概要
『無責任三国志』とは、吉岡平のライトノベル作品『宇宙一の無責任男シリーズ』の最終シリーズである。
本作品は主人公が三人おり、
そして全巻合わせて10巻にも及ぶ、シリーズ最長作品となっている。
あらすじ
原作第1作目『無責任艦長タイラー』本編よりも、約100年後の物語。
タイラー一族、及び銀河を統べる人材の枯渇を憂いたジャスティ・ウエキ・タイラー(御歳120歳)が、銀河を治めるための策略「銀河三分の計」を思いつき、「自らの血縁者」である「三人の無責任候補者たち」を戦いあわせていく。
『無責任三国志』登場人物
主人公:三人の「無責任候補者」たち
イツマ・ウエキ・タイラー
その他、マコト・ヤマモト、シア・ハス、コウサク・カヤマ、ノリコ・バッハなどの「『血』のハイブリッド」であり、超絶美形かつ超有能かつ万能なタイラー一族の当主最有力候補者。
そして「無責任候補者」の一人となる。
実は男装の麗人、つまりは女性であり、元の名は「ジョアンナ」。
とある事件が原因で、ジョアンナを「殺し」、男性として生きるようになる。
そのため女性として扱われる事と、男性と比較される事を極端に嫌う。
シア・ハスからのラアルゴンの血と、タイラーや他の血縁者の能力や素質を受け継ぎ、男性と互角に渡り合い、他の二人の「無責任候補者」たちとも平等かつ対等な好敵手かつ親友となっていく。
タイラー一族の兵器会社TAC社(タイラー・アームズ・コーポレーション)の経営者を経て、最終的に「三国の一国」汎銀河共和国連邦の大統領まで上り詰める。
ドン・レオ・スレイ
とある施設で育った孤児で、マフィア組織エグゾゼ・カンパニーに身を置いていた「闇稼業の男」。
実はジャスティ・ウエキ・タイラーの冷凍精子から生み出された試験管ベイビー:TTB(テスト・チューブ・チルドレン)の一人であり、つまりは「タイラーの息子」となる。
そのため「無責任候補者」の一人となる。
同じ施設で育った「兄弟」の、「選別」や「闘争」を凌ぎながら生きてきたため、冷酷な判断を下す事ができ、かつ自らの手を汚す事も厭わない。
その一方で、義に厚い面もある侠客の漢。
神聖ラアルゴン共和国から「否定」された「バグジー」の境遇に同情し手助けをした結果、「三国の一国」バグジー=スレイ帝国を立ち上げることになる。
イーサン・ベルファルド=タイラー
エドの次男の結婚相手の連れ子………………………
かと思われたが、実は「ジャスティ・ウエキ・タイラーのクローン」。
そのため「無責任候補者」の一人となる。
気が優しい性格で見た目も大人しいが、タイラーよりも正義感が強く、気骨も強い。
クローンである自分の人生に思い悩み、「自らの道」を求め、切り開いていく。
そして「タイラー本人」であるので、徐々にその「悪運」を覚醒させていく。
また、自分と関わり合った人を「変化」させる能力も持つ。
アニメ版のタイラーのキャラクターが基礎となっている。
しかし、アニメ版タイラーと全く異なるキャラクターとなっていく。
そして、タイラーの策略に我知らず乗った結果、「三国の一国」企業国家「ベルファルド・コーポレーション」を成立させることになる。
イツマ関連人物
アキヅキ・キリヒト
第1巻『謀略トライアングル』より登場。
タイラー家の筆頭顧問弁護士にしてイツマの側近。
イツマに出会った日から、哲学科から法律科に転科するほどに「彼女に惚れ込んでいる」。
そしてその卓越した頭脳と能力でイツマを支えていく。
また、スレイの側近であるプラティープとは大学時代からのライバルであり腐れ縁でもある。
シズマ・ウエキ・タイラー
第1巻『謀略トライアングル』より登場。
