概要
「ジャスティ・ウエキ・タイラー」とは、
「宇宙一の無責任男シリーズ:無責任艦長タイラー」の主人公である。
モデルとなったのは
「クレージーキャッツ」のメンバーであった植木等が演じていた映画「無責任シリーズ」の主人公「平均(たいら ひとし)」がモデルである。
なお、キャラクター設定やデザインは三つ………
「けっこういろんなバージョン」があるため、それぞれに解説する。
ちなみに、
そしてリライト版では「鏡」に例えられる。
原作版:初期
CV:山本正之
カセット文庫版
「無責任艦長タイラー」「厳冬惑星ホロシリの叛乱」
原作第1シリーズ『宇宙一の無責任男』の主人公にして、「宇宙一の無責任男」
超楽天家かつ超お気楽な性格で、人にゴマをするのが大好き。
基本的には「なにも考えていない」が、作品が進むにつれ「荒唐無稽かつ奇想天外な策」を発想するようになる。
そして超が付くほどの「強運」の持ち主。
都築和彦によるイラストのキャラクターデザインは、そのまんま「植木等」から。
※イラスト上側、青い服のキャラ
オールバックの風采のあがらない中年男のイメージ。
一応、原作開始時は25歳なのであるが
そして、今でもこちらのデザインの方が好みのファンもいる。
主な小道具はギター。
作中での吉岡平作詞による生演奏と生歌(小説だけど)は本作品の名物シーンの一つ。
また、オーディオドラマであるカセット文庫ではこの詞に、中の人である山本正之作曲が付け加えられたオンステージシーンもある。
また、タイラーとその一派は、
「タイラーが出世するための、もしくは軍を運用するためのスタッフ」、即ち「幕僚」であり、
つまりは「タイラーの部下」となる。
略歴
宇宙歴6974年7月7日生まれ。
地球は旧日本領のコシガヤ・シティーに生まれる。
銀河産業大学を卒業後、人気アイドル「ノリコ・バッハ」の募兵ポスターにつられて、「楽がしたいから」という志願理由で「惑星連合宇宙軍」に入隊し、二等兵となる。
初めは宇宙軍の年金係に配属であったが、
「ロベルト・J・ハナー」退役中将と縁を持ち、(その双子の娘:後の「ハナー・シスターズ」が主な目的ではあったのだが)ハナー元提督宅に足繁く通ってるうちに気に入られ、彼が「アドリアン・アンダーソン」惑星連合宇宙軍 最高司令長官に送った手紙が元で、少尉としてアンダーソン司令長官の側近勤務となる。
「茶坊主少尉」だの「提督のおべんちゃら係」だのと言われ、参謀「ススム・フジ」中将から睨まれながらも、その年の「プロキオン会戦」にてアンダーソンに申し出る形で、少佐に特例の三階級特進(!!)した後、老朽駆逐艦「そよかぜ」を受領し、対する「神聖ラアルゴン帝国」艦隊を相手に「駆逐艦一隻で」久方振りの未曾有の大勝利をもたらすきっかけを作る。
その後中佐に昇進、
「セッシュウ・ミフネ」中将の直属の部下となり、駆逐艦「あさなぎ」艦長となる。
銀河辺境宙域パトロール任務中に、アルデバラン宙域にてラアルゴンの「ラクラム・ド・ドナン」提督による「タイラー討伐艦隊」との交戦を経るも、これを撃退。
しかしその過程で、キョンファ・キムの婚約者と、ミフネ中将の二人の子息(サンジューロー・ミフネとキクチヨ・ミフネ)を巻き添えにする形で戦死させてしまい、この禍根は後々まで引き摺ずることなる。
そして「汎アルデバラン会戦(もしくは「ミフネ家の弔い合戦」)」で「有能なスタッフ」を見いだし、大佐に昇進。巡洋艦「阿蘇」艦長となった折に、ハロルド・カトリ、コジロー・サカイ、タケオ・シラギクをスカウトする。
これにキョンファ・キムとマコト・ヤマモト、更にはグエン・ホー・ミンやヒデザブロー・キタグチをクルーとして加え、出航する。
(原作版第1作目『無責任艦長タイラー』の開始)
R222宙域にて遭遇したラアルゴンの名将「ユッター・ド・ロナワー」を「ランダムワープ」戦法にて撃沈。
その他にも多大なる戦果を上げたため、次は少将、即ち提督とさえ言われていた。
