概要
「マコト・ヤマモト」とは、「宇宙一の無責任男シリーズ:無責任艦長タイラー」の登場人物である。
なお、キャラクター設定やデザインに「三つの…………………
ではなく、「四つのバージョン」があるため、それぞれに解説する。
原作版:初期
声:松本保典
カセット文庫版
「無責任艦長タイラー」
「厳冬惑星ホロシリの叛乱」
主人公:ジャスティ・ウエキ・タイラーの「終生の副官」。
あるいは主人公の一人。
あるいは「本作品最大の『タイラーの被害者』」。
代々軍人を輩出してきた家系出身のエリート軍人であり、軍人としても数々の軍功を上げているなど極めて有能。
「一番はタイラー、二番はドム、そして三番目に強い提督はヤマモトである。」と謳われるほどに艦隊指揮能力にも秀でており、更には空手三段であり、ケンカ及び白兵戦にも優れている
少し蘊蓄が過ぎるきらいもあるが、有する知識も豊富である。
問題があるとするならば、杓子定規な考え方と、神経質かつ心配性で涙もろく、そして「不運」の性質を持っていること。
タイラーが艦長になった駆逐艦「阿蘇」の副艦長と「なってしまい」、己の不運を呪っていたが、タイラーの持つ「不可思議な何か」に身を任せるも一興か、と思い立ったが運の尽き、「タイラーの終生の副官」として、タイラーの起こす様々な「策」に巻き込まれていくことになる。
ある意味「タイラーの最大の被害者」とも言うべき存在。
実は物分かりの良い「話がわかる」一面もあり、「普通の軍人としては足りなさすぎる」タイラーのフォローに回ったり、不意にいなくなるタイラーの代わりに幕僚をまとめたり、尻拭いをするのは、主にヤマモトの役目である。
タイラーとは、深く理解しつつも、どこかで諦めがあり呆れつつもついて行くという、ある意味「長年連れ添った夫婦」に近い関係となっていく。
後に「アシュラン戦役」の際に、神聖ラアルゴン帝国の女性提督「シア・ハス」と縁が出来て結婚し、「日々の闘争」をしつつも「地球人類とラアルゴン人の融和と結束」を象徴する夫婦となる。
シア・ハスが「マコちゃん」と呼び、ヤマモトが「それは止めろ」とツンデレるのがお約束。
最終的にはアドリアン・アンダーソンを継ぐ形で、「惑星連合宇宙軍 最高司令長官」となる。
なお、シア・ハスとは1ダース(!!)の子宝に恵まれ、「子宝 元帥」とあだ名されることになる。
と、ここまでが原作初期シリーズ『宇宙一の無責任男』の「マコト・ヤマモト」のキャラクターである。
アニメ版
声:速水奨
年齢25歳。
「ハナー元提督人質籠城事件」の折に(第2話「いよっ!花の年金生活」)、主人公:ジャスティ・ウエキ・タイラーとたまたま出会ったのが運の尽き、
セッシュウ・ミフネの手により、「タイラーの抑え役」として駆逐艦「そよかぜ」 副長となる。
プレッシャーやストレスに弱く、艦長であるジャスティ・ウエキ・タイラーやクルーたちが巻き起こす騒ぎに巻き込まれて、「神経洗浄」治療をしょっちゅう受ける羽目になる苦労人。
そして、軍規に殉じるあまり、なかなかその枠から抜け出せないでいたが、タイラーの奔放さに振り回されているうちに、徐々にタイラーの影響を受けていくようになる。
アニメ版では、規律を重んじ、厳格過ぎるあまりに「軍人として有能な部分」がなかなか発揮できず、
なおかつ原作版初期シリーズで既にあった、神経質かつ心配性な性質が思いっきり強調され、涙もろい性質が「激しく泣き虫」となり、
タイラーの事について思い悩み過ぎるあまりに心労を抱えてしまうなど、
「タイラーに振り回される部分」が極端にデフォルメされたキャラクターとなった。
更に放映当時、基本的には二枚目キャラで定評のあった、しかし実は、番外編的な内容のドラマCDなどのオーディオドラマでは「羽目を外していた」(例1、例2)速水奨が、
「本編内のキャラクターとして」コミカルな演技で新境地をみせた、という事もあいまって、
