概要
「ユリコ・スター」とは、『宇宙一の無責任男シリーズ:無責任艦長タイラー』の登場人物であり、メインヒロインの一人である。
名前の元ネタは女優の「星由里子」。
なお、キャラクター設定やデザインに「三つの…………………
ではなく、「四つのバージョン」があるため、それぞれに解説する。
原作版:初期
声:川村万梨阿
カセット文庫版
「厳冬惑星ホロシリの叛乱」
惑星連合宇宙軍の女性士官であり、第1作目「無責任艦長タイラー」ではセッシュウ・ミフネの秘書をしていた。
秘書としての能力は非常に優秀で、特にお茶を入れる技術は職人芸、あるいは芸術とさえ呼ばれていた。
そして「偏屈者」であるミフネの眼鏡に適う、数少ない秘書官となっていた。
また、「惑星連合宇宙軍、全ての男性陣の、憧れの君」であった。
それは「タイラーの副官」であるマコト・ヤマモトもその例外ではなく、実は「一番の理想の女性」はユリコであったりした。
原作では第1作目からジャスティ・ウエキ・タイラーと相思相愛となっており、第3作目『ワングの逆襲』の冒頭にて結婚し、夫婦となった。
ちなみに、婚約を発表した時点で5人が自殺し、数十人が自ら前線行きを志願したという逸話が残っている。(原作版設定)
その後は「ユリコ・タイラー」として「タイラーの生涯の伴侶」となり、公私共に彼を支えることになる。
そして「アシュラン編」にて長女の「ビクトリー・キサラ・ウエキ・タイラー」を出産。
「アシュラン戦役」に巻き込まれる形で母子ともどもタイラーへの人質となり危機に陥るが、タイラーとアザリンの活躍と、「キサラの強運」によりこれを切り抜けた。
以下、ネタバレ。
タイラーとの馴れ初め:ネタバレ注意
実は「タイラーを認める」ようになるまで、タイラーからのアプローチを「凶悪に」拒絶していた。
その過程は『銀河無責任時代』と「無責任少尉タイラー」(『厳冬惑星ホロシリの叛乱』に収録)に詳しい。
そもそもの出会いが、ユリコが人質となってしまったテロ事件を、まだ年金係の二等兵であったタイラーが率先して解決し、ユリコを救ったこと、なのであるが、
その際にタイラーが「余計なこと」を言ってしまったため、初対面の印象がそれはもう最悪なものとなってしまっていた。
なので、その後タイラーは花束を持ってにこやかにユリコの家に足繁く通っていたのだが、
ユリコは険のある表情でつっけんどんにし、ビンタまでし、「あなたとはありえないわ!」とまで言う程であったのだが、
タイラーと「一年以内に提督になれたら婚約する」という賭けをしたりするなどした結果か、
『銀河無責任時代』終盤にはすっかりタイラーになびいていた。
本作中では「やはり女は出世に弱いのか」と述べられているに留まっている。
もちろん「それだけではない」ことは、後々散々語られていく事になる。
『ワングの逆襲』にて:ネタバレ注意
第3作目である『ワングの逆襲』にて、タイラーは濡れ衣を着せられて中将から二等兵に降格し、惑星連合宇宙軍に拘置されていたのだが、「アザリン捕らわる」の情報を得たユリコは「タイラー脱獄」を敢行する。
その手段というのが、「三河屋さんから買い付けた、1トン分のパウダーシュガーを活用した粉塵爆発」であった。
「甘い霧」の中で微笑みながら、ライターをちらつかせつつ、兵士を脅すユリコさん。
かなり、おっかない(笑)
ぶっちゃけ、「三人のユリコ」の中で「怒らせると一番怖い」のは、原作版のユリコなのかもしれない。
長女・キサラの性格について:ネタバレ注意
上記の二つの点を鑑みるに、
タイラーとユリコの長女である「ビクトリー・キサラ・ウエキ・タイラー」の「異常なまでの凶悪な性格」の所以は、もしかしたらその母親であるユリコ・スターから来ているのでは?という推測が成り立つ。
キサラは、その持って生まれた強運の為に「慎む事を知らず」育ってしまった。
そして「タイラーはあそこまで凶悪な性格ではない」。
つまり、キサラの「凶悪なまでのドギツい性格」の所以は。
ユリコさん、恐るべし(笑)
アニメ版
声:天野由梨
年齢19歳。階級は少佐。
誕生日:8月25日
身長: 165cm
体重: 52kg
(以上、アニメ版での設定)
惑星連合宇宙軍 情報部将校であり、情報処理担当として優れた技能を持っている。
惑星連合宇宙軍の「掃き溜め」と言われていた駆逐艦「そよかぜ」の風紀を正し「立ち直らせるため」、
また、「そよかぜ」艦長となったジャスティ・ウエキ・タイラーを律するために、駆逐艦「そよかぜ」のクルーとなる。