がしかし、ラアルゴン側より送られた「二人の潜入工作員(ハルミ及びゲッショウ:バラゴム)」の手により「阿蘇」が無力化、ラアルゴンの将「ル・バラバ・ドム」の手により無条件降伏をさせられてしまう。
タイラーは「阿蘇」の乗員の命を救うため「捕獲」され、神聖ラアルゴン帝国へと移送される。
そして神聖ラアルゴン帝国皇帝、
「ゴザ16世」こと「アザリン・ド・エル・クラン・ライクン:アザリン」と、運命の出会いを果たす。
こうして「ゴザ16世」のペットとなったタイラーは、彼女から「パコパコ」と呼ばれるようになる。
一方、連合では「死亡」とされたタイラーの葬儀が大々的に営まれ、「少将」に叙せられる。
そしてその勢いのまま、ラアルゴンとの「タイラー弔い合戦」となる。
しかしその最中、「ラアルゴン皇帝襲撃部隊」が、タイラーの生存(重体ではあったが)を確認し、その身柄を「ゴザ16世」と共に、惑星連合宇宙軍側に確保する。
大手術の末、タイラーは「奇跡の生還」を遂げる。
ミフネ中将の死去により、惑星連合宇宙軍の「提督」として、遺された艦隊の司令となり、帝国宰相ナク・ラ・ワング率いるラアルゴン艦隊と対峙し、これを撃退。
後、ゴザ16世の身柄を帝国側に返還した。
(以上、『無責任艦長タイラー』及び番外編『宇宙無責任時代』より抜粋)
この後、明治時代へ行った、という逸話もあるが、詳細は不明。
(第2作目『明治一代無責任男』を参照)
そしてユリコ・スターと晴れて結婚し、夫婦となった。
しかしその直後、「信濃事件」に巻き込まれる形で冤罪を着せられてしまい、「中将より二等兵への降格」処分となり、収監されるも、「信濃」を味方とした「ナク・ラ・ワング」による「ゴザ16世(アザリンちゃん)人質事件」の発生を知ったユリコ・スターとタイラーの幕僚たちの手により脱獄。
「信濃」を機能停止させ、ワングを誅し、ゴザ16世ことアザリンを救出。
また、その恩義にラアルゴン側が応える形で、惑星連合との講和条約が結ばれた。
(第3作目『ワングの逆襲』)
その停戦期間の最中に、「ホロシリの叛乱」を平定した。(番外編『ホロシリの叛乱』)
その後、辺境宙域での「不穏な状勢」により、ラアルゴン側との不和が生じる。
それにより侵攻してきたラアルゴン側に応じる形で、「ジャスティ・ウエキ・タイラーとラアルゴン提督ル・バラバ・ドムによる艦隊戦」が実現し、これに完勝する。
(ちなみにこの騒動の最中に、フジ中将の息子であるイサム・フジがタイラーの従卒となり、この交戦の最中に長女:ビクトリー・キサラ・ウエキ・タイラーが誕生した)
しかしその隙に、「アシュラン大公国」により、惑星連合及びラアルゴンが征服され、なし崩し的に「銀河が平定」されてしまう。
また、この時に「アドリアン・アンダーソン」の手により、暫定的にではあるが「元帥」に叙せられている。
(第4作目『無責任元帥タイラー』)
妻:ユリコと娘:キサラを「人質」に取られ、アシュランへの叛乱勢力を制し、協力、するよう見せかけながら、その叛乱勢力をまとめ上げ、「惑星連合とラアルゴンとの共同戦線」を作り上げ、アシュランへの叛乱を開始する。
(第5作目『アザリン16歳』)
そのため、ユリコとキサラは危機に瀕するが、ゴザ16世の手を借りながらもこれを救出。
アシュランとの最終決戦をトオル・ジョーニアス・ヒラガー設計による超弩級航空戦艦「周防」を用いて制し、アシュランに勝利した。
そして神聖ラアルゴン帝国改め「ラアルゴン共和国」との恒久的な和平が成された。
そしてその功をもってタイラーは、正式に元帥となる。
しかし、その地位を捨て、惑星連合宇宙軍を退役。
親子三人ともども「雲隠れ」した。
(第6作目『タイラー大逆転』。以上「アシュラン編三部作」)
その後、親子三人揃って惑星「ゴロンボ」にて隠遁生活を送っていたが、ジェット・シン・ヤスダの懸命な捜索活動により発見され、移動性超巨大ブラックホール「颱宙ジェーン」への対応のため、惑星連合宇宙軍に「呼び戻された」。