(ちなみに今は、速水奨のコミカルな演技は、ほぼ当たり前なこととなっている。例1、例2、例3、例4)
「バカ正直でヘタレだけどやればできる子な愛すべき馬鹿」という、主にネタキャラとして、アニメ版のファンから愛された。
そして原作初期シリーズでは「後付け設定」でしかなかった「ユリコ・スターへの片想い」も、「特別編」と「新OVAシリーズ」などで大きく取り上げられ、タイラーとの三角関係も強調されることになった。
まあ三角関係というよりはむしろ、ユリコとヤマモトが二人揃ってタイラーと出会い、見守り、その影響を受ける、というある意味「運命共同体」的な関係性とも言え、
タイラー、ユリコに続く「もう一人の主人公」的な役回りとなっていった。
以下、ネタバレ。
アニメ版でのシア・ハスとの関係
アニメ版では、物語の内容の変更と、
(より正確に言うと、アニメ版は「アシュラン編」以前の物語であるため)
シア・ハスのキャラクター設定も大幅に変更となったため、
ヤマモトはシア・ハスとは「はっきりとした恋愛関係」とはならなかった。
とはいえ、テレビアニメ版第14話と第15話、そして「特別編」にて二人は接点を持つ事になる。
第14話「やさしさの方程式」は、「シア・ハスの本格登場回」であるのだが、同時に「ヤマモトの初覚醒回」ともなっている。
そして「ヤマモトの指揮する駆逐艦「そよかぜ」」と「シア・ハスの指揮する駆逐艦「ガルギュラン」」が交戦した。
実は、原作第1シリーズ「宇宙一の無責任男」では、「ヤマモトとシア・ハスの、戦艦指揮による直接的な交戦エピソード」はなかった。
なので、この第14話は、ある意味「フラグ」とも取れるエピソードと考えられる。
もっともその次の第15話「キンキン危険な病原菌」では、ヤマモトはシア・ハスに「能無し」扱いされていたのだが(笑)
まあ、このシーンも、結果として「タイラーが二人を引き合わせている」シーンとも取れ、フラグといえばフラグと言えない、こともない、かもしれないが(笑)
そして特別編「ひとりぼっちの戦争」にて、
シア・ハスはヤマモトに対する評価を改め、ヤマモトに「お主は私が初めて出会った、嘘の付けない軍人」であると伝え、そして「強くなれ」とアドバイスをすることになる。
しかし、アニメ版ではこれ以上の進展とは成らなかった。
但し、後述の通り、原作小説版の続編シリーズである『無責任キッズ』以降の挿絵イラスト担当が、アニメ版キャラクターデザイン担当である平田智浩に変更になったため、
『無責任キッズ』の主人公の一人である「シゲチヨ・ヤマモト」のキャラクターデザインは、アニメ版キャラデザインのヤマモトとシア・ハスから発想されたものである。
従って、
「原作続編シリーズのキャラデザイン上としては、この二人は夫婦となっている。」
という少しややこしい状況となってしまっている。
ヤマモトの成長物語
アニメ版は、原作とは異なる形での「マコト・ヤマモトの成長物語」となっている。
序盤は先述の通りの「デフォルメされたコミカルさ」が強調されていたのだが、中盤から少しずつタイラーの破天荒さに「慣れていき」、そしてまたユリコと同様に「軍人と人との間」で悩んでいくこととなり、
第23話「宇宙で一番長い日」にて最終的に「タイラーを『艦長』として認める」ことになる。
そしてこれは本編からの推察による考察になるのだが、
最終回でタイラーが艦長として戻ってきたのは、ヤマモトの「苦労」の結果なのではないか?という推察がなされる。
ユリコが、突然軍辞めてしまったタイラーの「みんな好きなように生きればいい」との伝言を伝えた時に、ヤマモトが選択したのは「タイラーを『艦長』として復帰させること」であった。
そしてその後、ヤマモトが「阿蘇」の艦長に任命されるまでの間、一ヶ月間ほどの期間が開いたのだが、その間に、もしかしたらヤマモトは、何らかの形でタイラーを説得し続けたのではないのだろうか?
