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概要
「無責任艦長タイラー」(TYLOR The Irresponsible Captain)とは、吉岡平によるライトノベル作品『宇宙一の無責任男シリーズ』を原作としたSFスペースオペラコメディアニメ作品である。
製作にはビックウエストが関わっているうえにアニメの実制作はなんとタツノコプロ。初代マクロスと同じ組み合わせなのは偶然か。
放映のキー局をテレビせとうちとして、1993年1月25日から7月19日まで、テレビアニメ版 全26話が放送された。
そしてそれが好評だったため、「特別編」と「新OVAシリーズ」が制作された。
なお、原作版ライトノベルについては、『宇宙一の無責任男シリーズ』もしくは『宇宙一の無責任男』、
リライト版については『真タイラー』のタグ記事をそれぞれ参照のこと。
あらすじ
それは、遠い遠い、未来の物語。
地球人類が中心となった「惑星連合」と、宇宙から来たラアルゴン人による国家「神聖ラアルゴン帝国」が接触、その和平交渉の過程でラアルゴン帝国皇帝が謀殺され、その遺児である、わずか16歳の少女であった「アザリン」が即位し、「ゴザ16世」となった。
そして宮廷内を牛耳る「ナク・ラ・ワング」の進言に従い、惑星連合に宣戦布告、戦争が始まった。
一方その頃地球では、一人の青年が、アイドルの募兵宣伝CMにつられて「惑星連合宇宙軍」の門戸を叩いた。
ジャスティ・ウエキ・タイラー、20歳。
後に駆逐艦「そよかぜ」の艦長となり、「そよかぜクルー」を率いて、「負け知らずのそよかぜ」の「無責任艦長」となる、
これは、そんな一人の男の物語である。
作品解説
「盛大なる実験作」
本作品がテレビ放映された当時(1993年)は今でいうライトノベル作品のアニメ化が珍しく、1990年代のライトノベルアニメ化ブームの先駆けとなった(ちなみに、ライトノベル作品としての初テレビアニメ化作品は「ダーティペア」)。
そしてテレビアニメ制作としては初めて「製作委員会方式」が取り入れられ、その正式名称を「タイラープロジェクト」として、キングレコード、バップ、メディアリングがこれに参加。
「原作を基礎として発展させた、アニメ版独自の世界観やキャラクターで表現された作品内容」や、「タイラー新聞」、「8585(パコパコ)ダイアル」などの宣伝方法、「真夏の祭典」などの各種イベント、作品の内容と連動したオーディオドラマやキャラクターソング、各種宣伝用映像ビデオなどが制作、配布、販売された。
これらの作品には原作者である吉岡平とその妻となる月瀬ゆうかも参加しており、結果としてこれらの「関連作品」の量は膨大な量となっていった。
このように、製作・宣伝・販売の手法について、原作すらも巻き込んだ形で、実験的な要素が数多く盛り込まれ、後に続く、各種メディアミックス作品制作におけるノウハウや「教訓」を数多く提供することになった。
「二つ目の世界観」
上記のように原作版とは異なり、年齢や外見や性格などのキャラクターの設定、及び世界観が、もはや別作品に等しい、と言っていいぐらいに大幅に変更されている。
具体的に上げると、
- アニメ版のジャスティ・ウエキ・タイラーとアザリンは、原作版タイラーとアザリンの「アンチテーゼ的キャラクター」(いわゆる「アンチ」ではないので注意)。
- アニメ版のマコト・ヤマモトは、原作版ヤマモトを「デフォルメ」させて、更に「別ルートでの」成長属性を付け足したキャラクター。
- アニメ版女性キャラ陣のユリコ・スター、エミ&ユミのハナー・シスターズは「原作設定に様々な要素を付け足しして『膨らませた』」キャラクターであり、キョンファ・キム及びシア・ハスは、原作版の設定を基礎として大幅に改変されたキャラクターとなる。
- アニメ版男性キャラ陣のハロルド・カトリは、原作版カトリに原作キャラの「グエン・ホー・ミン」の要素(地味属性及び「キムの相棒役」)を足したキャラクターであり、またアニメ版のカール・ビョルン・アンドレセンとミッキー・クライバーンは、原作版アンドレセンとクライバーンに、原作キャラのボブ・キーナンの要素を割り振ったキャラクターとなる。
- アニメ版「ハルミ」は全くの別キャラクターとなっている。後にアニメ版の影響を受けて、原作版続編にて「後継機体」キャラクターとして登場する。
- アニメ版セッシュウ・ミフネは「原作での悲劇」が「全く起こらなかった」キャラクター。