イツマの弟。
なので「タイラー一族」の一員なのだが、先天性知的障害を持っており、知的年齢は7歳で成長が止まっている。
しかし絵画の才能があり、「光臨」するたびにところ構わず「傑作」を描き始める。
まだ、「先を予見する能力」を持ち、その事象を絵画作品に反映するので、「本作の予言者」的キャラとなる。
イツマは「自分に無いもの」を持つシズマを愛し、大切にしている。
ガラティア・ティトー
第5巻『三匹快進撃』より登場。
宇宙車士官学校を次席で卒業しながら任官を拒否し、TAC社に入社した才媛。
アキヅキと並ぶ、イツマのもう一人の片腕となる。
ベルファルドとの対決を決めたイツマに「チョン・ソヨン」を紹介する。
オリヴァー・ナサニエル・ポコ・カイゼル・ドミナントⅤ世
第6巻『三羽烏登場!』より登場。
通称「ドミン」。
銀河工科大学「秀才三羽烏」の一人。
海洋プラント開発が専門。
ラアルゴン皇室よりも古い、地球はポリネシア文化に端を発する、七つの小島からなる弱小王国「ピピロ王国」の第七王子(母親は第三夫人)。
ちなみに義母は七人、兄弟姉妹は40人(現状)。
エッソやユーリアと共に国に帰らず就職活動をしていたが、なかなか見つからなかった。
その能力が買われTAC社に入社し、イツマ直属の開発部員として軍事技術開発に携わる事になる。
その過程で「イツマの正体」に気づき、惚れてしまう。
またイツマも「不思議と嫌悪感を感じない」相手となっていた。
意を決し、イツマにプロポーズしたその直後、イツマを庇い、銃撃に倒れる。
その「命懸けの姿」が、イツマの心を癒やすことになる。
チョン・ソヨン
第8巻『試練の三番勝負』より登場。
惑星連合宇宙軍の「掃き溜め」とされている旧式駆逐艦「イムジン」艦長である「不良軍人」。
ガラティアとは、士官学校時代の「浅からぬ仲」であり、
最終試験の答案を「見せてもらい」、ジャスティ・ウエキ・タイラーからの直々の最終問題に正解し、その年の主席を「奪ってしまった」事のある、因縁深い相手でもある。
イツマからの要請を受け、ベルファルドとの対決に出陣し、「一騎打ち」に挑んだ。
その過程でイツマの傘下に入り、ガラティアとも「焼け棒杭に火が付いた」。
スレイ関連人物
バグジー・マローン・ウエキ・タイラーV世=ノワール・ド・エル・クラン・ライクン
第1巻『謀略トライアングル』より登場。
通称「バグジー」。
アザリンの悲願であった「タイラー一族とラアルゴン皇室との婚姻」の結果生まれた、エドの孫、アザリンとキサラの曾孫、そしてタイラーの玄孫。
つまりは「タイラーとアザリン、その他もろもろの人物の血を引く」少年。
父の影響でオタク方面の趣向を持つ「ごく普通の男の子」であり、偶然出会ったスレイに懐いた。
父母の突然の死により、神聖ラアルゴン共和国の次期皇帝候補となるが、「ラアルゴン原理主義者」たちに拒まれてしまう。
それに異を唱えたスレイの手助けを受けラアルゴンを出奔、バグジー=スレイ帝国の初代皇帝となる。
プラティープ・チュリアカーン
第1巻『謀略トライアングル』より登場。
元は「エグゾゼ・カンパニー」に所属していた、いわゆる「ヤクザ弁護士」であったが、たまたま出会ったスレイに気に入られ、その側近の1人となる。
基本的には軽妙かつひょうきんで明るい性格なのだが、惑星「イーサン」の出身であり、「賄賂と麻薬にまみれた」故郷を救うためと「打倒 エグゾゼ・カンパニー」のために弁護士となっていた。
また、イツマの側近であるアキヅキとは、大学時代からのライバルであり腐れ縁でもある。
ノーイ・ライオネス・スレイ