それからラアルゴン共和国への使者として遣わされたが、この時に「ルッチナ1世」(ゴザ16世:アザリンの重祚)により「ラアルゴン共和国大統領」に任命される。
そして、ラアルゴンの軍勢を用いて惑星連合に「宣戦布告」した。
マコト・ヤマモトとの最終決戦の後、「無血」で惑星連合を制しこれを併合、「銀河を統一」し、「汎銀河共和国 大統領」となる。
(第7作目『無責任大統領タイラー』)
そして「颱宙ジェーン」に対応すべく、統一通貨「タイラー(複数形タイラス)」を用いた「超インフレ政策」や、「横のものを縦にする」奇策を提案、敢行し、アザリンをも仇なす「シード教徒」に対峙しながらも、「銀河を救った」英雄となった。
(第8作目『風速四十光年』及び『永遠なれ無責任男』。以上「颱宙ジェーン編三部作」)
以上が原作第1シリーズ「宇宙一の無責任男」での、ジャスティ・ウエキ・タイラーの略歴である。
人物
その感覚や行動は「昭和時代の庶民的な日本人」であり、極めて日本人的な庶民的な嗜好を持つ。
また、その性質は「空(くう)」もしくは「空っぽ」と称される。
空っぽであるが故に、気に入ったモノは何でもかんでも自分のモノにしたがる性質を持つ。
悪い言い方をすれば、物欲が強い。要は強欲である。
軍に入って出世をしたがったり、軍一番の美人であるユリコ・スターに求婚したり、出世の為のスタッフ(幕僚)を欲したりした所以はこの強欲さからきている。
そして「自分の気に入ったもの」が基準なので「善悪の境が無い」。
よって、気に入れば敵も味方も無く、結果として惑星連合、ラアルゴン、アシュラン、全てまとめて「銀河を手に入れる」事になる。
そして手に入れた「自分のモノ」は「身内」となり、「大事な大切なモノ」となる。
惑星連合宇宙軍に入りたての頃の最初期の「身内」は、駆逐艦1隻の中のスタッフのみであり、またタイラー自身も、彼らを守る力しか持ってなかったので、それ以外の周囲の人々を巻き添えにし、例えば「キクチヨ・ミフネ」などに災禍を及ぼす事となってしまっていた。
しかし上述の通り、徐々に「身内が大きくなっていった」。
そして最終的には「女房と子どもを守る為に、銀河を救う」事になる。
そして「軍人としての職務に、なんだかんだで忠実」である。
無駄に血を流すことを好まないし、軍人的なお涙頂戴な死を馬鹿馬鹿しい事である、とも考えるので、戦闘の際には、なるべく無血で勝てる方策を用いて勝利する事も多い。
しかし、「戦う時には戦う」し、「遠慮のいらない相手(主に身内に害を為す敵)には容赦はしない」。
周囲の「運とゴマスリで出世した」という評価とは裏腹に、軍人として作戦立案能力と作戦指揮能力が高いことはシリーズ通して描かれている。
彼の立てる作戦は、高等教育の段階から軍隊教育を受けてきた職業軍人の固定観念にとらわれないものが多いため、「突拍子もなくいい加減」と評価される事が多いが、相手にも意表をつくことになるため効果的である。
反りが合わないとされるセッシュウ・ミフネも、タイラーのある発案を頭ごなしに否定するのではなく、彼の作戦をとった結果エスカレーションを招くとして却下している。
この点に関して言えば、彼を「(アドリアン・アンダーソン)提督のおべんちゃら係」と言っているススム・フジらアンダーソンの参謀連中の方がよっぽどアンダーソンへの無難なイエスマン化している。
また、自分の欲望に忠実であるが故に「裏表がない」、明け透けな性格である。
確かにおべんちゃらが得意だし、人におべっかを使うのが好きだが、それはタイラーの本心からきてる「嘘偽りの無い真実の言葉」である。
なので、その時々の心情をユリコ・スターやマコト・ヤマモトに推察されたり、また、端的にではあるが、その胸の内をポツリと呟くこともある。
原作第一シリーズ最終巻『永遠なれ無責任男』にて、マコト・ヤマモトに対して、
「一番偉いのは辛い。誰にもゴマがすれないから。」と、その心情を吐露した事がある。
「その分、気楽な市井の一市民に戻るのが楽しみ」とも口にしている。
しかし、ヤマモトは、
