概要
フィクションにおいて、吸ったものを爆笑させる架空のガスで、相手を行動不能にするために使用されることが多い。
現実に存在し、麻酔などに用いられる笑気ガスをモデルに考案されたと思われる。
創作での扱い
海外作品
アメリカでは笑気ガスが歯科麻酔として定着していたためか、古くは1914年にチャールズ・チャップリンが監督したサイレント映画『笑ひのガス(Laughing Gas)』や、アニメーション黎明期の作品である1934年に公開された『ベティ・ブープ』の一遍『ベティの笑へ笑へ(BettyBoop:Ha!ha!ha!)』などで混乱を引き起こすガジェットとして使用されている。
若者文化を描いた作品ではパーティで使われているシーンも多く、モデルとなった笑気ガスがエンジンのニトロにも使用される物質であるため、『TAXI NY』など自動車に使われるものが漏出するというネタもある。
また『バットマン』のスーパーヴィランである狂気の愉快犯ジョーカーが、吸ったものを爆笑後に死に至らしめる緑色のガス「ジョーカー・ヴェノム」を使用する。
香港映画では1970~1980年代の『Mr.Booインベーダー作戦』や『キャノンボール』などで登場している。
類似した創作物としてモンティ・パイソンによるスケッチ「"The Funniest Joke in the World"」では、読んだり聞いたりしたものを笑い死にさせる「殺人ジョーク(Killer Joke)」なるものが登場している。
その他の登場作品
- アルバートおじさん(メリーポピンズ):笑うと体が浮いてしまうガス。
- ジェローム・ヴァレスカ(GOTHAM)
- グリーン・ゴブリン(スパイディとすごいなかまたち)
- (リトルショップ・オブ・ホラーズ)
- (ピンクパンサー3)
- (リーサル・ウェポン4)
- (タンクガール)
- (ナイトオブザコメット)
- (黄金の眼)
- (腰抜け二挺拳銃)
- (G.I.ジョー):殺傷描写が禁止されていたTVアニメ『地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー』に登場。
- (NoOneLivesForever2):ガジェットの一つに笑いガス爆弾がある。
他多数
日本の作品
漫画やアニメ、特撮において敵勢力が使用して社会を混乱させたり、ヒーローやヒロインを行動不能にする武装の一つとして登場することが多い。
またコメディ作品や忍者・スパイなどが主役の作品では、主人公側が敵集団を制圧するために使用する場合もある。
その場合、相手を無力化しつつ醒めたあとの腹筋の筋肉痛以外の副作用が無い人道的な武器とされる。
なお泣きガス、痺れガス、くしゃみガス、痒みガスなどの亜種もある。
ファンタジーTRPGの解説本では、魔法詠唱が不可能になり、魔物を呼び寄せるアラームのような罠として紹介されている。
しかし、現実に毒ガステロ事件が起きてしまい、登場の機会は大きく減っている。
類似したもの
以下のものが同様の効果を持つものとして描写される場合がある。
etc.
使用キャラクター
スーパー戦隊
- カメレオンモズー(大戦隊ゴーグルファイブ):七色武器の一つとして持つ大怪盗。
- ドクガスイタチ(科学戦隊ダイナマン):多彩なガスを放つ能力を持つ毒ガスの専門家。
- デンソーヅノー(超獣戦隊ライブマン):正確には電送された戦闘員・ダミーマンが都市ガス内に混入。
- エンラエンラ(忍者戦隊カクレンジャー)
- 霧吐き忍者キリキリマイ師(忍風戦隊ハリケンジャー):特殊な霧を使った宇宙忍法「笑いっ霧」。
- 天狗のヒッ斗(天装戦隊ゴセイジャー):強制的に笑わせる秘術「くすぐり風」。
- アキャンバー(宇宙戦隊キュウレンジャー):疑似生命体ミクロツヨインダベーが脳内に侵入し感情操作。
仮面ライダー
- ムカデリヤ(仮面ライダースーパー1):ナチスのマッドサイエンティストゾルベゲール博士が製造した「Rガス」を使用。
- ポイゾナスマッシュルームマルガム(仮面ライダーガッチャード):人の幸せを妬む茸本がケミー・ヴェノムダケの力で変身し、毒胞子で強制的に人々を笑わせ苦しめる。
ウルトラマン
その他実写
- オモチャ売りの男/怪盗ウルフ(星雲仮面マシンマン):ガスを出す笑い銃を使用。
- 金髪の女(連続ドラマ版探偵学園Q):尾行していたメグが吸わされ前後不覚にされてしまう。
- 犯人(あなたの番です):犠牲者の表情が微笑んでいた理由。
- ビーファイター(重甲ビーファイター):万能光線銃インプットマグナムのダイヤルを「088」にすると笑いガスが出る。
- 本堂大介(俺にさわると危ないぜ):ブラック・タイツ団の秘技オクトパスポットから抜け出すためにガス弾を使用。
アニメ・漫画
- のらくろ(のらくろ一等兵の毒ガス戦):特性笑いのガス弾でライオン閣下を行動不能にした。
- ケン一(魔法屋敷):化物屋敷の魔物をガスを使い行動不能にする。なお医学博士でもあった作者の手塚治虫は向精神作用のある薬品をガジェットとして幾度も登場させている。