第1巻『謀略トライアングル』より登場。
惑星「イーサン」でスレイが出会った少女。
その境遇に憤ったスレイに引き取られ、後に養女となる。
スレイの「良心」を象徴する存在。
なのだが、スレイたちと付き合っていくうちに逞しくなり、「スレイ・ファミリーの陰の女帝」的存在となる。
「ラアルゴンのお家騒動」に巻き込まれたバグジーを手助けする内に懇意の仲となり、最終巻『輝け!トライスター』にて「バグジーの皇妃」となる。
スリチャイ・ソーンキット
第2巻『冷たい三角関数』より登場。
惑星「イーサン」の軍人で「エグゾゼ・カンパニー」にも身を置いていた。
そして共に「打倒 エグゾゼ・カンパニー」を誓った仲であり、プラティープに誘われ、スレイの気迫を見て取り、その傘下に入る。
アルフレート・サリバッシュ
ヨナタン
ウェポンスキー
レダ
チヒロ
ランディ
セルジオ
アンリ・ゴドー・ナンジェッセー
「エグゾゼ・カンパニー」によって生み出された「タイラーの精子から生み出された試験管ベイビー」たち。
つまりは「タイラーの子どもたち」であり、「スレイの、共に施設で育った兄弟たち」である。
アルフレート・サリバッシュは第2巻にて、他の兄弟たちは第4巻『奇跡のトリニティー』にて、手を変え品を変え、スレイに襲いかかる。
なお、アンリ・ゴドー・ナンジェッセーのみ、ベルファルドに巡り会ったことにより「新たな人生」を歩む事となる。
ランスロット・ルメイ
第4巻『奇跡のトリニティー』より登場。
殺人犯として護送されていたスレイの護送車に同乗していた。
死刑廃止論者として著名な父親に反発し、殺害した。
犯罪心理学を学び、スレイをもってこいの「研究材料」として見立てる。
そしてスレイに襲いかかってきた「兄弟たち」の心理を分析し、「心の闇」を暴き出し、スレイの手助けをした事によりその傘下に入る。
デミ・クックマイヤー
第5巻『三匹快進撃』より登場。
ランスロットの大学時代の友人。
経済学が専門で、お金儲けの達人であり、スレイが服役中にランスロットに請われてその傘下に入ったことにより、「スレイ一家」の経済状況は劇的に改善された。
なお名前が呼びにくいため、スレイからは「クマ公」と呼ばれている。
プラティープ、スリチャイ、ランスロット、「クマ公」の四人で「スレイ一家四人衆」となり、「Hなビデオ」を巡って大騒ぎしたり(おい)、「バグジー=スレイ帝国」でも要職に就くことになる。
ナ・バァム・ドム
第5巻『三匹快進撃』より登場。
ちなみに、ドムが子を成した経緯により、先の惑星連合宇宙軍 最高司令長官アドリアン・アンダーソンの来孫にもあたり、地球人の血も引いている。
爆弾テロに巻き込まれたバグジーを助けたことにより、その「生涯の忠臣」となることを誓う。
ラアルゴン原理主義者たちの手により、惑星「セランテ」へと赴任させられるが、その逆境を逆手に取り軍隊を育成し、「バグジー=スレイ帝国」艦隊を作り上げる。
そして帝国の最高司令長官として侵攻を進めていき、TAC社私設艦隊を率いたイツマと対峙し、「バルバロイの陣」により、これを圧倒していたのだが。
アントン・プルミン
第5巻『三匹快進撃』より登場。
潜宙艦「ピライバー」艦長。
元は惑星連合宇宙軍の軍人、だったのだが、乗務員全員が「ゲイ」であり、軍から爪弾き者扱いされ、辺境宙域に左遷させられていた。
ラアルゴンを出奔したスレイたちを撃沈する極秘任務を与えられていたが、「腐れ縁」であるジョナサン・ベルグマンに説得され、スレイたちを支援し、帝国傘下に入る。
スレイを「そういう意味で」気に入り、なにかと誘うが、当然の事ながら拒否されている。