「果たして、戻れるのでしょうか……?」と心中密かに思っていた。
果たしてこのヤマモトの危惧は、哀しいかな、当たってしまう事となる。
アニメ版
CV:辻谷耕史
始めに……
アニメ版のジャスティ・ウエキ・タイラーは、原作版のタイラーとは全く異なる正反対の性質を持つ、全く別のキャラクターである。
ということが大前提となる。
口八丁手八丁なおだて上手で、お気楽極楽な、超楽天的なお調子者。
そしてその「強運」で「負け知らず」となり、惑星連合宇宙軍のみならず、神聖ラアルゴン帝国すらも巻き込み、宇宙規模の大騒ぎを繰り広げる。
そしてその様は、ユリコ・スターやマコト・ヤマモト、駆逐艦「そよかぜ」クルーや惑星連合、そしてラアルゴンにまで影響を及ぼしていく。
普段はふざけてたりだらけてるので三枚目に見えるのだが、ふとした時にはイケメンに見える不思議な顔立ちである。
艦長になってからは、赤色の作業服のような軍服に、だぼっとしたコートを着用している。
何らかの口上を高らかに述べる際は、
「ジャスティ・ウエキ・タイラー、二十歳(はたち)!!」
と前口上するのがお約束。
主な小道具は扇子
テレビアニメ版OPや関連イラスト、そして作中でも頻繁に使用され、「アニメ版タイラー」のキャラクターを象徴する小道具となっている。
また、特別編「ひとりぼっちの戦争」からは、細長サングラスが「タイラーの考え方」を象徴するアイテムとなっている。
そしてタイラーが艦長となる駆逐艦「そよかぜ」のクルーたちの「そよかぜクルー」は、
「タイラーが一緒にバカ騒ぎするための愉快な仲間たち」であり、「タイラーのお友だち」となる。
略歴
宇宙歴6978年7月7日生まれ。
作品開始時年齢20歳で階級は少佐。
第1話にて、街中でふと目に止まったアイドルの募兵CMに釣られて、惑星連合宇宙軍の入隊テストを受け、神聖ラアルゴン帝国との開戦のどさくさで入隊し二等兵となる。
第2話で宇宙軍の年金課に配属。
ハナー元提督宅へ年金を渡しに行った時に、人質籠城事件に遭遇するが、その「強運」により解決させる。
この際にマコト・ヤマモトやユミ、エミのハナー姉妹、そしてユリコ・スターと出会う。
第3話で、タイラーの存在を脅威と取ったセッシュウ・ミフネにより、「3日と保たない」駆逐艦「そよかぜ」艦長となる。
(この時点で少佐に昇進)
タイラーの事を良く思わないセッシュウ・ミフネやススム・フジの邪魔立てに遭いつつも並々ならぬ戦果を上げる。
神聖ラアルゴン帝国の軍勢相手に「負け知らずの戦い」を繰り広げる。
そして皇帝「ゴザ16世」こと「アザリン」にもその名を知られ、興味を持たれるようになる。
艦長に成り立ての頃は、ユリコやヤマモト、古参兵であるカール・ビョルン・アンドレセンやミッキー・クライバーンたち海兵隊から反発されていたものの、様々な出来事や騒動を通しながら「つまはじき者たち」が中心であったクルーたちの心をも掴んで行く。
そしてラアルゴンの潜入工作員であった「ハルミ」の「タイラー捕獲作戦」により「そよかぜ」が無力化。
クルーの命と「人の心が芽生えたハルミ」を救うために、タイラーは「捕獲」されラアルゴンへと輸送される。
ラアルゴンの旗艦「メルバ」へ連れてこられたタイラー。
そこで神聖ラアルゴン帝国皇帝「ゴザ16世」である少女「アザリン」と出会う。
「パコパコ」と名付けられ、そのペットとなる。
一方、惑星連合宇宙軍を脱走したクルーたちの手により「タイラー救出作戦」が決行された。
しかしその最中に、神聖ラアルゴン帝国宰相「ナク・ラ・ワング」の謀略による爆弾の爆発に巻き込まれ負傷し重体となり、アザリンの願いでアザリンも伴いながら帰還した。
ドクター・キタグチによる手術と「ユリコとアザリンによる決死の治療」によりタイラーは生還した。
そしてアザリンとの交流の末に、軍上層部の意向に沿うことなく、アザリンをラアルゴンへと帰した。
程なくして、それが原因でタイラーに銃殺刑が言い渡される。
「そよかぜ」クルーが救出に動くが、処刑直前にラアルゴン軍強襲の報が入り、「負けない」事を条件に「惑星連合宇宙軍全軍の指揮権」を得る。