規律や規則を重んじる真面目な性格であり、「駆逐艦「そよかぜ」の風紀委員長」的立場となり、「そよかぜ」のクルーたちと様々な形で対立してしまう。
そしてその最中に、無責任な振る舞いばかりするタイラーに対していつも怒り、更には馴れ馴れしく接してくるタイラーに対してビンタをくらわせるのがお約束。
その一方で情が深い一面もあり、「軍人としての枠を外れ、なおかつ奔放すぎる」タイラーと接していくうちに「軍人としての自分の立場」に疑問を持つようになっていく。
そして、少しずつタイラーに惹かれていく。
原作版ではある意味「単なるタイラーの相手役」でしかない役回りであったのだが、
アニメ版ではマコト・ヤマモトと共に、タイラーと出会い、衝突し、見守り、理解し、その影響を受け、「軍人と人との間で揺れ動く」という、
ヤマモトからの恋慕による三角関係も伴った「運命共同体」的関係となり、「もう一人の主人公」的な役回りとなる。
原作版:アニメ版以降
アニメ版以降の原作版続編では、ユリコ・スターのキャラクターもアニメ版の影響を受けることになる。
但し、ヤマモトとは正反対にある意味「良い影響」を受ける事になった。
端的に言うと、原作版第1シリーズのユリコ・スターは「単なるタイラーの相手役としてのキャラクター」でしかなかったのだが、
アニメ版での改変を経る事により、「キャラクターの肉付け」がされる事になった。
例えば、番外編「オキュパイト ハネムーナー」(『カトリくんタンマ』に収録)では、「アザリンとイサム・フジのプロレスリングでの夫婦喧嘩(!!)」のレフリーを、夫(タイラー)の代役で務めることになり、
大観衆の面前で、
などである。
ん?年齢??
というわけで、原作版第1シリーズでもタイラーを「宿六」呼ばわりし、肘鉄をタイラーにお見舞いしていたりして、しっかり尻には敷いてはいたのだが、その設定も強化され、
旦那(タイラー)が唯一頭の上がらない、タイラー一族で一番偉い、
「タイラー一族の長老」となっていった。
そして、タイラーは130歳で没したのであるが、
ユリコ・タイラーは、その更に上の「150歳の長い人生」を全うすることとなった。
リライト版
戦艦「摂津」の政治将校として登場。
「政治将校」とは、各戦艦に配属となり、戦艦ごとの情報を収集し、その査定をする将校の事。
よって、原作版やアニメ版以上に「軍人として有能」なキャラクターとなっている。
言うに及ばず秘書としても有能であり、セッシュウ・ミフネの秘書官を勤めあげた事はもちろんのこと、格闘術にも秀でており、マコト・ヤマモトとタメを張れるレベルの格闘術を披露することもある。
「三人のユリコ」の中では「戦闘力」では最強である。
原作版と同じように、最初はタイラーの事を凶悪に拒絶していたのだが、「タイラーの人柄」に接していくうちに絆されていき、彼の力となる事を誓う。
但し、ビンタのみならず、先述の「格闘術」をタイラーにお見舞いすることもあるレベルの「超ツンデレ」である。
つまりは原作版、アニメ版以上に「キツい性格」として描かれ、
「タイラーが軍に入っていなければ結婚出来なかった、超性格のキツいタイラーの姉」
というキャラクターをわざわざ作ったりする程である。
(この姉が原因で、リライト版タイラーは「キツい女性」にしか惹かれない設定となっている)
番外編的作品である『LOVE&WAR(ラブ アンド ウォー)』では、タイラーやヤマモトと共に過去にタイムスリップしてしまい、「タイラーのため」にその力を惜しみなく発揮し、ヤマモトとの「運命共同体」的関係性が強くなっている。
以下、ネタバレ。
「アザリン」に対する立ち位置:ネタバレ注意
本作品の、もう一人のヒロインである「アザリン」とは、このリライト版が、その三角関係について一番、詳細に語られる事になる。
アザリンはユリコに対して明確に嫉妬心を露わにし、ユリコの方も、その複雑な心境を隠せないでいた。
そして、『無責任提督タイラー』にて、「アザリンに降りかかった災禍」が要因となり、
「ユリコが唯一、アザリンに勝てなかった」のが、このリライト版シリーズの結末となっている。
言うなれば「公式のアザリンルート」がこのシリーズの結末となる。
但し、「その経過と結果」については、ファンの間でも「先生、ほんとに何やってんすか?!?」と未だに言われてしまうものとなっており、もしも読むとしても、覚悟を持って読むことを推奨するものである。
関連タグ
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無責任艦長タイラー:アニメ版タグ及び作品総合タグ