- 毒ガス密造団(パーマン):山奥の地獄谷で研究を続ける犯罪組織で、パーマンを麻痺ガスで捕らえて実験体にしてしまう。
- 猿飛佐助(まんが猿飛佐助):特別性の煙玉。
- キノッピー(ポールのミラクル大作戦):胞子で働き者の世界の住人を働けなくさせた。
- ひみつ道具(ドラえもん):吹きかけたギャグ漫画が面白く見えるようになる同名のものや、同様な効果があるものが(ヘソリンスタンドやくすぐりノミなど)複数存在。
- ゼンダライオン(ゼンダマン):口から笑いガス弾を出す機能を持ちアクダマンとの戦いをサポートする。
- ワルダー一味/ケッケッケ博士(ミンキーモモ):手下がカーレースで散布したが自分で吸ってしまい自爆してしまった。
- ホットケソーサー(とんでも戦士ムテキング):KO牧場で敵を行動不能にした。
- コブラ(COBRA):髪の毛で呼吸する水中サイボーグシーメンを麻痺させた。
- (ピーターパンの冒険):ネバーランドの一部にナフラスガスと呼ばれる笑いガスが自然に噴出。
- ゴックンら三悪人(NG騎士ラムネ&40):爆笑させる魔法の風を起こす爆笑扇を使用。
- 陳珍忠(ルパン三世 燃えよ斬鉄剣):笑いながらお互いを殺しあう幻覚ガス。
- 特車二課整備班(機動警察パトレイバー):新装備開発に有機溶剤を使ったために進士幹泰の様子が…
- S・C・Aの兵士(ザ・グリーンアイズ):ケシの遺伝子が含まれた樹木で出来た密林を燃やしてしまい中毒してしまう。
- マツタケ山の主(ついでにとんちんかん):ワライタケ、ナキタケ、根暗になるコイチタケの粉末を散布。
- けらけら女(新編ゲゲゲの鬼太郎):笑い粉をばら撒く笑い虫を使役。
- いやみ(4期鬼太郎):人の笑いや楽しみの元「ショウ気」を吸って凶暴化させ、自分の落語を見に来た人々にかけて笑わせる。
- リリパット(ロトの紋章):魔王軍の襲撃に対し第三勢力として使用し妨害。
- メカたま試作零号機(ラブひな):くすぐりハンドも装備。
- 大家さん/一源一郎(美女で野獣)アパートの周囲に生えていた大麻を燃やしてしまう。
- 極丸(こいつら100%伝説):修行に使う大麻を自棄を起こして燃やしてしまう。
- 毒島華花(武装錬金):本編では未使用だが能力的に生成可能。
- シーザー・クラウン(ONEPIECE):同上。
- ナナイロフンコロガシ(砂ぼうず):「屁をかけられて笑い死んだほうがマシ」と砂ぼうずが喩え話で言及したが、事実かどうかは不明。
- ファンガス(カルドセプト):エルフ族の試練として吸い続けたものを最終的に笑い死なせる胞子を散布。
- ベラドンナ(ベターマン):脳の快楽物質を異常分泌させるフェロモンを放出。
- ヘルバ(FF:U):攻撃すると楽しくなる花粉ちゃんをばら撒く植物系モンスターを使役。
- (ザ・ヒットマン!):麻薬組織の倉庫の爆発オチ。
- 一代寺徹(毎日が日曜日):大麻を使ったトリック。
- (2001夜物語):高濃度酸素で獲物を酔わせて捕らえる食肉植物が登場。
- ナウマン・ボウ(魔法使いの弟子・石ノ森章太郎版):追手を撒くのにベラドンナの群生地を燃やした。
- (エクスプローラーウーマン・レイ):古代遺跡に生えていた、かつて儀式に使われたらしい幻覚作用のある苔の胞子のおかげでおかしくなってしまう。
- (ソーサリアンコミック「悪魔に魅入られた花」):ケシの花畑の毒気でヘロヘロになってしまう。
- ジオン兵(トニーたけざきのガンダム漫画):ノーマルスーツによる白兵戦で連邦兵のヘルメットに注入し無力化。
- (サムライチャンプルー):革命集団と戦うことになり、その際大麻畑が燃えてしまう。
- (サクガン):誤って採取した毒草の花粉で惑わされ、徐々におかしくなってしまう。
- マグ=メヌエク(破壊神マグちゃん):ワライタケを食べさせられた結果、身体から生えてきて胞子がばらまかれてしまう。
小説
ゲーム
気体・粉末状ではないもの
- ハチシンカ(科学戦隊ダイナマン):毒針に刺されたものは笑い病に罹り、額から生えてきた針で他人を笑いながら刺して感染させていく。
- リズー(フォーチュンクエスト):笑っているような声で鳴く獣人で、クレイを傷つけ笑い病に感染させてしまう。
- ボヤッキー(ヤッターマン):笑い薬が塗ってある針を飛ばすハーモニカをイルカ王国で使用。
- イヤミ(おそ松くん第2作):討ち入りに入った吉良イヤミ之介の屋敷の中にあった屋台のおでんには笑い薬が仕込まれていた。
- (コチョコチョ菌):水木しげる御大のお色気短編。人体でしか生存できず、粘膜接触で相手に感染させることで耐えきれない擽感を与える菌である。
- 笑こだま症(pixivファンタジアMOH):最終章「天の頂」にある嵐の壁における特定ポイントで見られる笑いが止まらなくなるという奇病(PFMOH奇病)。
- 笑い病(黄色い笑い:Le Rire jaune):1914年にフランスの小説家ピエール・マッコルランによって書かれた、笑い死ぬ病気のパンデミックを描いた小説。