そしてル・バラバ・ドム率いるラアルゴン艦隊との決戦に挑んだ。
その戦果により、地上での休暇を与えられるが、ハナー元提督の死去の知らせを受ける。
それにショックを受けたタイラーは、悩んだ末に、軍を辞めた。
「自分の好きなコトを好きなようにやればいい」
その言葉を聞いた「そよかぜ」クルーの面々は、好きなコトを、好きなように、自分の道を選んだ。
そしてその果てに、タイラーは艦長として戻ってくることとなった。
以上がテレビ版でのタイラーの略歴となる。
特別編「ひとりぼっちの戦争」では、タイラーを試さんとしたセッシュウ・ミフネからの密命を受け、今度は駆逐艦「そよかぜ」クルーの面々も巻き込んで、再び神聖ラアルゴン帝国の捕虜となり、ユリコやヤマモト、「そよかぜ」クルー、そしてドムやアザリンに疑心暗鬼をもたらしつつも、その使命を果たした。
そして「新OVAシリーズ」では、休暇を伴った地上勤務となり、ヤマモトと共に資料課に配属。
クリスマス・イブにはユリコに食事を誘われるなど、怠惰ではあるがそれでも束の間の休息の日々を送る。
しかし、惑星連合とラアルゴンとの間で芽生えてしまった「戦争再び」の空気を察し、その「真実」を模索し、辿り着くことになる。
そして、「最悪の事態」を回避するため、そしてラアルゴンと惑星連合との間に和平を成すため、廃艦処分が決まった駆逐艦「そよかぜ」を使った「最後の悪巧み」を決行することになる。
人物
その人物像は「気楽に楽しく生きたいいたずらっ子」となる。
とにかく、どんな状況でも、誰とでも楽しく生きたい。
それが何処であろうと、誰であろうと。
そして何よりもいたずら好き。
軍のコンピューターに変なちょっかいを出して大混乱に陥れたり、人質事件の犯人たちを翻弄したり、
ラアルゴンの偵察艦隊に「プレゼント」を渡したり、ドム艦隊に対して「してやったり」など、いろんな「いたずら」をしていた。
「神聖ラアルゴン帝国艦隊との決戦劇」は、ある意味「タイラーの最大級のいたずら」とも言えるだろう。
このいたずら好きな性質は、「新OVAシリーズ」第4話にて、いたずら好きな少年「ボブ」を気にかける要因になったり、「ユリコ・スターにもたらしたいたずら」がきっかけで「ユリコを救う」事にもなった。
要は「楽しければ、他には何も要らない」つまりは「無欲」である。
何物にも何事にも執着が無い様は、ミフネ中将からは「組織の中の異端」
もしくは「鳥」と称され、ユリコ・スターからは「風」と称された。
ふらっと入った惑星連合宇宙軍では、その「強運」で出世をしていったのだが、それは本当にたまたま出世しただけであって、自らが特に望んだ事ではない。
なので、第6話や第14話で勲章を貰っても、大して喜ぶことはなかったのである。
艦長となった後も、初めはその状況を楽しんでいたが「人が死ぬ戦闘」を肯定したり、ましてや好きになることはなかった。
なので、左遷宙域に行くことにもさして抵抗はなく、ラアルゴンとの艦隊戦になっても「三十六計逃げるにしかず」と逃げの方策を取るなどしたりした。(第13話)
第18話にて共に「そよかぜ」に来た神聖ラアルゴン帝国皇帝ゴザ16世ことアザリンの身柄を「人質」とすることなく、「人として当たり前の事」として、ラアルゴン側に返還した。(第21話)
その「人として当たり前の行動」が結果として「ハルミ」に「人の心」を目覚めさせたり、アザリンやユリコ・スターがタイラーに惹かれたり、クルーたち(特にマコト・ヤマモトとユリコ・スター)に「軍人とは?人とは?」という疑問を投げかける事となる。
本当のところを言えば、ずっと艦長としてみんなと楽しく過ごしていたかったのだが、ハナー元提督の死がタイラーに衝撃を与えてしまう。
「軍にいても、楽しいことばかりではない」事を悟ってしまったタイラーはいったん軍を辞める事になる。
また、「楽しい事」以外の感情や心情をめったに表に出すことはない。
言い方を変えれば「裏表のある人間」ということになる。
