ミッキー・クライバーン
みっきーくらいばーん
「ミッキー・クライバーン」とは、「宇宙一の無責任男シリーズ:無責任艦長タイラー」の登場人物である。
なお、キャラクター設定やデザインに「三つのバージョン」があるため、それぞれに解説する。
また、原作版の登場人物である「ボブ・キーナン」及び、アニメ版の登場人物である駆逐艦「そよかぜ」海兵隊員の面々についても記述する。
主人公「ジャスティ・ウエキ・タイラー」の部下であり、その幕僚である、海兵隊 特務曹長(初登場時階級)。
身長2メートルを越す、ネアンデルタール人を思わせる強面の顔付きをした、基本的には無口で無表情な、白人系の大男。
原作第1作目『無責任艦長タイラー』での神聖ラアルゴン帝国との最終決戦より登場し、皇帝奪還作戦(と思ったらよもやのタイラー救出劇)に参加したり、「タイラーの企業秘密作戦」に貢献し、
自分たちの能力を有効活用してくれたタイラーに心酔し、その幕僚となる。
また、直属の上司として「ボブ・キーナン」がおり、主にキーナンとともにコンビを組んだ他、
キーナン、クライバーン、そしてカール・ビョルン・アンドレセンと共に、「タイラー・ファミリー」の白兵戦トリオとして活躍し、名を馳せた。
そして「アシュラン三部作」の内の1作である『アザリン16歳』終盤での「アシュラン大公国との白兵戦による一騎打ち」は、
キーナン、クライバーン、アンドレセンたち「タイラー・ファミリー白兵戦トリオ」最大の見せ場となっている。
以下、ネタバレ。
「颱宙ジェーン三部作」にて、上司であるボブ・キーナン及び、カール・ビョルン・アンドレセンがそれぞれに殉職してしまい、
「タイラー・ファミリーの白兵戦要員」としての、最後の生き残りとなった。
後に番外編「ミッシングリンク」(『我が名はヤマモト』に収録)の終盤や『無責任キッズ』第1巻『暗黒太陽小町』で登場し五十の坂を越えても現役であり、各惑星の内戦に参戦し数多の傷を負い、身体の大半が機械化され、ほぼサイボーグとなりながらも、その健在ぶりをアピールした。
また、キーナンとアンドレセンも、実は「脳味噌だけになってもしっかり生きてる」ため、
(「颱宙ジェーン編」終盤のネタバレに相当。詳細はカール・ビョルン・アンドレセンの原作版の項のネタバレを参照のこと)
二人も近々、「機械の身体を貰って生き返る」とのこと。
そして、
「暴れるのが好きだから、死ぬまで暴れ続けて、笑いながら討ち死にする」
のが夢、と語った。
※イラスト右側の人物。
声:中田和宏
年齢32歳。
階級は特務曹長。
戦闘の際は白兵戦用コンバット・スーツ 95式MC「ハマー」(クライバーン用はピンク色)に搭乗する。
同じく「そよかぜ」の内火挺挺長であるカール・ビョルン・アンドレセンとともに、荒くれ者の海兵隊員たちをまとめていた。
また、アンドレセンや海兵隊員たちと組み、駆逐艦「そよかぜ」に新規に着任した艦長に対して度重なる嫌がらせをし、「艦長が3日と定着しない」事態の原因となっていた。
そしてテレビアニメ版序盤でも、
新規に着任したジャスティ・ウエキ・タイラーやマコト・ヤマモトに対して爆弾を送ったり、(これは主にアンドレセンが主導)
コジロー・サカイたち「戦闘機乗り」と「伝統にのっとった」大喧嘩をしたり、
挙げ句の果てには駆逐艦「そよかぜ」内でクーデターを起こすなど、
手の付けられない「問題兵」ぶりを発揮していた。
しかし、ふとした弾みで遭遇したラアルゴン艦隊に反発する形で、コジローやヤマモトと意気統合し、「惑星連合宇宙軍」の軍人としての気概も見せた。
その後、「なんだかよくわからないけど変なヤツ」であるジャスティ・ウエキ・タイラーのノリに巻き込まれ、そのノリに乗るようになっていき、アンドレセンや海兵隊員たちとともに、徐々に「そよかぜクルー」の一員となっていった。
アニメ版では、原作版のキャラクターである「ボブ・キーナン」の設定を、アンドレセンと振り分けられる形でキャラクターがまとめられ、
その結果として、アンドレセンとコンビを組む事になった。
例えば、第5話「Hではじまる白衣の天使」では、