そしてそのヤマモトの行動に、「そよかぜクルー」の面々も、もしかしたら何らかの形で協力していたのかもしれない。
そして、ユリコはその「ヤマモトの苦労」を見守っていた。
最終回でのユリコの「ヤマモトさんも苦労したのよ?」という台詞は、おそらくはこの事を差していたのだろう。
つまり、タイラーは、ヤマモトに説得される形で艦長として戻ってきた。ことになる。
そして続編となる特別編「ひとりぼっちの戦争」では、「ユリコへの片想い」に想い悩みながらも、最終的には「ユリコの為に、身を引く」事を決める。
更には「新OVAシリーズ」にて、
ユリコへの片想いを引きずりつつも(第4話)、ユリコを助けるために奮闘し(第5話)、自らの「軍人としての生き方」に悩み(第6話)、
そして最終章「地上より永遠に」後編の終盤では、「軍人」でありながらも「そよかぜクルー」の一員として、また「タイラーの仲間」として、「タイラーとそよかぜクルーの最後の悪巧み」に貢献し、その成長した姿をみせることになる。
結論として、アニメ版のマコト・ヤマモトは、
原作版よりもコミカルさがデフォルメされたが、それと共に「原作版とは異なる形での成長」をみせ、
コミカルさが七割、シリアスな面が三割、くらいの割合での活躍をみせた、
アニメ版「無責任艦長タイラー」という作品を支えた立役者的キャラクターであったと言えるだろう。
原作版:アニメ版以降
というわけで、原作初期とアニメ版とでは、ヤマモトのキャラクターは全く異なっていたはず、だったのだが、
- アニメ版の関連作品に、原作者である吉岡平が様々な形で参加していたこと。
- 原作小説版のイラストレーターが、アニメ版放映後に刊行された続編シリーズ『無責任キッズ』から、アニメキャラクターデザイン担当である平田智浩へと変更となったこと。
- 原作者:吉岡平の創作活動上で、良くも悪くも外部からの影響を受けやすい性質を持っていたこと。
これらが要因となり、この原作続編シリーズより、原作小説版のヤマモトが、アニメ版のヤマモトの影響を受けてしまう、
という逆輸入現象が起こるようになる。
しかも良くない方向に。
これは『無責任キッズ』ラジオドラマ版でのヤマモト役が速水奨であったことからも、その事が窺える。
もっともこちらの「速水奨のマコト・ヤマモト」は「沈着冷静かつ軍人として有能で、なおかつ父親である」面も示されてはいた。
オチについてはなにも言うまい。
原作初期では先述の通り、割と物分かりがよく、軍人として極めて有能なキャラクターであったのだが、
極端に言うなら「その設定が全部どっかにすっ飛ぶくらいの勢いで」、情けない部分が強調されていくようになる。
そして「ヤマモトの能力が『無力化』」され、続編シリーズでは厳密に言うと「ヤマモトはタイラーの副官では無くなってしまっていた」。
更に言うと、持っていた「不運」の性質が「凶運」にまでバージョンアップしてしまうことにもなった。
例えば、番外編「我が名はヤマモト」にて、
士官学校の学生であった頃に、互いの知らないままに、タイラーが所属していた大学のヨット部との「ソーラーディンギー(太陽風により動く宇宙ヨット)」の対抗戦を行い、その末に危機に陥り、タイラーに助けられてしまったことがある。
ついでにそれを知ったセッシュウ・ミフネにより、我知らず「タイラーの副官」となるべく導かれてしまった。
という後付け追加設定がなされた、などである。
そして、
- 息子のシゲチヨがタイラーの娘であるキサラの「一の乾分」になってしまい、生涯いじめられ、アゴで使われてしまう。
- 孫のエドが「凶運」の性質を継いでしまい、波瀾万丈な人生を送ることになる。
など、ヤマモトと、ヤマモトの血を引く子孫たちは、「凶運」の性質の名の元に、「物語の中で、散々な形で、必要以上にいじめ抜かれることになる」。
これは、原作者が「ヤマモトはいじめることでファンに受ける」キャラクターであると「勘違い」してしまったのではないか、という推察もなされる。
