概要
「ハナー・シスターズ」とは、「宇宙一の無責任男シリーズ:無責任艦長タイラー」の登場人物である、ハナー元提督の双子の姉妹の愛称である。
本項では、二人の父親である「ハナー元提督」こと「ロベルト・J(ジュンイチ)・ハナー」についても触れることとする。
なおこの名称は、原作版である「宇宙一の無責任男シリーズ」及びリメイク版である「真・タイラーシリーズ:真タイラー」における名称であり、
アニメ版「無責任艦長タイラー」では「ユミ&エミ」が主に用いられ、「ハナー・シスターズ」の名称は使用されなかった。
タグ名について
この名称は上記のように、アニメ版では使用されていない名称であるが、
原作版の途中からイラストがアニメ版キャラクターデザイン担当であった平田智浩へと変更となった。
そのため、「アニメ版デザインのユミ&エミも『ハナー・シスターズ』と呼ばれる」という、なんだかややこしい状況となってしまった。
というわけで、「ハナー元提督の双子の姉妹」に関するpixiv投稿作品をまとめる意味で、タグ名としてはこの「ハナー・シスターズ」という名称を用いることとする。
原作版
声:志村佳名子(ユーミ役)
太田薫 (エィミィ役)
カセット文庫版:「無責任艦長タイラー」
ラジオドラマ版:「無責任キッズ『暗黒太陽小町』」
原作版での二人の名前は「ユーミ・ハナー&エィミィ・ハナー」。
惑星連合宇宙軍の年金課に勤めていたジャスティ・ウエキ・タイラーが、ロベルト・J・ハナー元中将が住んでいるアパートにやってきた時に出会った双子の美人姉妹。
一卵性双生児であり、都築和彦のイラストでは、二人のデザインは特に区別はされていない。
重度の宇宙放射線障害を患い寝たきりになっていたハナー元中将のことを、二人でかいがいしく介護していた。
ぶっちゃけ、ハナー元中将のアパートにタイラーが足繁く通った本当の目的は、この二人の美人姉妹であったりした。
それでもタイラーはハナー元中将の話を懇切丁寧に聞いていたので、感動したハナー元中将は、時の惑星連合宇宙軍最高司令官「アドリアン・アンダーソン」へ手紙を出し、それがタイラーの出世のきっかけとなる。
そして父・ハナー元中将が没した後、惑星連合宇宙軍に入り、タイラーの元に参ずることとなる。
(『ワングの逆襲』)
そして幸いにも「戦闘機乗り」としての能力があることが判明し、タイラーの手引きにより「コジロー・サカイ」と「タケオ・シラギク」の指導を受けることになり、
『バブルボール・ジェミニ』の通称で知られる戦闘機パイロットとして、タイラーの活躍に貢献していくことになる。
姉妹の間だけで使える「テレパス能力」と併用しての戦闘機操縦となり、後に二人のテレパス能力に合わせた機器や武器が搭載された専用機である「桜花」と「橘花」が開発された。
ちなみに二人のテレパスの会話の内容は、かなり姦ましかったりする。
ちなみにカセット文庫版「無責任艦長タイラー」では、原作者:吉岡平のツイートの通り、とまとあき演出のメディア作品によく見られた「原作者の関係者(素人)によるキャスティング」の一つとなっていた。
エィミィ役の方もお知り合いの方の可能性が高いと思われる。
なお、父親である「ハナー元中将」は、原作者:吉岡平本人によるキャスティングとなっている。
以下、ネタバレ。
双子であるのと、そのテレパス能力のために、二人の好みの男性が同じである、と思われていたのだが、
後に、そうでなかったことが判明する。
第1シリーズ『宇宙一の無責任男』最終章「颱宙ジェーン編」の後、ユーミはコジローと結婚し、
そしてエィミィの方は、なんと!なんと!!なんと!!!(えーいしつこい)
あの惑星連合宇宙軍きっての軍艦造船のエキスパートであり「軍艦オタク」である「ヒラガー」こと「トオル・ジョーニアス・ヒラガー」と結婚をした。
そのあまりにも驚天動地な展開に、
ドクター・キタグチは「 ほとんど犯罪のような結婚 」と語り、
ヤマモトは「 銀河開闢以来人類史上、最大の損失だ!! 」と叫び、
比較的、人に対しておおらかなシア・ハスでさえも「 ホントだね 」と、開いた口が塞がらなくなっていた。
ユーミとコジローはともかくとして、エィミィとヒラガーが、いったいどうやって付き合いはじめたのか、何を想って惹かれあったのか。
原作版では一切が謎のままであった。
アニメ版
アニメ版での二人の名前は「ユミ・ハナー&エミ・ハナー」。