ジョナサン・ベルグマン
第5巻『三匹快進撃』より登場。
潜宙艦「マツブッシー」艦長。
自称「ドロシー」。
プルミンたち同様、元は惑星連合宇宙軍の軍人、だったのだが、乗務員全員が「オカマ」、というか「ニューハーフ」であり、「ピライバー」同様、軍から爪弾き者扱いされ、左遷させられていた。
そして極秘任務に対して、バグジーを「真の皇帝」とみなしてプルミンを説得、共にスレイたちを支援し、帝国傘下に入る。
なおプルミンからは「性格最悪のニューハーフ」として嫌われている。
また、ニューハーフとなってしまったのには、少し重い過去を持っている。
なお、双方とも「軍人としては有能」であり、帝国傘下でその能力を遺憾なく発揮していくことになる。
ユーリア・ヒープ
銀河工科大学「秀才三羽烏」の一人。
「量子力学」を専攻しており、五千年に渡り封印されていた核兵器の研究の封印を解き、「エカプルトニウム爆弾」を「発見」してしまう程の才媛であるが、
女性に生まれた事で「嫌な事ばかり」があったため、自分の「女性」の部分を受け入れられず、眼鏡を掛け、化粧もせず、身だしなみもぞんざいであった。
最初はTAC社に入社しようとするが、イツマの逆鱗に触れてしまい断念。
レジャーボート並の宇宙挺に乗り込み、単身「バグジー=スレイ帝国」と接触。
スレイに気に入られ、その傘下に入る。
そして彼女もまた、スレイに惹かれていく。
ベルファルド関連人物
ハルミⅢ
第1巻『謀略トライアングル』より登場。
三代目の人造人間「ハルミ」。
キサラの手により、ベルファルドのパートナーとしてあてがわれる。
ベルファルドを守りつつも、「血は争えず」、ベルファルドに惹かれていく。
第2巻『冷たい三角関数』の終盤、ベルファルドを守り庇う形で「死亡する」。
チッコリーナ
第3巻『炎のトリコロール』より登場。
タイラー家を出たベルファルドが就職したSIM社(スミハラ・インダストリー&マティリアル社)の同僚で、ベルファルドが遭遇する苦難を支えていき、後に結婚、妻となり、娘の「ハルミ」と息子の「JJ」をもうける。
SIM社(スミハラ・インダストリー&マティリアル社)
マーク・スミハラ
第3巻『炎のトリコロール』より登場。
小さな町工場を、銀河屈指の軍需産業メーカーにまで押し上げたSIM社の創業者会長。
障害者をタダ同然で酷使しコストダウンすることにより、次期主力戦闘機のコンペを勝ち取った。
しかしその状況を指摘したベルファルドと対立し、彼を試す事になる。
後に殺人事件の刑事裁判での有罪判決により、軍のコンペ採用が取り下げられて、会社が倒産。
ベルファルドに「正義を貫く事の困難さ」を身をもって伝える事となる。
キミコ
第3巻『炎のトリコロール』に登場。
シズマが入園していた障害者施設にいた障害者の女の子。
シズマが嫉妬する程に色彩感覚に優れ、七宝焼を作るのが得意。
SIM社に雇われ酷使されるも、ベルファルドを心の支えとしていた。
そしてベルファルドの為に七宝焼を作ろうとして、夜の工場に入り込み…。
ノボル・ヤマシタ
SIM社の工場長。
第3巻『炎のトリコロール』より登場。
障害者を虐待同然に酷使していたが、それを指摘したベルファルドに職務を取られそうになり、精神に異常をきたしてしまい、工場の機械を壊そうとした挙げ句、キミコに見られてしまい、殺害してしまう。
この殺人事件が第3巻後半の「法廷劇」へと繋がる。
その後自白し有罪となる。
そして出所後、第5巻にて再登場。
「ベルファルドの能力」を証明する人物となる。
アンリ・ナンジェッセー