- アニメ版「元ハナー提督」は、原作版以上に重要な役割を与えられたキャラクターとなった。
- 作品世界は駆逐艦「そよかぜ」という「箱庭の舞台」を中心として広がっており、結果として原作よりも狭くなっている。(原作が「デカすぎる」という見方もある)
- 「原作の悲劇」がほとんど起こらなかった。起こったとしてもオブラートに包んだ表現の仕方をされた。
- 作品の主題が「いかに戦わないですむか:いわゆる『不戦』」となっており、「アニメ版自体が原作版のアンチテーゼ的作品となっている」。(原作は「架空宇宙戦記」を主題とした「娯楽作品」であり、戦争は「わかっちゃいるけどやめられない『必要悪』」である」)
- 「不戦」の主題に伴い、「軍隊という組織そのものに対する疑問」を掲示していった。
- 原作版では「タイラーとその一派」は「タイラーが出世するためのスタッフ」であり、「上司と部下」であるが、アニメ版の「そよかぜクルー」は「タイラーの友だち」であり、「タイラーとその愉快な仲間たち」である。
といったものである。
そして後に刊行されたリライト版である『真・タイラーシリーズ』は、原作者吉岡平が創作活動において、他の事柄からの影響を、良くも悪くも受けやすいという性格を反映して、アニメ版の影響などを織り込んだ、原作版やアニメ版とはまた更に様々な設定や世界観が異なっている「リライト作品」となっている。
そういった経緯で、世界観やキャラクターのバージョンが大まかに、
原作版: 「宇宙一の無責任男シリーズ」
アニメ版: 「無責任艦長タイラー」
リライト版:「真タイラー」
の三種類存在することになり、アニメ版は「『宇宙一の無責任男シリーズ』の二つ目の世界観」を持つ作品、ということになった。
アニメ放映終了後に発刊された『無責任キッズシリーズ』以降、販売の為の宣伝効果の為、挿絵イラストがアニメ版キャラデザイン担当であった平田智浩に変更になった。
タイトルについて
「無責任艦長タイラー」のタイトルは、原作であるライトノベル『宇宙一の無責任男シリーズ』第1巻の書籍タイトルでもあり、リライト版のシリーズの一つが『真・無責任艦長タイラー』の名称となっているため、原作版『宇宙一の無責任男シリーズ』及び、リライト版:通称・真タイラーを指す場合もある。
タグ使用について
現在pixivでは、
原作版、アニメ版、リライト版の投稿作品の総合タグとして「無責任艦長タイラー」を使用し、
その後、原作版の投稿作品には「宇宙一の無責任男」タグを、
そしてリライト版の投稿作品には「真タイラー」タグを使用している。
なお、pixivに投稿されている作品は、「デザイン性がしっかりしていること」、そしてその「知名度の高さ」から、アニメ版関連の投稿作品が圧倒的に多くなっている。
テレビアニメ版データ
アニメ版制作スタッフ
監督:真下耕一
キャラクターデザイン:平田智浩
メカニックデザイン
:伊藤浩二(ラアルゴン帝国)
:増尾昭一(惑星連合宇宙軍)
音楽:川井憲次
主題歌
オープニングテーマ
「just think of tomorrow」
歌:佐々木真里
作詞:島エリナ 作曲:中村裕介 編曲:丸尾めぐみ
エンディングテーマ
「ダウンタウンダンス」
歌:佐々木真里
作詞:石嶋薫 作曲:山浦克己 編曲:丸尾めぐみ
テレビアニメ版各話リスト
話数 | サブタイトル | 話数 | サブタイトル |
---|---|---|---|
第1話 | なぞの無責任男 | 第2話 | いよっ!花の年金生活 |
第3話 | 艦は出ていくシコリは残る | 第4話 | 敵だ!ピンチだ!降参だ! |
第5話 | Hではじまる白衣の天使 | 第6話 | トカゲのしっぽのしっぽ |
第7話 | 紳士協定がまんがまん | 第8話 | 命短し、殺せや乙女 |
第9話 | 花占いに祈りを込めて | 第10話 | 心眼、近眼、ドガンドガン |
第11話 | 左遷(なが)されて女ざかり | 第12話 | そよかぜが消えた日 |
第13話 | 予習・復習・不勉強 | 第14話 | やさしさの方程式 |
第15話 | キンキン危険な病原菌 | 第16話 | ストレンジ ラヴ |
第17話 | 仁義なき脱出 | 第18話 | 告白の行方 |
第19話 | 眠れる森の美少女 | 第20話 | よきに計らえ善後策 |
第21話 | パコパコ ジュニア! | 第22話 | たったひとりの軍隊 |