ロベルト・J・ハナー元提督の娘である双子の姉妹。
一卵性双生児であり、見分けの付け方は髪の毛の結び目の左右の違いと、エミがお淑やかな大人っぽいお姉さん声であり、ユミがキャピキャピな女の子声となっている。
アニメ版では女の子声のユミが姉となっている。
そして二人称は基本的に「様付け」呼びである。
(タイラー様やコジロー様など)
第2話「いよっ!花の年金生活」にて初登場。
惑星連合宇宙軍の年金課に所属していたタイラーが、ハナー元提督宅を訪問した際に出会った。
そしてハナー元提督を狙ったラアルゴンのテロに巻き込まれた際に、タイラーが工作員を口八丁で丸め込み、持ち前の「強運」で事件を解決する。
そしてこのことがきっかけで、タイラーは駆逐艦「そよかぜ」の艦長に就任することになる。
ユミ&エミもタイラーを慕い、「そよかぜ」に搭乗。
そして第10話「心眼、近眼、ドガンドガン」にて、
フライトシミュレーターでの成績は芳しくなかったが、二人に対して課した試験飛行の際に起こった事件がきっかけで、「戦闘機パイロット」としての才能が開花し、コジロー・サカイも二人の才能を認め、指導を授けることになる。
まあ二人に付き従われながらの指導だったので、
二人揃って「コジロー様ぁ♡」と近寄り、コジローが「それ以上近付くなぁ!!!」と怒鳴るのがお約束であったのだが。
というわけで、この二人のアニメ版設定は「原作版の基本設定に様々な要素を付け加えてキャラクターを膨らませた」ものになっている。
そして、二人の声が重なる部分を除いて、キャストのかないみかによる、ほぼ一発録りの演じ分けとなっていた。
二人のキャラクターソングである「キュンと桃色左胸」では、大人声のエミを先に収録し、後から子ども声のユミを収録している。
その後、アニメ版放送後に制作されたラジオドラマ版「無責任キッズ『暗黒太陽小町』」では、テレビ版同様、かないみかがキャスティングされている。
子ども声のユーミがコジローと結婚している設定のため、「コジローくん」と呼び、
大人声のエィミィは「コジローさん」と呼んでいる。
つまり、エィミィの方が、
うん、まあ、つまり、そういうことである。(原作版の項のネタバレ参照)
リライト版
リライト版では「ユーミ・ツキコ・ハナー&エイミィ・ヒデヨ・ハナー」という、ミドルネームが追加された名前となっている。
他の基本設定はほぼ原作通り。
しかし、二人の「一卵双生児からくる精神感応能力」の表現のためか、二人の会話は少し「不思議ちゃん」が入ったものとなっている。
そして、コジロー・サカイとの出会い方が「ゲームセンターで出会い、ユーミとフライトシミュレーターゲームで対戦する」というものになっている。
他にも、原作版では一切合切不明であった、ヒラガー(リライト版では能力性格性質気質は変わってないが、イケメンに変更されている)とエイミィが、どうやってお互いを想い合うようになったのか。
例えば上記のフライトシミュレーターゲームの開発者がヒラガーであり、コジローとユーミの対戦を観戦すると同時にエィミィと出会い、そして彼女に惹かれてしまう、などの逸話が追加されている。
父:ロベルト・J・ハナー
こちらで「ハナー・シスターズ」の父親である「ロベルト・J・ハナー」について解説する。
原作版
声:吉岡平
カセット文庫版:「無責任艦長タイラー」
「J」は「ジュンイチ」と呼ぶ。
かつては惑星連合宇宙軍きっての名将と謳われたが、重度の宇宙放射線障害を患い、不遇の末、場末のアパートで、二人の娘の介護を受けながら余生を送っていた。
先述の通り、惑星連合宇宙軍の年金課に勤めていたジャスティ・ウエキ・タイラーの訪問を受ける。
その後、足繁く通い、自分の話を丁寧に聞いてくれたタイラー(本当は「ハナー・シスターズ」が目的であったのだが、根は人がいいので、相槌を打ちながら、懇切丁寧に話は聞いていた)に感動し、知己である時の惑星連合宇宙軍最高司令官「アドリアン・アンダーソン」へ、障害を患った手で拙い手紙を書き送り、このことがタイラーの大出世のきっかけとなる。
「ハナー・シスターズ」が宇宙軍に入隊する前に逝去した。
後にテレビアニメ版の影響を受け、番外編「ハナー提督物語」が著される事になる。
(単行本『カトリくんタンマ』に収録。)