「ゴトー」の名を捨て、スレイへの憎しみを押し殺した「アンリ・ゴトー・ナンジェッセー」。
第5巻より、自分を拾い上げてくれたベルファルドに「帝国をプレゼント」する為に、「汚れ仕事」を担う「特務部長」となる。
そして第7巻『三つの王冠』にて、ナ・バァム・ドムの戦艦に乗り込み一計を案じ、「ベルファルド覚醒」のきっかけを作り、その結果に満足しながらこの世を去った。
ナ・バァム・ドム
アンリの「計略」に掛かり、「覚醒したベルファルド」によって「バルバロイの陣」を破られ「人生初の敗北」を喫して敗走。
おめおめと帝国にも戻れず、汎銀河連邦に下った結果、死刑判決を受けてしまう。
そして「ハルミⅣ」に助けられる形でベルファルドの傘下に下る。
結果として「タイラーとドムが手を組む」形となる。
エッソ・ケーゼギンク
第6巻『三羽烏登場!』より登場。
銀河工科大学「秀才三羽烏」の一人である、未だ14歳の少年。
治金学、特に超合金理論を専攻。
若くして工学博士の博士号を取得した天才少年であるが、その若さが就職活動のネックとなっていた。
面接に行った「ベルファルド・コーポレーション」でタイラーに見込まれ入社する。
若さ、というよりも幼さ故の早熟さはあったが、ベルファルドやアンリたちと苦難を共にしていく内に、ベルファルドの片腕として成長していくことになる。
ブルーノ・リュンツラー
ウンベルト・グロッシー
フランク・マコト・ロイド
第7巻『三つの王冠』より登場。
元はTAC社の私設艦隊の募集に志願した新米志願兵たちで、巡洋艦「アポフィス」の乗組員であったが、「ベルファルド覚醒」を目の当たりにし、後に「ベルファルド・コーポレーション」に引き抜かれる形でベルファルドの部下となった。
特にロイドは、初めはみっともない醜態をみせたが、「たまたま」ベルファルドが副長を任せて、イツマから譲り受けた廃艦寸前の老朽駆逐艦に「たまたま」「そよかぜ」と名付け、そうしたら「たまたま」ミドルネームが「マコト」だったという、「たまたま」尽くしな人物となっている。
セイジューロー・キタグチ
第7巻『三つの王冠』より登場。
名前からお察しの通り、「ヒデザブロー・キタグチ」の孫。
祖父からの性質を受け継いだ「泥酔医師」であり、元はTAC社の嘱託医であったが、後に引き抜かれて、ベルファルド・コーポレーションの嘱託医となる。
実は父親(キタグチの息子)が「タイラーのクローン」の研究に携わっていた。
そして、なんとなく察したのか、その経緯や「その他諸々、様々な事」をベルファルドに伝える事になる。
なお、あまりにも祖父に似すぎているため、実は「キタグチのクローン」なのではないかと「本人が」告白している。
ハルミⅣ
第8巻『試練の三番勝負』より登場。
四代目の人造人間「ハルミ」。
キサラにより、再びベルファルドにあてがわれた。
看護士としても工作員としても、歴代のハルミの中では最高のスペックを誇るが、高コストと記憶チップの関係で「これが最後の『ハルミ』」となる。
サン=ルイ・ルナール
第9巻『サード・ビッグバン』より登場。
エッソの補佐をしていた新入社員。
コンピューターに神が宿る、事を研究する「コンピューター神学」を「信仰」し、ハルミⅣを「マドンナ」として崇める。
「最終決戦」の白兵戦に志願したり、後にはドミン狙撃犯のモンタージュ作成に協力する。
警察
リカルド・ゴメス
第1巻『謀略トライアングル』より登場。
スレイを目の敵として常に追い掛け回している、いわゆる「銭形警部」。
とはいえ、心の奥底ではスレイを心底気に入っており、要所要所でスレイたちの手助けもする。