第23話 | 宇宙で一番長い日 | 第24話 | プッツンプッツンピチパチプッツン |
第25話 | マイウェイが切なくて | 第26話 | 掟ひろき うつはもの |
アニメ版登場キャラクター
惑星連合宇宙軍
地球人類によって形成されている勢力、「惑星連合」が有する宇宙軍。
神聖ラアルゴン帝国からの宣戦布告を受けて戦争が勃発。
そして、主人公:ジャスティ・ウエキ・タイラーが入隊したことにより、物語が始まる。
そよかぜクルー
タイラーが初めて艦長となった駆逐艦「そよかぜ」のクルーたち。
タイラーを含めて、惑星連合宇宙軍の中で「つまはじき者とされていた兵士たち」を、老朽艦である「そよかぜ」に詰め込んでやっかい払いとされており、始めはクルーの士気も高くなかったのだが、
やがてタイラーを中心として、「独立愚連隊」的なチームとしてまとまっていく。
そして惑星連合宇宙軍と神聖ラアルゴン帝国を巻き込んでの「お騒がせ」をしていくことになる。
声:辻谷耕史
主人公。
軍に入隊してとんとん拍子に出世し、駆逐艦「そよかぜ」の艦長になる。
なぜか「悪運」だけは異様に強く、思い付きの奇抜な策が「何故か上手くいき」、「負け知らずの『そよかぜ』」の原動力となる。
おべんちゃらが上手く、気楽に生きている。
が、時たま「示唆に富んだ言葉」を投げかける事もある。
声:天野由梨
ミフネ中将の秘書をしていたが、「ジャスティ・ウエキ・タイラーを律するため」、タイラーが艦長となった駆逐艦「そよかぜ」のクルーとなる。
情報処理担当として優れた技能を持ち、規律や規則を重んじる生真面目な性格。
であったのだが、タイラーと出会ったことで、その考え方に変化が訪れる。
声:速水奨
軍人の家系に生まれたエリート。
なのだが、神経症で心配性で泣き虫で、思い込みが激しく、タイラーの巻き起こす騒ぎに巻き込まれながら「神経洗浄」治療をしょっちゅう受ける羽目になる苦労人。
規律に殉じるあまり、なかなかその枠から抜け出せないでいたが、タイラーに付き従っていく内に、その影響を受けていくようになる
※下のキャラ
声:三石琴乃
駆逐艦「そよかぜ」通信士。
さっぱりサバサバした享楽的な性格で、クルーの中ではある意味一番タイラーに近い、少々勤務態度に問題有りな人物であった。
しかしとある事件をきっかけとして、「いざというときには動く人材」である事が明らかとなる。
声:成田剣
駆逐艦「そよかぜ」操舵士。
金髪青瞳の美青年だが日系三世であり、日本の文化を重んじ、玉露が好物で、「仏教マニア」で座禅が趣味。
そしてブリッジクルーの中では少々地味。
しかしその操艦技術は超一流で、いざという時には「カトリの本気」を魅せる。
声:八奈見乗児
駆逐艦「そよかぜ」軍医。
元・産婦人科医であるらしい。
大の酒豪で、工業用メチルアルコールを飲んでしまったため失明し、目は義眼である。
しかし腕は確かで、酒を飲むとなぜか更に腕に磨きがかかる。
自称:33歳なのだがそうは見えないほど落ち着いており、「そよかぜ」の重鎮的存在。
声:岩田光央
駆逐艦「そよかぜ」の戦闘機パイロット。
自らを「撃墜王」と豪語する自信家だが、それだけの腕は持っている。
実は極度の女性恐怖症。
しかし、とある事件がきっかけで、ユミ&エミ姉妹の指導をする事になる。
ユミ・ハナー&エミ・ハナーニ飛曹
声:かないみか(一人二役)
ロベルト・J・ハナー元提督の娘たち。
一卵性双生児の双子であり、外見的特長の見分けは、髪の結び目の左右の違いと、声と喋り方。
二人とも、タイラーを「心の広い方」と言い尊敬し、慕っている。
とある事件がきっかけで、コジローから戦闘機パイロットとしての指導を受けることになる。
声:岡本麻弥
駆逐艦「そよかぜ」に、敵艦撃破の恩賞として軍上層部から配属された看護士兵。
「そよかぜ」の男性クルーのマドンナ的存在。
だったのだが。
しかしタイラーにその事がバレてしまい、その人柄に触れるうちに、「性能が変化」していくことになる。
声:柴本浩行
通称『赤毛のエイリーク』。
駆逐艦「そよかぜ」の古参兵で、クライバーン達荒くれ集団を統率する内火艇艇長。
ニヒルでクール、規則を嫌う荒くれ者。
過去に配属となった艦長たちに反発し、ユリコやヤマモトとも対立していたが、徐々に「タイラーのノリ」に乗るようになる。
声:中田和宏
アンドレセンと共に海兵隊の荒くれ者たちを統率している。
モヒカンと顔面の生傷が特徴。
単細胞で粗野で野蛮な性格。