もしも、原作第1シリーズ『宇宙一の無責任男』を読むなり、アニメ版を見るなりして、マコト・ヤマモトのキャラクターを気に入ったとしたら、
なるべくなら『無責任キッズ』最終巻『銀河嫁取物語』と、『無責任カルテット』最終巻『銀河賛唱』は、読まない方が精神衛生上、良いことだろうと思われる。
もしくは読むとしたら、覚悟をしながら読む事をお勧めする。
それぐらい、ちと、描写が、きつい、のである。
そして、これらの描写が要因の一つとなり(もちろん他にも様々な要因が存在する)、
『キッズ』と『カルテット』は原作シリーズとしては、実はあまり人気がないシリーズとなってしまっている。
それでも、もしもこの続編シリーズを読んでしまった場合、
更にその続編であり、『宇宙一の無責任男シリーズ』の最終シリーズとなる『無責任三国志』シリーズを読むことをお勧めします。
『三国志』シリーズのみで計10巻(!!)にも及ぶ、超長丁場となりますが、「原作続編シリーズにおける『ヒドいことになっちゃったヤマモト』」に対する、原作版初期シリーズと、アニメ版の内容も含めた、フォロー的な逸話が記されているので、読む甲斐はある、と思います。
かなり長くて大変ですが、頑張って読んでみて下さい。
それでももちろん、「生きて評価される」ことが、一番なのではある。
リライト版
原作初期シリーズのヤマモトと、アニメ版のヤマモトを足した形での、「新たなマコト・ヤマモト」のキャラクターが出来上がることになる。
神経質で心配性で激しく泣き虫で「不運」で「凶運」でありながら、
艦隊指揮も執り格闘術も修めていて、軍人として有能であり、
ユリコ・スターに片想いし、タイラーに反発しながらも心酔し、自らの能力を生かしてタイラーのフォローに回る。
原作者:吉岡平としては、「アニメ版のキャラクターに原作版のシナリオを演じて貰う」、という感覚であったようだ。
ただし、場面によってはアニメ版よりもかなり状況が良くない方向へ、演出がなされた部分もある。
例えば「艦が!艦が!動いてるぅ~~~~~~~!!!」のシーンなどがそれにあたるので、少々読むのに覚悟が必要ではある。
というか、原作初期シリーズにならい、キャラデザインがイケメン設定となったのだが、
残念なイケメン扱いが多めとなっている。
なおシア・ハスとは、「真・タイラーシリーズ」が「アシュラン編」以降がリライトされなかったため、出会い方や進展の仕方が異なっている。
『真・無責任艦長タイラー』で出会い、『無責任提督タイラー』のエピローグで結婚に至る、という前倒し設定となっている。
先祖:山本権兵衛、または『明治一代無責任男』について
本作品においては原作版のマコト・ヤマモトのご先祖様となっている。
本編では、原作版第2作目『明治一代無責任男』に登場し、約7000年前の明治時代の日本へとタイムスリップしてしまい、東京にやってきたヤマモトとジャスティ・ウエキ・タイラーにたまたま偶然出会い、
「日清戦争」真っ只中にあった日本にちょっかいを出していたラアルゴン人に対抗すべく、ヤマモトとタイラーに、その助けを願う事になる。
タイラーに「コンベエさん」やら「ゴンベさん」やらと呼ばれて、ヤマモトや山本権兵衛本人に訂正されるのがお約束。
(本来の呼び名は「ごんべえ」であるが、「ごんのひょうえ」が公称となっている)
本編内では、山本権兵衛に関する解説は「後に首相(総理大臣)まで務めた」ぐらいしか記されていないのだが、
史実では、軍務局長時代に「人事(リストラ)を含む日本海軍の大規模な行政改革」を断行したり、
三度の海軍大臣を務めた際に、修理・補給体制、燃料、食事内容の見直し(この頃からカレーライスや肉じゃがが採用されている)などの改正を行い、
その業績から、現在では「日本海軍の父」の一人と呼ばれている人物である。
では、その人物がどうして「マコト・ヤマモトのご先祖様」になったか?というと、