ちなみに上記の通り、カセット文庫版「無責任艦長タイラー」でのハナー元中将役は、とまとあき演出のメディア作品で良くあった、原作者特別出演である吉岡平となっている。
の割には台詞が結構多かったりする(笑)
アニメ版
声:西川幾雄
「J」は「ジュンイチ」と呼ぶなど、基本設定は原作版と同じ。
第2話「いよっ!花の年金生活」にて初登場。
ハナー元提督宅をタイラーが訪ねてきた時に、テロに遭遇し、ユミ&エミ、そしてタイラーとともに人質となる。
そして口八丁なタイラーがその「強運」で事件を解決、その事がきっかけでタイラーは駆逐艦「そよかぜ」の艦長となる。
その後、第9話「花占いに祈りを込めて」に登場し、自宅が取り壊される前に、施設に入った事が判明する。
そして、第23話「宇宙で一番長い日」にて、タイラーが指揮を執る「惑星連合宇宙軍と神聖ラアルゴン帝国の一大決戦」の結末をテレビにて見届けた後、何かに満足したかのように、第24話の冒頭にて逝去した。
そしてその事が、第24話からの「タイラーのぷっつん劇」の原因となる。
原作版以上にそのキャラクターが重く用いられ、後に原作番外編である「ハナー提督物語」が著される事となる。
リライト版
「J」の読み方が「ヨアヒム」と変更となった。
その他の基本設定と流れは原作版と同じ。
しかし「J」の読み方の他、他者への人物評価が厳しくなったり、アンダーソン長官への連絡方法が電話になるなど、細かい設定が変更されている。
元ネタ
この三人は、
ハナー提督は「ハナ肇」、
ユーミとエイミィは「ザ・ピーナッツ」の「伊藤ユミ」と「伊藤エミ」から由来する、
懐かしのバラエティ番組である「シャボン玉ホリデー」における、
「お父っつぁん、ご飯ができたわよ」
「いつもすまないねぇ」
「それは言わない約束でしょう?」
の名物コントに由来するパロディキャラである。
そしてこのネタを原作版やカセット文庫でもやっている。
リライト版でのミドルネーム「ツキコ」と「ヒデヨ」も、伊藤ユミの本名である「月子」と伊藤エミの本名である「日出代」から取られている。
そして、ハナ肇が1993年に他界する直前、「ザ・ピーナッツ」の二人もその看病にあたり、
「いつもすまないねぇ」「それは言わない約束でしょう?」のセリフを、笑顔で交わしていたという。
原作版の、とある設定:ネタバレ注意
以下の文は、原作版のとある設定のお話である。
もしもアニメ版ファンがご覧になったとしても、
「なんだ原作って、けっこー重っ苦しいんだなー」
と、笑って流して頂ければ、これ幸いである。
テレビアニメ版の放送後に発表された、ハナー元中将が主役である原作版番外編「ハナー提督物語」(『カトリくんタンマ』に収録)にて、このような設定が追加された。
「アンリ・ジュールダン」という男がいた。
彼は駆逐艦の艦長であったのだが、実は戦闘機乗りの才能があり、本当は戦闘機パイロットを志願していた。
しかし、現役将校である父親の横槍で、駆逐艦の艦長となってしまっており、それが故に荒れた生活を送っていた。
その果てに、ハナー提督夫人に手を出してしまい、そして懐妊させてしまう。
その後、その事実を闇に葬りたいと望む者たちの手により、死への罠を貼られたが、それは「戦闘機乗りとしての死」を意味するものであったので、喜び勇んでそれに臨み、そして散華した。
結果として「彼の犠牲」をもって、ハナー提督の引退戦は勝利で収められる事となった。
「ハナー提督物語」は、ハナー提督の引退物語であると同時に、「彼」を巡る陰謀の物語となっている。
その陰謀に絡んだのは、イツァーク・ハイフェッツ、ススム・フジ、そしてアスカ・コリアであったのだが。
その詳細については本編を参照のこと。
この陰謀はハナー提督には内密であったのだが、
しかしハナー提督は、「その全てを看破していた」。
そしてハナー提督は、ススム・フジに、
「ワシも貴様も、ロクな死に方はすまいなあ………」
と呟いている。
事実、『ワングの逆襲』にて語られたハナー提督の最期は、悲惨なものとなっている。
しかし、その死に顔は、安らかであったという。
「二人の娘を育て上げ、その後をタイラーに託せた」。
その余生に満足していたのかもしれない。
そして「娘たち」、「ハナー・シスターズ」は「戦闘機乗り」となった。
原作にはそんなネタもある、という、そんな与太話の一つである。
関連タグ
宇宙一の無責任男:原作版タグ
無責任艦長タイラー:アニメ版タグ及び作品総合タグ