アンドレセンと共にユリコやヤマモトに反発していたが、徐々に「タイラーのノリ」に乗るようになる。
※右側のキャラ
駆逐艦「そよかぜ」海兵隊員
ミッキー・クライバーンが隊長の、駆逐艦「そよかぜ」の古参兵たち。
アンドレセンやクライバーンたちと共につるんでおり、いつも厄介事をおこしていた。
単なるモブかと思いきや、作中でたびたび各々の個性を生かしながら物語を賑わしていく「イカした野郎ども」である
チャーリー
声:桜井敏治
:中嶋聡彦(新OVAシリーズ)
人生をどこかで間違えた、ソウル音楽を愛するおじさん。
海兵隊の中で唯一機械に精通しており、第11話「左遷(なが)されて女ざかり」にて、盗聴器や「バーチャルもぐらたたき」を作った。
そしてこの「バーチャルもぐらたたき」がきっかけで騒ぎが起こる。
また「新OVAシリーズ」第3話「ハイテクの向こう側」では、その機械の強さで事件解決に一役買う。
ブンタ
声:上田祐司(新OVAシリーズ)
あだ名は「菅原文太」から。
第5話「Hではじまる白衣の天使」にて、花札を使った占いで、「そよかぜ」にやってきた看護兵が「女(ハルミ)」であることを見事に当てた。
声:岡野浩介(新OVAシリーズ)
なにやら幼児体験で嫌な事があったらしく、マスクは被りっぱなし。
常に無口で何を考えてるかわからない。
しかし1シーンのみ口を開き、田舎訛りの間抜けた口調だった。
エンジェル
いわゆる「ハードゲイの男方」の格好をしている。
第9話「花占いに祈りを込めて」にて、左遷命令撤回を求めて地球へと降り立ったタイラーたちの運を、タイトル通りに「花占い」で海兵隊員たちと共に占っていた。
山田
糸目でいつも笑っているような顔をした、気の優しい力持ちな男。
実は柔道経験者で、大器とまで呼ばれていたが、気の優しさ故か大成しなかった、という裏設定がある。
スネーク
いつも長い舌を出しており、動きが「蛇」のようにしなやかな男。
エンペラー
グラサン、ちょび髭、リーゼントに特攻服、という元ハーレーの暴走族だった男。
ラッツ
小柄で動きが素早い、ナイフの達人。
第8話「命短し、殺せや乙女」にて、そのナイフの腕前の片鱗を見せる。
惑星連合宇宙軍 軍上層部
声:麦人
惑星連合宇宙軍 銀河外周方面艦隊 司令官。
55歳。
何かがあるとすぐ日本刀を振り回したり、切腹しようとする奇行の持ち主。
テレビアニメ版では原作よりもかなりコミカルなキャラとなっていた。
タイラーを目の敵としていたが、徐々に彼を見極めようとしていく。
特別編「ひとりぼっちの戦争」では、テレビアニメ版での醜態を返上するかのような活躍をみせ、
また「新OVAシリーズ」では、状況を見極めつつも、「そよかぜクルー」の「最後の悪巧み」を察したのか、それとなく支援する動きをみせた。
声:西村知道
惑星連合宇宙軍 統合参謀本部 参謀総長。
51歳。
タイラーを目の敵としており、常に良からぬ事を企てている。
テレビアニメ版序盤では意見を対立させていたが、原作とは異なり、セッシュウ・ミフネとは「お代官様と越後屋」の関係となっていく。
神聖ラアルゴン帝国
惑星連合と対立している勢力。
テレビアニメ版第1話で、先代皇帝が殺害されたことにより、惑星連合に宣戦布告をした。
しかしタイラーが捕虜となったことにより、転機が訪れることになる。
声:笠原弘子
神聖ラアルゴン帝国皇帝ゴザ16世。
父親である先代皇帝か没したことにより、皇帝と「なってしまった」、ごくごく普通の、16歳の女の子。
宮廷内で力を持つワングに逆らえないでいたが、タイラーに興味を持ち、「ラアルゴン帝国の捕虜」として出会ったことで転機が訪れる。
原作とは異なり「帝王学を学ばず、いきなり皇帝となってしまったごく普通の女の子」として描かれ、
タイラーとの関係も「兄を慕う妹」的な思慕の情を伴うものとなっている。
声:関俊彦
神聖ラアルゴン帝国 第27銀河辺境方面 第66特派分遣艦隊所属 巡洋艦「ドローメ」艦長。
冷静で義理堅い性格。
なのだが情に厚く、感情を激昂させる事もある。
ある日、一人泣いていたアザリンを見て以来、彼女の力となることを誓う。
ラアルゴン帝国相手に「負け知らず」なタイラーの能力を高く評価していく。
声:三田ゆう子
神聖ラアルゴン帝国 第27銀河辺境方面 第66特派分遣艦隊所属 駆逐艦「ガルギュラン」艦長。
ドムの配下的立ち位置。
軍人として実直であり、規律を重んじ、常に冷淡な性格。
タイラーを捕虜とすべく、「ハルミ」にその命令を下したが。
声:塚田正昭
