンラエンラとして登場。ガスボンベや煙突、エンジンマフラーなどが組み合わさったような姿で語尾に「~でガス」を付ける。笑いガス、泣きガス、痺れガスで街を混乱に陥れた。排気ガスから生まれたためソーラーカー憎み、物理攻撃も効かない。
侍戦隊シンケンジャー
第四十六幕「激突大勝負」に外道衆オボロジメとして登場。体の左側に黒い煙を思わせる棘や触手がたくさん生えている鎧武者のような姿。幹部骨のシタリに命の半分をもらったことで、巨大化能力「二の目」以上の「三の目」の力で黒煙の龍のような姿に変身した。
手裏剣戦隊ニンニンジャー
忍びの11「シノビマル、カムバーック!」に牙鬼軍団妖怪エンラエンラとして登場。捨てられていたやかんを素体に生まれ、ネガティブな感情を凝縮させた「イジケムリ」を放って吸ったものをいじけさせてしまう。そのためオトモ忍のシノビマルまでいじけてしまった。