衛生看護兵として着任した「ハルミ」に対して、アンドレセンと一緒に、タキシードを着て花束を渡すなど、基本的にはコミカルな迷コンビぶりを発揮していくことになる。
また、新OVAシリーズ第3話「ハイテクの向こう側」では、主役であるアンドレセンを、海兵隊員たちと共にサポートする重要な役割を果たした。
リライト版クライバーンは、初登場時階級は軍曹(後に特務曹長)。
なのだが、上半身は入れ墨だらけで、頭頂部にはサソリの入れ墨がある。
そして歴戦の証として、鼻は二箇所で折れ曲がり、唇は裂け、安全ピンが刺してある。
顔中は縫い目だらけで、多種多様な色の皮膚が移植されている。
一見怪物に見え、性格も基本的には粗暴で荒っぽい気性だが、その一方で愛嬌が良く心根も優しく、情に厚い面を持つ。
また、タイラーと出会った経緯が、
「タイラーが作ってしまった莫大な借金(リライト版ではこの借金の督促(内臓含む)から逃れるために、タイラーは軍に入隊する)」の取り立て人として、タイラーに付きまとうようになる。
といったものとなる。
そして初めは「金づるを死なせない」為だったのだが、徐々にタイラー自身に愛着が湧き、情が移っていき、本気でタイラーに力を貸す事となる。
そしてその過程でタイラーは、クライバーンの上司である「ボブ・キーナン」とも縁を持つようになり、二人ともにタイラーに協力していくようになる。
リライト版ボブ・キーナンは、初登場時階級は中佐。
「ボブ」は愛称となり、本名は「ロバート・キーナン」に変更。
銀髪の白人で、なかなかのハンサムであるが、右目には長い刃物傷がある。
粗暴な面もあるが「クライバーンよりは」理知的かつ理性的であり、その抑え役となる。
そしてかなりのプレイボーイであり、バツイチで、なおかつ幼い娘が一人いる。
『無責任提督タイラー』では、その娘である「ベアトリーチェ(愛称:ビーザス)」とのエピソードが数多く登場する。
(なおタイラーが娘:ビーザスに関わった結果、キーナンが大激怒するシーンもある:『無責任提督タイラー』第1巻)
リライト版ではそれぞれ、アニメ版の「クライバーン」と「アンドレセン」を参照としたキャラクターとなっている。
そして作中では、
- タイラーの「負債回収のため(もちろん立て前)」駆逐艦「そよかぜ」に押し掛けて乗艦。手持ちのミサイルランチャー二丁で「艦外の宇宙空間に出て」、敵艦からのミサイルを迎撃する。(クライバーン/『真・無責任艦長タイラー』第1巻終盤)
- 「ラアルゴン皇帝襲撃作戦」を指揮。「もしもタイラーを見つけたら是が非でも奪還せよ!」と檄を飛ばし、タイラーを見つけた途端に滂沱の涙を流す。(クライバーン/同:第5巻終盤)
- タイラーから直接、ラアルゴンの補給路遮断と補給鹵獲を命じられ、作戦遂行の最中に遭遇したラアルゴン巡洋艦との白兵戦に突入。新型装甲服と対峙、対抗策を模索しながら反撃(キーナン&クライバーン)。またその隊長格であったラアルゴンの「武術指南役」と対峙。その手練手管の技を受けきり撃退する(クライバーン)。(同・第6巻)
- 「逃亡した」戦艦「信濃」を追跡するために無理矢理軽巡洋艦「ゾルンフォーフェン」に乗り込んだタイラーを護衛するために随伴。そして遭遇した「危機」に対して再び二丁のミサイルランチャーで応戦した。(クライバーン/『無責任提督タイラー』第2巻)
- 収監されてしまったタイラーを「脱獄」させるために様々な工作をする。結果としてタイラーに「見せてはいけないもの」を見せてしまったフジ参謀総長にエルボーを喰らわせ(キーナン)、サハラとヒラカワも「伸した」(クライバーン)。(同・第3巻)
- 「ゴザ16世」アザリンを救うべく、タイラーやヒラガーたちと共に戦艦「信濃」に突入。その内部を警護する無人昆虫型機動歩兵「鬼輪番」との交戦などで「アザリン救出」に貢献した。(キーナン&クライバーン同・第4巻)
といった、ある意味、原作版やアニメ版以上の活躍をする事となる。
また、カール・ビョルン・アンドレセンとは、二人ともに「昔からの喧嘩相手」となっているため、原作版とは異なり「トリオとして活躍」することはなかった。