神聖ラアルゴン帝国 宰相。
65歳。
「主戦派」の首魁として、アザリンに惑星連合宇宙軍との開戦を迫る。
皇帝を差し置いて宮廷を牛耳り、その座を成り代わろうとすら画策し、暗躍する。
しかし、タイラーが捕虜としてやってきたことで、少しずつその情勢が変化していく。
声:西尾徳
:大木民夫(新OVAシリーズ)
神聖ラアルゴン帝国 第27銀河辺境方面軍 司令長官にして国防長官も勤める。
「和平派」の主軸であり、ワングと対立していくが、旗色は悪い。
ル・バラバ・ドムの直接の上司的立場であり、宮廷内ではドムやシア・ハスを従える。
原作版とは異なり戦死することはなく、「新OVAシリーズ」にて「和平派」としての行動を起こす。
タナール
声:仲野裕
神聖ラアルゴン帝国の偵察艦隊の司令官。
第4話「敵だ!ピンチだ!降参だ!」に登場。
アニメ版にてタイラーたちが初めて接触したラアルゴン人となる。
あっさり降伏したタイラーたち駆逐艦「そよかぜ」から、惑星連合宇宙軍の機密情報を手に入れるが、タイラーから「プレゼント」を貰ったばっかりに、艦隊を全滅させる羽目になる。
ドナン提督
声:円谷文彦
神聖ラアルゴン帝国 第27銀河辺境方面軍 司令官。
野卑な風貌で、常に何か食べており、ドムには「醜い男」と嫌われている。
第6話「トカゲのしっぽのしっぽ」にて、ミフネとフジの計略に引っ掛かる形で、惑星連合宇宙軍に攻撃を仕掛け、第13話「予習・復習・不勉強」にて「タイラーの悪運」に敗れ、艦隊を全滅させ戦死する。
アニメ版でのほぼ唯一の「タイラーとの交戦による敗残者」となる。
その他のキャラクター
ロベルト・J・ハナー 元 提督
声:西川幾雄
ハナー姉妹(ハナー・シスターズ)の父親。
元惑星連合宇宙軍の名将として名高い人物であったが、退役した現在、寝たきりの生活となっていた。
そこに惑星連合宇宙軍の年金課に配属されたタイラーがやってきたことで、「最後の時が賑やかとなる」。
第2話、第9話、第23話、第24話に登場し、原作版以上に作品の内容と「アニメ版タイラーのキャラクター形成」に関わる重要なキャラとなっている。
声:川村万梨阿
惑星連合宇宙軍の兵士勧誘のCMに起用されたアイドル。
本作では、CMの映像とポスターの画像として登場する。
ベティー
声:小宮和枝
第1話「なぞの無責任男」で登場。
タイラーの「兵士としての資質」を診断するが、その口八丁手八丁にほだされてタイラーに「惚れてしまい」、軍のコンピューターを暴走させてしまう。
面接官
声:田中和実
第1話「なぞの無責任男」で登場。
惑星連合宇宙軍に入隊しようとしたタイラーを面接した面接官で、その口車に乗ってしまう。
そして軍のコンピューター暴走騒ぎの最中に、タイラーの兵士採用を決めてしまう。
ナオート・キム軍曹
声:伊井篤史
第2話「いよっ!花の年金生活」で登場。
タイラーが最初に配属となった、惑星連合宇宙軍の年金課の軍曹。
タイラーと将棋に興じながら、「ハナー元提督」についての情報を伝える
ラ・デューク
声:成田剣
第2話「いよっ!花の年金生活」で登場。
ドムの命令により、惑星連合宇宙軍の士気を落とすために、ハナー元提督宅へ押し入り人質篭城事件を起こす。
顔が美形であり、タイラーに「すんごいハンサム」、ユミ&エミに「男は顔」と持ち上げられて、化粧まで施されて満悦していた。
ア・ラゴン
声:中田和宏
第2話「いよっ!花の年金生活」で登場。
ラ・デュークと共に「ハナー元提督宅人質篭城事件」を起こす。
醜い顔をしていたが、タイラーに「男は顔じゃない!心だ!」と説得され感動の涙を流した。
殺し屋
声:千田光男
第8話「命短し、殺せや乙女」で登場。
ススム・フジに雇われ、宇宙海賊に扮しタイラーの命を狙うが、ハルミの正体がタイラーにバレた結果、ラアルゴン艦隊に強襲され戦死してしまう。
亡霊
声:大木民夫
第12話「そよかぜが消えた日」で登場。
ススム・フジの策略に嵌まり自殺してしまった、駆逐艦「そよかぜ」の元艦長。
亡霊となり「そよかぜ」を幽霊船に変え、「艦の最高責任者」、即ち艦長を呪い殺そうとする。
しかし、タイラーとヤマモトの「互いに責任をなすりつけ合う」大ゲンカに呆れ果ててしまう。
レナンディ大尉
声:高木渉
第25話「マイウェイが切なくて」と第26話「掟ひろき うつはもの」に登場。
惑星連合宇宙軍 情報部所属。
情報部 副司令官となったユリコのサポートを担当。