階級が一定せず、登場の度に変わっているのがお約束。
後々、腐れ縁が極まり過ぎて、警察を追い出されたあと、「バグジー=スレイ帝国」の押し掛け警察長官となる。
ボニー・リトラ・カーライル
第1巻『謀略トライアングル』より登場。
女性ながら警視正を務める才媛。
ゴメスとは、スレイと関わりあいながらの腐れ縁となる。
警察長官に手が届くところまで登りつめたが、特別機密要人警護部隊の一員として、大統領となったイツマのボディーガードとなる。
ちなみに、この二人の名前の元ネタは古代怪獣ゴメスとその天敵:リトラである。
(第2巻『冷たい三角関数』66ページ 6行目 参照)
マスコミ
ケンゴ・フジキ
ブルース・スウェイン
ジャック・ヒンギス
タイラーグループの傘下企業の一つ「ゴアテレビ」所属のジャーナリスト。
フジキは第8巻、スウェインとヒンギスは第9巻より登場。
ベルファルドのインタビューを皮切りに、イツマの「カミングアウト」や「最終決戦の生中継」まで、様々な取材を行った。
エマ・ハナー=サカイ
第9巻『サード・ビッグバン』に登場。
名前の通り、コジロー・サカイとユーミ・ハナー:ハナー・シスターズの曾孫。
フジキが雇ったチャーター機のパイロット。
飛び続けていないと体型が維持出来ず、太ってしまうという難儀な体質であり、
軍に入って「戦闘機乗り」にはならなかったが、スリルと「宇宙(そら)が好き」なので、飛び続けている。
エグゾゼ・カンパニー
銀河全てに勢力を伸ばすマフィア組織。要は「銀河の裏の支配者」。
タイラー家に対してテロを行ったり、タイラー一族を攻略すべく、タイラーの冷凍精子を盗み出して「タイラーの子ども」を「量産」した、
つまりはスレイが生まれたきっかけの組織でもある。
基本的にはタイラーと対立する立場の組織、なのではあるが。
フロイ・ジュダ・ウエキ・タイラー
第2巻『冷たい三角関数』より登場。
カツヤの孫。タイラーの曾孫。
カツヤがブラック・セラフィムの残党と共に立ち上げたマフィア組織エグゾゼ・カンパニーの裏の支配者にして総帥。
突然変異的な美貌の持ち主であり、悪の道に「陶酔」している。
カツヤの推薦で「三人の候補者たち」に試練を与えるための「妨害」を課していくことになる。
しかし、表舞台に立つ野望を持ってしまったがために…。
タイラー家
惑星連合宇宙軍を始めとして、TAC社やゴアテレビ、タイラーグループやタイラー財団などを構成設立し、汎銀河共和国連邦の権力をほとんど牛耳っている。
これらの「表向きの権力」だけではなく、その勢力は「エグゾゼ・カンパニー」といった「裏の権力」にまで及んでいる。
しかしながら、タイラー家全ての人間が有能、というわけではない。
以下、各登場人物の本作での立ち位置を解説する。
ビクトリー・キサラ・ウエキ・タイラー
タイラーの長女にして『無責任キッズ』の主人公。
そしてイツマとシズマとバグジーの曾祖母となる。
元・惑星連合宇宙軍 最高司令長官にして、齢90にしてもまだ矍鑠としており、予備役元帥として「傀儡最高司令長官」を置くほどに、惑星連合宇宙軍を牛耳っている。
「父親の暴挙」に憤りながらもその「計略」を手助けし、
ベルファルドに対して「導きの手」を出しつつ、助言を与えた。
ジャスティ・エドワード・ウエキ・ハス・ヤマモト・タイラーIII世
『無責任カルテット』の主人公、「エド」。
キサラの長男。タイラーの孫。
そしてイツマとシズマとバグジーの祖父となる。
マチコとの再会が叶ったあと、士官学校に入学しなおし、惑星連合宇宙軍入隊後、退役(最終階級は中将)、TAC社を創業した。