それは第19話「眠れる森の美女」にて、タイラーの心の中に入ったユリコやアザリンが、「タイラーの負の感情の分身たち」に出会った事からもそれが窺える。
そしてハナー元提督の死に端を発した「負の感情」を表に出さないようにしようとするあまり、珍妙な行動を取ったり、放浪したり、結果として「示唆に富んだ言葉」を皆に投げかけたこと。
特別編「ひとりぼっちの戦争」では、「ミフネ中将からの密命」という制限も重なったため「本心を明かさない」態度が皆の心に疑心暗鬼をもたらすことになってしまった。
以上のように、アニメ版タイラーは「軍人ではない」。
また、権力を持つのも好まない性質となっているため、アニメ版の物語が続いたとしても提督、元帥、ましてや大統領になることもないであろう。
タイトルの通り、あくまで一人の「無責任艦長」。
それがアニメ版タイラーなのである。
辻谷耕史と「タイラー」
アニメ版タイラーの中の人である辻谷耕史は以下のように述べている。
「タイラー役は、自分との共通点が見つからなかったので、非常にやりにくい役だった」
「タイラー役をやり遂げた事で、初めて『声優』になれた」
辻谷耕史の声優道(2ページ目) | 先輩から学ぼう! | 声優グランプリweb
アニメ版以降:『キッズ』『カルテット』
上述の通り、原作初期版のタイラーと、アニメ版タイラーとは、全くの正反対のキャラクターであったのだが、
アニメ版以降の原作続編シリーズである『無責任キッズ』より、イラスト担当がアニメ版キャラクターデザイン担当の平田智浩に変更となる。
また、アニメ版の関連作品に吉岡平が参加していたこと。
そして吉岡平の、「その創作活動に、外部の事象からの影響を受けやすい」性質も重なり、
原作続編シリーズのジャスティ・ウエキ・タイラーに、アニメ版タイラーの影響が若干であるが出てしまう事になる。
それでも、原作続編の本編である『無責任キッズ』及び『無責任カルテット』では、
タイラーの髪型をオールバックにしたことにより、外見上の違和感は薄れていたのである。
番外編では原作版タイラーの行動を取る、外見はアニメ版のまんまのタイラーが登場
原作版の番外編なのに、アニメ版タイラーの行動を取る原作版タイラーが登場したりなどをしていた。
結果として、原作版からのファン、アニメ版からのファンの双方に違和感を生じさせ混乱をもたらすことになってしまった。
また、この時期には大統領を辞め、隠居の身となり、一介のプータローとなっていた、はずだったのであるが、
子どもである「キサラ」と「カツヤ」と「ノリカ」、そして孫である「エド」への支援と、
「颱宙ジェーン」の「後始末」のため、表立っての行動ではなく、「暗躍」をし始めることになる。
結果として「権力を行使する旨み」を知ってしまう。
また、マコト・ヤマモトの「無力化」によりタイラーの能力が不思議と向上していった。
(例えばキサラに対して「軍人の心得を説く」など、原作初期ではありえない行動を取っている)
そして「タイラーの抑え役の不在」を招く事になり「タイラーの好き勝手状態」のまま、物語が進むことになる。
(厳密にはヤマモトは、続編シリーズでは「タイラーの副官ではない」)
そしてその状況が『無責任三国志』へと繋がっていく。
『無責任三国志』
原作版の最終シリーズとなった『無責任三国志』には、二人の「ジャスティ・ウエキ・タイラー」が登場した。
以下で「二人のタイラー」について解説する。
イーサン・ベルファルド=タイラー
『無責任三国志』の主人公の一人。そして「無責任男候補」の一人となる
ジャスティ・ウエキ・タイラーの孫である「エド」の次男、つまりはタイラーの曾孫である「ユズル」の結婚相手の連れ子であった。
つまりは「エド」の義理の孫、「キサラ」の義理の曾孫、そして「イツマ」「シズマ」そして「バグジー」の義理の従兄弟。
そしてタイラーの義理の玄孫となり、タイラーとはこれっぽっちも血縁関係は無い、と思われていた。