ユリコに我知らず「ひらめきのきっかけ」を与えたり(第25話)、ユリコたち「そよかぜクルー」と「無責任艦長」の「行動」に驚きつつも、理解を示す(第26話)。
キャラクターソング
先述の通り、膨大な量のキャラクターソングが制作され、またそれに基づいたキャラクターのPV的映像である「ミュージック・クリップ」も作成された。
ビデオクリップは販売用ビデオやLDに特典映像として収録され、後に一つのソフトとしてまとめられた。
オーディオドラマ
テレビアニメ版放映終了後、文化放送系でラジオ番組「タイラー無責任倶楽部」が開始され、その中の1コーナーとしてオーディオドラマ「銀河無責任シアター」が企画制作放送された。
オーディオドラマとは言っても、「舞台的な作品作り」が心掛けられ、特に初期作品は「アバウトな脚本」の元、各キャスト陣のアドリブが生かされた作品となっていた。
皆まで言う必要もないだろうが、特にアドリブが激しかったのがこの方であり、酔っ払いに「ち・よ・こ・れ・い・と」に歯の治療受診に(!!)と大活躍した。
初めは20作品ぐらいの予定であったが、原作者の吉岡平やその妻の月瀬ゆうかも参加するなどした事もあり、大なり小なり、数多くの作品が制作された。
後にサントラCDに収録されたり、非売品CDの形で配布されたが、ラジオ放送のみであった作品も存在する。
特別編「ひとりぼっちの戦争」
1994年に前後編として制作された特別編。
イベント放映された後、ビデオとして発売された。
ミフネ中将から、とある密命を帯びたタイラーは、「そよかぜクルー」の面々を巻き込み、再び神聖ラアルゴン帝国の捕虜となってしまう。
ユリコ、ヤマモト、「そよかぜクルー」の面々、そしてドムたちが疑心暗鬼に苛まれる中、タイラーは「使命」を果たすことができるのか?!
テレビアニメ版より以上に「各キャラクターの恋愛模様」が描かれ、タイラー、ユリコ、ヤマモト、そしてアザリンの「それぞれの想い」を織り込みながら、「本作のテーマ」を貫いた一作となっている。
新OVAシリーズ
今までの作品の成果を受けて、新しく企画された「新OVAシリーズ」。
主要キャストの変更は無く、キャラクターデザインや設定やその世界観は基本的にそのままだが、
キャラクターデザイン担当が河南正昭に変更となったり(平田智浩はキャラクターデザイン「原案」扱い)、
音楽担当が渡辺俊幸、音響演出が斯波重治、監督が吉永尚之に変更になるなど、大幅なスタッフ変更が行われた。
それに伴い作品の内容も、コメディ色は無くなることはなかったが、主にシリアステイストの作風となった。
但し脚本は、第2話「サムライ危機一髪」及び「地上より永遠に」に木村直人と、第3話「ハイテクの向こう側」に渡辺麻美が、テレビアニメ版に引き続き担当している。
各キャラクターが主役の物語が各6話、その内容を受けての前後編「地上より永遠に」が制作されることとなる。
あらすじ
惑星連合と神聖ラアルゴン帝国は休戦となり、つかの間の平和が訪れていた。
タイラー艦長以下、駆逐艦「そよかぜ」クルーの面々も、休暇を伴った地上勤務となり、各々の生活を送っていた。
しかし、辺境宙域にて原因不明の貨物輸送船襲撃事件が発生し、惑星連合とラアルゴンとの間に「戦争再び」の機運が流れ始める…。
第1話「16歳の法則」
主役:アザリン
皇帝としての責務に気疲れしたアザリンは、視察に赴くル・バラバ・ドムにお願いし、お忍びで「過去の思い出」溢れる惑星「ビシュラム」へと赴く。
そこでアザリンは、幼なじみである「アシュラン大公国」の遺児である「ルウ」と再会したのだが。
ルウ
声:堀裕晶(少年時代)
アザリンの幼なじみである「アシュラン大公国」の遺児。
国を神聖ラアルゴン帝国によって滅ぼされてしまい、その際に記憶を失い、廃人となってしまっていた。
養生の為に訪れた故郷、惑星「ビシュラム」で、アザリンと再会するが。
ミランダ
声:島本須美
ルウに付き従っている侍女。
ルウと共に来た惑星「ビシュラム」で、アザリンと出会う。
「ラアルゴン帝国に対する復讐こそ、アシュランの民の意志」と主張する。
第2話「サムライ危機一髪!」
主役:コジロー・サカイ
地上勤務の特務として、最新鋭機のテストパイロットを命じられたコジローだったが、専任のテストパイロットであるムサシに対抗意識を燃やされる。
そしてテスト飛行中に遭遇したラアルゴンの偵察戦闘機に対して、先走ったムサシに巻き込まれる形で、宇宙に取り残されてしまったコジロー。
果たしてコジローは地上に帰還出来るのか?!
