概要
1894年(明治27年)4月7日~1956年(昭和31年)6月25日
生涯にわたり『春の海』『瀬音』『泉』など、水を主題とする作品を多く世に出しています。生後200日で目の病を患い、幼くして失明した彼にとって、自然界にあふれる音はインスピレーションの源でした。
箏の道に入ったのは視力を失った8歳の時で、将来の生業とするためでした。
厳しい稽古を重ねる中で頭角を現し、『水の変態』を契機に作曲家としても歩み出します。
点字のタイプライターを独学で習得し、当時の日本では珍しかった点字で楽譜を書きました。生涯で残した曲は400を超え、西洋化する時代の中で、箏曲の未来を切り開いたのです。
東京都新宿区に宮城道雄記念館があり、晩年を過ごした書斎が当時のままに残されています。
箏曲『水の変態』
宮城道雄がこの曲を作ったのは明治42年の14歳の時で、作曲第一作にして代表作です。(歌詞は当時弟が朗読していた教科書の一節)
霧から雲、やがて雨へ刻々と移り変わる水の表情を描いています。
演奏動画
この音とまれ!
『水の変態』は、漫画・アニメ『この音とまれ!』の登場人物の堂島晶が、19歳で全国箏曲コンクールにて最優秀賞に選ばれた時の曲として、箏曲のことは詳しくない原作ファン・アニメファンにも知られるようになりました。