「今一度、笑いを吸い取ってやる!」
データ
生息地:山
作戦:全てのヒト共から笑いを奪い、絶望させる
趣味:鼻の手入れ
概要
epic26「護星天使、爆笑!」に登場する神通力を持つ妖怪として有名な未確認生物「天狗」の正体とされる幽魔獣。幽魔(ゆうま→UMA)といいつつ天狗がUMAでも何でもないのは言わないであげよう。まあ「実在が確認されていない生物」という意味では同類なんだし……
いかにも天狗というゴツい見た目に反して声が高くてコミカルなのも特徴。
能力
両手の羽団扇を振るうことで強烈な風を巻き起こす。
その威力はゴセイジャーの天装術・ツイストルネードを遥かに超えるが、風に乗って飛ぶという芸当はできないようだ(ヒッ斗は翼がないので飛べない)。
また自らの秘術で造り出した不思議な瓢箪を持っており、この瓢箪はまるで西遊記の金角・銀角の紫金紅葫蘆 (しきんこうころ)のように笑った者を瞬時に吸い込む機能を持つ。加えて笑い声に反応し、一度狙われた者は絶対に逃れられずそのまま瓢箪に吸い込まれるしか無くなってしまう。そして吸い込まれたが最後、犠牲者はそのままヒッ斗の養分になる。そうして笑いをなくす事でヒトを絶望させ、暗く沈んだ星に変えようというのがヒッ斗の作戦。
なおヒッ斗自身は人間の笑いを嫌っているものの、性質上ヒトを笑わせないと話にならないので、人間を笑わせて養分にする為なら笑いを引き出す努力を惜しまないという矛盾に満ちた方向に勤勉さを発揮する変なヤツ。
そのため浴びた人間を笑わせる「くすぐり風」や放屁、他にもヒトを笑わせる秘術の研究等レパートリーはあるようだが、そこは曲がりなりにもやはり天狗。最終兵器の放屁が決まった瞬間は自身も少し増長、即ち天狗になる一面もあるらしい。
劇中での活躍
既に封印が解かれていたようで、お笑いライブの会場に出現すると、その場に居合わせたモネを含む観客達を瓢箪に吸い込んでしまう。
この事態を受けて残るゴセイジャー達は変身して応戦、瓢箪を奪おうとするも、ヒッ斗は酔拳を思わせるトリッキーな動きで翻弄、両腕の団扇から繰り出す旋風でスカイック族であるレッドとピンクのツイストルネードを打ち破って見せた。更にはゴセイナイトのレオンレイザーを飛んで避けた際に自身の作戦を暴露する余裕を見せ付ける。
これを受けて残ったゴセイジャーは笑いに耐性のあるブルーとゴセイナイトを中心に戦うが、2人の息が全く合わずにそのまま旋風攻撃に吹き飛ばされてしまう。そしてヒッ斗は団扇から起こしたくすぐり風でブラックとピンクを笑わせて2人を瓢箪に吸い込むとそのまま撤退。
その後も主婦や学生等、笑っている人々の前に現れては瓢箪に吸い込み、彼を恐れて街からはすっかり笑いが消えてしまっていた。
ゴセイジャー達が厄介になっている家の望が「笑えないなんてつまらないよ…」と落胆する中、ハイドがある作戦を思い付く。
それはアラタを笑わせる事でヒッ斗を誘き出すというものだった。だがどうやって笑わせれば良いか分からないハイドに対し、代わりにアラタがハイドを笑わせるべく奮闘。
「そんなの関係ねぇ!」や「ゲッツ!」、「ルネッサ~~ンス!」と、錚々たるお笑い芸人達のモノマネを披露するがハイドは真顔で突っ込むばかり。だが「トイレに、行っといれ」という親父ギャグで漸くハイドが笑った所にヒッ斗が現れたため、アラタ達はゴセイチェンジする。
ブラックとピンクを吸い込んだ時の様にくすぐり風で笑わせようとするヒッ斗だったが、これに対してレッドとブルーはツイストルネードとディフェンストリームで防御。ゴセイナイトも現れ、再び状況は挟み撃ちとなる。
ピンチに陥ったヒッ斗だが、ここで隠し技として放屁を披露。
「これで笑わなかった者は今までいない!」と豪語するヒッ斗の言葉通りにレッドは笑い転げ、そのまま瓢箪の中に吸い込まれてしまった。
笑いの常識の通用しないブルーとゴセイナイトに対し実力行使に出るヒッ斗だったが、ブルーは「この膠着状態では焦れたほうが負け……耐えるんだ!」というナイトのアドバイスからヒッ斗自身が自らの放屁に対して笑いを堪えていた事を見抜く。そして咄嗟に思い付いた2人の漫才によって逆に自身が笑ってしまい、瓢箪に吸い込まれそうになったので仕方なく瓢箪の中の人々を解放。
これによって集結したスーパーゴセイジャーとゴセイナイトに圧倒され、そのままスーパースカイランドシーダイナミックとナイトダイナミックを同時に受け敗北した。
両腕の団扇で暴風を起こしてゴセイグレートとゴセイグランドの接近を阻むが、シーイックゴセイグレートの水流をモロに浴びて団扇が濡れてしまう。自慢の能力を封じられて無防備になったところへグランドラスティックを受け、「笑えないッ……!!」と言い残して爆散するのだった。
余談
メインモチーフは天狗だが、蠍の意匠が見受けられるのも特徴。
鼻とあごひげは蠍の尻尾、髪は蠍の足。また肩当ては蠍のハサミになっているが、カニ爪コロッケのようにも見える。
同時に蠍も含まれている。天狗は鼻、サソリは尻尾と「長い体の部位」を持つ点が共通するからだろうか?
名前の由来は『IT/イット』。これはピエロの殺人鬼が登場するホラー映画で、笑いを奪う作戦もこれが由来と思われる(サソリモチーフなのも、サソリ=毒=死者→殺人…という連想か)。
「斗」は穀物や酒などを計る単位で、瓢箪→酒という発想だろう。
ちなみにおぐらはスーツアクターとしては大ベテランだが、声優として出演したのは今作が初。
ヒッ斗のビジュアル的にはいかにも低音・しゃがれ声でしゃべりそうな感じもするが、意外なほど若々しくどこかコミカルな印象(声のイメージを例えるなら小島よしおが近い)。ギャップを狙ったか、道化師のイメージなのだろうか?
なお本人こそ出ていないものの、ヒッ斗の登場回で「そんなの関係ねぇ!」のモノマネが披露されたのは上記の通り。
ルネッサ~ンス!!は髭男爵の代表格であり、その髭男爵の山田ルイ53世は天地博士役としてレギュラー出演。相方のひぐち君も映画版にてゲスト出演している。
関連タグ
臨獣スコーピオン拳ソリサ:獣拳戦隊ゲキレンジャーに登場した蠍モチーフの先輩の戦隊怪人。
スコーピオンロード、スコーピオンアンデッド、スコルピオワーム:2000年代を彩った蠍モチーフのライダー怪人達。
イサギツネ:昨年登場した天狗繋がりの怪人。こちらも同作の世界における天狗伝承のルーツ=天狗の正体にあたる存在である。
また、イサギツネは低音ボイス(CV:沢木郁也)なので、ヒッ斗の声が高めなのはおそらく「あえてイメージを変えた」ものと思われる。
ゴ・ジャラジ・ダ:中の人(SA)繋がりとしてはとりわけ印象深い怪人。
幻獣カプリコーン拳ドロウ:「人間を瓢箪に閉じ込めて糧にしてしまう」怪人の先輩。こっちは相方との連携プレー。