ムサシ・カトウ兵曹長
声:草尾毅
惑星連合宇宙軍 航空試験基地のテストパイロット。
コジローに対抗意識を燃やし、テスト飛行中に対戦をけしかけるなどをしていたが、
ラアルゴンの偵察戦闘機との遭遇戦で「実戦不足」が露呈し、コジローを置いて逃げ帰ってきてしまう…。
第3話「ハイテクの向こう側」
:駆逐艦「そよかぜ」海兵隊員の面々
アンドレセンやクライバーンや海兵隊員達は、新機種「96式ニュータイプ」に搭乗するための講習、という名の試験受講を命じられる。
反発するアンドレセンたちであったが、「ニュータイプ」の設計者が、学生時代に同期で親友であったオスカーである事を知ったアンドレセンは、「ニュータイプ」について調べ始める。
そして「ニュータイプ」の暴走事件が発生。
それを食い止めるべく、アンドレセンとクライバーン、そして海兵隊員の面々が立ち上がる。
オスカー
声:平田康之
海兵学校時代の、アンドレセンの同級生であり親友。
戦うことを嫌い、「技術畑」に行った、と思われていたが、息子の軍功を焦った父親により最前線へと送られ、戦死してしまう。
最前線に行く前に、「形見」として「ニュータイプ」を遺したのだが。
第4話「ホワイト・クリスマス」
クリスマス・イブの日。
思い立ったユリコは、タイラーを食事へと誘う。
しかし約束の時間になってもタイラーは現れなかった。
その頃、タイラーは「ボブ」という少年と出会い、付きまとわれつつも、交流をしていたのだった…。
ボブ
声:伊倉一恵
クリスマス・イブの夜にタイラーが出会った少年。
「変てこな大人」であるタイラーに付きまとい、そして交流を深める。
カールソン少佐
声:松島みのり
冒頭でボブが「プレゼント」を渡そうとした相手。
その正体は…。
第5話「晴れたらいいね 1」
主役:ユリコ・スター
原因不明の、辺境宙域での貨物輸送船襲撃事件の情報解析を依頼されたユリコ。
毎日夜遅くまで解析作業をしていたが、その身辺には不穏な空気が漂い始める。
そしてある夜、とうとうユリコは何者かに攫われてしまった。
それを察知したヤマモトはユリコ救出へと向かう。
ヤマモトは間に合うのか?!そしてユリコの運命は!?