一度目の総理大臣の時には「シーメンス事件」、二度目では「虎ノ門事件」が発生し、総辞職を余儀無くされてしまったり、
その後もいろいろとあって、「元帥」や「元老」になることが出来なかったりなど、
その「微妙な運の悪さ」が、この設定の所以である、と考えられる。
またこの『明治一代無責任男』には他にも、
「伝説の戦艦『畝傍』」や、
当時の文化人である矢野龍渓、幸田露伴、森林太郎(森鴎外)そして森田思軒や、
日本海軍軍人である、東郷平八郎、伊東祐亨、仁礼景範、西郷従道、
日本海軍海戦の戦艦である「吉野」、「高千穂」、「秋津洲」、「浪速」、「松島」、「千代田」、「厳島」、「橋立」、「比叡」、「扶桑」、
などの、様々な事象や人物が登場している。
そして「黄海海戦」に至っては、「ジャスティ・ウエキ・タイラーが艦隊司令」になったり(但し「記録には存在していない」)、艦隊配置の説明図を「本文中で図式化」して説明しているなど、本作のクライマックスとして扱われている。
また「黄海海戦」発祥の軍歌「勇敢なる水兵」の歌詞や、そのモデルとなった三浦虎次郎三等水兵も登場する。
というか、物語のあちこちでタイラーがこの「勇敢なる水兵」を唄い、物語終盤でタイラーやヤマモトたちは、まさにその「逸話の場面」に遭遇することになる。
てか、タイラーやヤマモトたち、日本の歴史を守る為にはやむなしとはいえ、いろいろと歴史に関わりすぎぃ(笑汗)
本作は、「歴史オタク」であり「軍記物オタク」である吉岡平の、趣味が盛り沢山に「煮詰まった」物語となっている。
なお、本作刊行当時(1989年:平成元年)は、インターネットはその黎明期にあり、一般的にもまだその存在自体が知られておらず、現在のように一発で軽くこれらの情報を検索することなんて、出来なかったどころか、そんなものは夢物語に過ぎなかった。
挙げ句に、「日清戦争」の軍艦関係の資料が、なかなか見つからなかった、ということもあり、
国会図書館へ通ったり、神田や早稲田の古書店巡りで大変だった、という執筆秘話がある。
それが今や、「ネットで検索すれば一発」となった。
もちろんそれに至るまでの様々な人々の努力の賜物であるのだが。
いやはや、いい時代になったもんだなぁ。
なお、現在では『明治一代無責任男』は「ほぼ外伝扱いの作品」となっている。
「キクチヨ・ミフネ」について
本項は、原作版及びリライト版の登場キャラクターである「キクチヨ・ミフネ」についての解説となる。
マコト・ヤマモトに関して重要な意味を持つキャラクターのため、ここに記載する。
「キクチヨ・ミフネ」とは、セッシュウ・ミフネの次男であり、そしてマコト・ヤマモトの一つ上の先輩である。
原作版では番外編である『宇宙無責任時代』及び「無責任少尉タイラー」(『厳冬惑星ホロシリの反乱』に掲載)、そして『我が名はヤマモト』に登場。
リライト版「真・タイラー:真タイラー」では『真・無責任艦長タイラー』第1巻からの登場となる。
アニメ版では登場しなかった。
惑星連合宇宙軍の士官学校を首席で卒業するほどの才能を持ち、情厚く人心掌握にも長け、軍人としての剛毅たる意志も持つ、ヤマモトにとって、それこそタイラー以上に、最も尊敬に足る優秀な人物であった。
そして二人は「兄弟」と言っていいくらいの関係であった。
そしてヤマモトとは異なり、早くから「タイラーの価値」を認める程の柔軟な考えを持ち合わせていた。
もしもタイラーに協力したならば、必ずその力となっていたであろう、そんな人物であった。
惑星連合宇宙軍に入隊した後は順調に軍功を上げ、駆逐艦「さぎり」艦長となる。
そして同じく駆逐艦「若竹」艦長となったヤマモトと、駆逐艦「あさなぎ」艦長となったジャスティ・ウエキ・タイラーと共に、「アルデバラン宙域」へと赴く事となる。
そしてそこで遭遇したラアルゴン艦隊と戦闘に突入し、原作版では「タイラーのミスのために」、リライト版では「タイラーを守り庇う形で、戦死した」。