しかし、その正体は「ジャスティ・ウエキ・タイラー」のクローン。
「もう一人のジャスティ・ウエキ・タイラー」ということになる。
物語序盤は「無能なタイラー一族の面々」に虐げられていたが、一念発起してタイラー家を出奔。
「キサラ」に導かれ、「ハルミⅢ」や様々な人びとと出会い、艱難辛苦に遭いながらもそれらを乗り越え、
「無責任男候補」の一人として、「イツマ」や「スレイ」と親友となりライバル、強敵となっていく。
見た目は凡庸で大人しく、気心も優しいが、いざという時にはその勇気を持って、気骨がある行動を取る。
初めは「タイラーのクローンとして生まれた自分の人生」に思い悩んでいたのだが、様々な経験を経て「自らの道」として、「弱いものの為の正義を行使する使命」に目覚めていく。
また、自分と関わった人、特に「悪人」を変化させる性質を持つようになる。
そして第7巻『三つの王冠』の終盤にて、
自身の奥底に眠っていた「タイラーの『強運』」を目覚めさせることになる。
実は、『無責任三国志』のイラストをご覧の通り、「アニメ版のジャスティ・ウエキ・タイラーを基としたキャラクター」となっている。
しかしよく見れば、鼻が鷲鼻となっており、「アニメ版タイラーとも全く異なる、もう一人のジャスティ・ウエキ・タイラー」となっている。
アニメ版タイラーとは異なり、「正義に目覚めた」事からもそれが窺え、また、ベルファルド自身、大変な働き者となっている。
そしてその仕事や人に対する誠実さと実直さから、やがて「一企業の社長」となる。
そして第8巻『試練の三番勝負!』にて、その企業である「ベルファルド・コーポレーション」を企業国家として、「銀河三分の計」の一国として立ち上げる事になる。
老タイラー
ご存知、元祖「宇宙一の無責任男」、ジャスティ・ウエキ・タイラー。
物語開始時、御歳120才。
足腰が衰え、常に自走式車椅子に座している。
「タイラー一族」の当主として未だに、「タイラーグループ」や惑星連合宇宙軍、そして汎銀河共和国連邦、即ち、銀河全体に渡る影響力を持っている。
そして老いたりとは言えども生気がみなぎれば、人をおののかせる気迫は健在である。
実は「タイラーのクローン」であるベルファルドを「作るよう」指示したのは、タイラー自身である。
またその過程で、クローン生成の研究をさせていたり、自身の冷凍精子を保存させてもいた。(この冷凍精子が盗まれた事で「スレイ」が誕生した)
また、『無責任カルテット』の敵役であった「ブラック・セラフィム」の残党たちの面倒を見た結果、銀河の裏の勢力である「エグゾゼ・カンパニー」の誕生にも関わってしまっていた。
そして、約一万年後に再来する「颱宙ジェーン」に対抗出来うる人間社会の維持、あわよくば発展させるために、
自身の「三人の血縁者たち」を「無責任男候補」として、競わせて争わせ、銀河を三つの勢力に分ける計略「銀河三分の計」を考案し実行。
つまりは本作『無責任三国志』の「黒幕」は、「ジャスティ・ウエキ・タイラー」本人ということになる。
これを「どうしてこうなった?」と、嘆くことは極めて難しい。
何故なら、もともと原作版タイラーは「空っぽであるが故の、敵味方、善悪関係無しの強欲さ」を持つキャラクターであるのだから。
しかし、その暴走を咎めた「タイラー一族の権力統制機関」である「タイラー家 五大老会議」によって
「タイラー一族当主」の座を追われ、あらゆる権限を剥奪されてしまい、隠居の身とさせられてしまう。
一方でこの事態は、タイラーが「タイラー一族の責務」から解放された、という事にもなった。
そして第8巻『試練の三番勝負!』終盤。
「一人の老人の最後のわがまま」として、「若いもう一人の自分」であるベルファルドに「最後の勝負」を挑んだ。
第9巻『サード・ビッグバン』にて、「最後の死闘」を演じる事になる。
つまりは、この勝負がベルファルドの「最後の試練」
本作の「ラスボス」は、かつての主人公であった「ジャスティ・ウエキ・タイラー」本人ということとなったのである。
リライト版