工作員A
声:千葉繁
ユリコを誘拐した男たちのリーダー格。
ラアルゴン人であり、「この平和を望まない者もいる」と口にしながら、ユリコに「とある情報操作」をするよう要求する。
第六話「晴れたらいいね 2」
主役:マコト・ヤマモト
念願叶って、貨物輸送船の護衛任務として、初めて艦長となったヤマモト。
意気揚々と任務に従事するが、またしても発生した「原因不明な貨物輸送船襲撃事件」に巻き込まれてしまう。
ヤマモトは「自分にとっての『軍人としての理想』とは何か?」と思い悩んでいく。
コグレ大佐
声:佐藤政道
ヤマモトの士官学校時代の恩師。
ラアルゴンとの戦闘において生存者を逃がし、「船と運命を共にし、戦死した」。
その「潔い姿」は、ヤマモトの軍人としての目標となっていた、のだが。
コグレ夫人
声:池田昌子
コグレの未亡人。
コグレの墓前で出会ったヤマモトに、「コグレ大佐の戦死の真実」を告げる。
「地上より永遠に」
前編
時は第1話の終わりの時点、「貨物輸送船の出航」から始まる。
「正体不明の貨物輸送船襲撃事件」と、第2話から第6話までの「時間の流れ」と、惑星連合宇宙軍でのミフネとフジの思惑と、神聖ラアルゴン帝国でのワングの暗躍が重なり合っていく。
そしてラアルゴンから「和平への打診」が発せられ、ドムは旗艦「メルバ」から出撃する。
そして、ヤマモトが護衛鑑の艦長として従事している貨物輸送船団が、辺境宙域へと到達する。
後編
神聖ラアルゴン帝国の宮廷で、ワングによるクーデターが発生する。
ラアルゴンからの「和平打診」が止まる中、タイラーは「真実」を探し求める。
ユリコはヤマモトからの「貨物輸送船襲撃事件の証言」から、「事件の真の原因」を突き止める。
そして決定される、駆逐艦「そよかぜ」の解体。
目覚めたハルミからもたらされた「ドムからの言伝」により、タイラーたちは「真実」に辿り着く。
しかし辺境宙域で、ドム率いるラアルゴン艦隊と、ミフネ率いる惑星連合宇宙軍艦隊は、「一触即発の事態」となってしまう。
全ての事態を打開すべく、ジャスティ・ウエキ・タイラーと「そよかぜクルー」による、「最後の悪巧み」が始まる。
関係無さそうで関係ある人物や事項
アニメ版「無責任艦長タイラー」の「公式サポーター」。
作品宣伝用映像の司会者をしたり、テレビアニメ版放映終了後、開始されたラジオ番組「タイラー無責任倶楽部」のパーソナリティを務めた。
アンドレセン役の柴本浩行とともに、「タイラー」に引っ掛けて「鯛の浦」に行ったり、なぜか雨の中、ミニコントをしたりなど、かなり体当たりな宣伝活動を行った。
が、しかし、何故かは今になっても不明なのであるが、冨永みーなはアニメ本編に、一度も登場していない。
冨永みーな本人も、それが何故であったのか、わからないようである。
本人がアニメ版「無責任艦長タイラー」の大ファンである、と、ことあるごとに公言している。
詳細は以下のリンク先を参照のこと。
:気まぐれにどうでしょう ~下野紘公式ブログ~より関連記事抜粋。
【Girls-Style】Style of the PRINCE:ゲスト・下野 紘さん
:アニメ版「無責任艦長タイラー」に関するコメントあり。
また、原作者:吉岡平とも交流があり、朝日ノベルズより出版された『無責任艦長タイラー【スーパー・デラックス版】第2巻』の書き下ろし小説に、ゲストキャラとして登場している。
「ダウンタウン」のバラエティ番組、「ダウンタウンのごっつええ感じ」のコントの一つ。
詳細はタグ記事を参照してもらうこととして、この「アホアホマン」の登場シーンに、川井憲次が作曲した本作品のBGM「銀河無責任音頭」が使用された。
もともとこの曲は、川井憲次が植木等主演の映画シリーズ「無責任男シリーズ」にインスパイアして作曲されたものであり、かなりインパクトの強い曲となっている。
そのため、このBGM曲は、もともとの曲の題名ではなく「アホアホマン」として覚えられていることが多い。
関連リンク
現在、アニメ版製作当時の宣伝素材の一つであった「タイラー新聞」を、全てではないが、PDFデータでダウンロードする事ができる。
関連タグ
宇宙一の無責任男:原作版タグ
無責任艦長:表記揺れ
まさかの再アニメ化
2017年6月13日、まさかの再アニメ化が発表された。
無責任ギャラクシー☆タイラー:「宇宙一の無責任男」シリーズが24年ぶりテレビアニメ化 7月スタート - MANTANWEB(まんたんウェブ) - MANTAN
新作アニメのタイトルは、
「無責任ギャラクシー☆タイラー」。
舞台は本編より、約千年後。
主人公:バンジョー・ウエキ・タイラー(CV:小出ひかる)が、ゴザ168世(CV:高尾奏音)を「拾い」、出会う事で始まる物語。
主人公:タイラーのキャラデザがアニメ版寄りだったり、
ゴザ168世のキャラデザがリライト版寄りだったり、
「銀河共和国」なる、原作続編シリーズ『無責任三国志』に出て来る「氾銀河共和国連邦」に似た用語が出てきたり、
アニメ化したけど5分アニメだったり、
これから果たしてどうなるのか、今後の続報が待たれる。
スタッフ
原作:「無責任シリーズ」(原作者:吉岡平)
監督:木村寛
キャラクターデザイン:北奈つき
音響監督:柴田勝俊
音楽:加藤賢二
制作:ドリームクリエイション
アニメーション制作:アニメーションスタジオ・セブン
音響制作:ダックスプロダクション
製作:無責任委員会
キャスト
バンジョー・ウエキ・タイラー:小出ひかる
ゴザ168世(アザリン):高尾奏音
ドーリー:諏訪彩花
ナレーション:新田恵海