それを眼前で目撃してしまったヤマモトはタイラーを恨み、「タイラーを認めること」が一歩遅れることになる。
また、その報告を聞いたセッシュウ・ミフネは、タイラーを憎悪する事になり、
二人のキャラクターに、一つの影を落とすこととなる。
実はこの設定は、原作版では『ワングの逆襲』の後に『銀河無責任時代』が刊行されたため、ぶっちゃけ「後付け設定」となっている。
そのため、原作版では第1作目『無責任艦長タイラー』との物語のズレが生じてしまうことになった。
しかしその後、カセット文庫版「無責任艦長タイラー」が制作販売される。
ピクシブ百科事典「宇宙一の無責任男シリーズ」>カセット文庫版「無責任艦長タイラー」
そして、そのA面の後半にて、
(今の若い人にはわかりにくいだろうけど、「カセットテープ」とはこういうメディアだったのだ。)
第1作目『無責任艦長タイラー』に、番外編『銀河無責任時代』の内容を織り交ぜて、
ヤマモトがタイラーの副長となるのを決意したのは、キクチヨがヤマモトに「タイラーを頼む」という遺志を遺したから。
という設定が追加されることになった。
そしてリライト版『真・無責任艦長タイラー』:真タイラーでは、タイラーが軍に入隊する以前からの物語となったため、更に細かい設定の穴埋めが行われ、
本シリーズの神聖ラアルゴン帝国との最終決戦において、タイラーは「タイラーの副官」となったヤマモトと共に、「キクチヨ・ミフネの遺した策」を用いる事により、キクチヨの遺志に報いることとなった。
ちなみに、原作版初期シリーズ『宇宙一の無責任男』最終章「颱宙ジェーン編」終盤で誕生したヤマモトの長男に、彼は妻:シア・ハスの猛反対を押し切り「シゲチヨ」と名を付けた。
この名前は、ヤマモトの先輩である「キクチヨ」にあやかった名前となっている。
で、あるのにもかかわらず、こんなことになっちゃうんだもんなー。
更なる「ヤマモト」
2017年6月13日、『宇宙一の無責任男シリーズ』:「無責任艦長タイラー」の、まさかの再アニメ化が発表された。
無責任ギャラクシー☆タイラー:「宇宙一の無責任男」シリーズが24年ぶりテレビアニメ化 7月スタート - MANTANWEB(まんたんウェブ) - MANTAN
新作アニメのタイトルは、
「無責任ギャラクシー☆タイラー」。
そして、この作品には「二人のヤマモト」が登場する。
一人は冷蔵庫………、違った。
ヤマモト372号。
ゴミ箱型の汎用お手伝いロボット。
主人公:バンジョー・ウエキ・タイラーと共に暮らし、日々、ボケまくりにボケるバンジョーに激しく突っ込んだり、無い胃が痛んだりしている。
しかし、製造工場の手違いにより、遥か古代(!?)に造られた、「とある人物」を基にした頭脳チップが埋め込まれており、
その影響で、
その「基になった人物」である、古代人「マコト・ヤマモト」の擬似人格が再生される事がある。
そして更に、使い方次第では、この冷蔵………、いやさ、ロボット、
人間体に変形する事がある。
しかも美青年に。
って、それ一体全体どんなテクノロジーやねん!?!(笑)
こちらは仮に、ヤマモト(人間体)、もしくはヤマモト(美青年体)としておく。
(ちなみに役名は「ヤマモト(男性)」)
というわけで、この二人(二体?)のキャラクターは、
「マコト・ヤマモト」から派生したキャラクターである、と言える。
但し、原作版のヤマモトなのか、アニメ版のヤマモトなのかは、今のところ不明なので要注意のこと。
一応、キャラデザの基はアニメ版からではあるが、先述通り、原作続編シリーズにキャラデザが逆輸入されているので………。
えーい、あーもーややこしいったら(笑涙)
ていうか。
今から七千年後の人間が「古代人」って、この作品、どんだけ先の未来のお話なんだ………?
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