『無責任黙示録』の主人公「平松巌」の子孫。「お寺の家の出身」となる。
この設定は元々のモデルである「植木等」に由来するものである。
また、平松巌の相棒であった「ファイナス・山本」の血も入ったため、日本人系ではあるが金髪碧眼の超イケメンなデザインとなっている。
※イラスト左側のキャラ
ただ、ユリコ・スターに関わり、激しく突っ込まれると「残念なイケメン」と化する。
大学の同級生であった「コウサク・カヤマ」と共に出場した「ソーラーディンギー」レースの出場費用の捻出のため、
「ヤバいところ」から借金してしまい、その「返済(臓器も含む)」から逃れるために惑星連合宇宙軍に入隊する。
したがって、リライト版では大学中退で軍に入隊。後に卒業扱いとなっている。
その後の経緯は原作版とほぼ同じであるが、その経緯の詳細な内容が追加されたり、原作版とは「別の解釈」がなされてもいる。
接する相手により、その態度を変える性質を持つ。
誠実な人を相手にしたときには、誠実さを見せ、酷薄な者には、酷薄な態度で接する。
そのため、その性質を「鏡」に例えられる。
また、ユリコ・スターの性格強化により、「気の強い女性に惹かれる」という嗜好も追加された。
原作版では「基本的に落ち込まない」
アニメ版では「落ち込んだ事をひたすら隠す」
リライト版では「落ち込む時は、ひたすら落ち込む」
そして明け透けな性質のまま落ち込むので、涙もろくて泣き虫である。
そして年金課への爆弾テロ事件のエピソードが追加となり、同僚であった「年寄りな先輩方」を亡くした。
酷くショックを受けたが「この戦争を止める為に戦う」という動機付けがなされ「ヒーロー的性質」が強化されている。
神聖ラアルゴン帝国皇帝「ゴザ16世」こと「アザリン」との縁が、原作版やアニメ版以上のものとなっている。
アニメ版で強調された「アザリンのタイラーへの恋心」が、リライト版では更に積極的な表現や態度や行動となって現れ、タイラーもまたその行動に揺さぶられることになる。
また番外編「LOVE & WAR」の登場人物「ジャ・ディーン」との縁、そして「無責任提督タイラー」にて「アザリンに降りかかった災禍の詳細な描写」により、
ユリコにも分かちがたい縁が、タイラーとアザリンに築かれることになる。
関連作品
現在pixivでは、全ての投稿作品の中で、アニメ版のジャスティ・ウエキ・タイラーの関連作品が一番多く投稿されている。
その後のタイラー一族
2017年6月13日
『宇宙一の無責任男シリーズ』「無責任艦長タイラー」の再アニメ化が発表された。
無責任ギャラクシー☆タイラー:「宇宙一の無責任男」シリーズが24年ぶりテレビアニメ化 7月スタート - MANTANWEB(まんたんウェブ) - MANTAN
新作アニメのタイトルは、「無責任ギャラクシー☆タイラー」。
そして、この物語は「タイラー一族の末裔である少年」が、主人公となってる。
少年の名は「バンジョー・ウエキ・タイラー」
伝説の一族「タイラー」の名を持つ14才の少年。
しかし今は「宇宙のゴミ掃除屋」として、球天体外壁部でゴミ拾いをして
たまにバンジョーを爪弾く、そんな日々を送っていた。
しかしそんなとある日、とある少女を「拾う」。
彼女の名は「ゴザ168世」
バンジョーと同じく、伝説の少女「アザリン」の名を持つ少女であった。
そんなこんなで始まる物語……なのだが
ジャスティ・ウエキ・タイラーは、この、遥か、遥か、遠い昔に、亡くなっている
とナレーションで明言されている。
が、しかし、
なんか、このままで、終わりそうな気がしないんだよなぁ………(笑汗)
なんせ原作は文字通り「なんでもあり」な世界観だったわけなので。
もしも、このアニメが原作版の世界線であるのなら…
こちらの「ジャスティ・ウエキ・タイラー」が、原作版の方の「タイラー」であるのなら。
とりあえず、気楽にのんびり、眺めてみてみようかー。
関連タグ
宇宙一の無責任男:原作版タグ
無責任艦長タイラー:アニメ版タグ及び作品総合タグ