70代の老境に感慨を覚えながら、タイラーやキサラのサポートをしつつ、妻のマチコと共に孫たちの行く末を案じながら、状勢を見守っていたが。
カツヤ・ウエキ・タイラー・ジュニア
タイラーの長男、キサラの弟であり、「無責任カルテット」の一人、であった。
齢70にして、未だに学ランを着込んでいる。
ローゼリア(ゴザ17世)との結婚式をドタキャンした後、「ブラック・セラフィム」の残党やその子孫たちの面倒をみる形で「エグゾゼ・カンパニー」を立ち上げる。
一時は勘当も同然の扱いを受けていたが、タイラーの「策略」に乗り、「カンパニー」と孫のフロイを「候補者たちの壁」として差し向ける。
ディスティニー・ノリカ・ウエキ・タイラー
タイラーの次女、キサラとカツヤの妹であり、「無責任カルテット」の一人、であった。
そして「タイラー家五大老」の一員でもある。
フヨウ家と子孫を成したが、いずれもイツマたちよりも圧倒的に能力が劣り、カツヤと「互いの孫の不出来」を突っ込みあうことになる。
タイラーの妻にして「タイラー家五大老」の「筆頭」。
つまり「タイラー家で一番偉い」のはユリコとなる。
120歳を越えても未だに若々しく、「ヤキモチも妬く」。
そして第8巻終盤、「タイラー家 五大老会議」にて、「ジャスティ・ウエキ・タイラーの権限剥奪」についての評決を提議した。
ご存知、第1シリーズ『宇宙一の無責任男』の主人公:「宇宙一の無責任男」。
「タイラー家当主」であり、自動車椅子に座しながらも、齢120にして未だに、その影響力は全銀河に及ぶ。
老いたりといえども生気が漲れば、人をおののかせる。
そして………。
以下、「ジャスティ・ウエキ・タイラー」及び本作『無責任三国志』に関する重要なネタバレとなるため、空欄を開ける。
それは、本作より約20年前の、宇宙歴7073年のこと。
「エド」に初孫が生まれた、その夜に、
採種保存されていた「ジャスティ・ウエキ・タイラーの冷凍精子」が何者かによって盗まれてしまった。
その報告を聞いたタイラーは、後に膨大に生まれてくるであろう「自分の子どもたち」に対抗させるべく、「自らのクローンを一体のみ」作成する事を命じた。
こうして生まれた「玄孫」と「息子」と「もう一人の自分」。
一万年後に再びやってくる「颱宙ジェーン」の脅威に対抗できる「人類の社会」を維持、あわよくば発展させるため、
この三者を争わせる事を計った。
これがタイラーによる「銀河三分の計」のあらましである。
また、「ブラック・セラフィム」の残党と子孫の面倒を率先して見て、「エグゾゼ・カンパニー」結成のきっかけを作ったのが、実はタイラーであった。
そして「三人の候補者」に対する「刺激発奮」のため、「カンパニー」による「妨害」を指示したのも、実はタイラーだったのである。
そうこうしている内に、銀河は「三国」に分かたれた。
しかし、タイラーの内に、「もう一人の自分」に対する対抗心、いや、嫉妬心が芽生えてしまう。
そして第8巻『試練の三番勝負!』にて、
孫の「エド」を副官:ヤマモト役として従え、タイラーは「もう一人の自分」であるベルファルドに挑むべく出陣。
第9巻『サード・ビッグバン』にて死闘を演じる事となった。
つまり、本作の「黒幕」はジャスティ・ウエキ・タイラーであり、
「ラスボス」もまた、ジャスティ・ウエキ・タイラーとなったのである。
関連リンク
無責任三国志 1 謀略トライアングル - 吉岡平/平田智浩(富士見ファンタジア文庫):電子書籍ストア - BOOK☆WALKER -
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