概要
声:岡本麻弥
人気ファッションモデル。21歳。胸の谷間がはっきり分かる服を着ており、その下はおそらくブラジャーのみと非常に露出度の高い格好をしている。
宍戸永明やピーター・フォードらと同じく、旭勝義の招待を受けた一人で、旭の秘書から招待状と一緒にフランス製の高級マニキュアをプレゼントされている。
カメラマンの宍戸とは職業柄面識があり、彼を「先生」と呼んでいる。
高飛車な性格で、仁科稔がグルメ雑誌で紹介していた店の料理が不味かったと批判して彼と口論になり、自分が旭への土産として持ってきたワインを使ったブラインド・テイスティングで本職のソムリエである沢木公平に仁科が完敗すると、上機嫌で彼に追い打ちをかけている。
また、車の運転がかなり荒っぽく(実際にその運転っぷりを見た鈴木園子も乱暴な運転と怒っており毛利小五郎からも注意を受けていたが全く意に介していない)、3ヵ月前に交差点でオートバイを転倒させる接触未遂事故を起こしており、その際に地面へ投げ出されたライダーを救護せず、その場から逃走している(本人曰く「接触はしなかったが、怖くなって逃げた」)。
最初はその事故が村上丈に命を狙われる理由かもしれないと考えたが、村上の出所があの事故よりも後だと知って安堵していたが、その後自分たちを招待していた筈の旭が死体となって発見され更に入口も出口も封鎖されて閉じ込められた際には「あんたのせいだ!関係のない私達まで!!」と糾弾する仁科に便乗して「そうよ!どうしてくれんのよ!」と小五郎を糾弾していた。
ただし、彼女の供述が事実だとすると、この事故は奈々が携帯電話で通話しながら運転したことによる前方不注意と信号無視が原因であり、現行の法制度下では過失で済まされず、危険運転致傷罪に該当する重大な交通犯罪である。さらに、救護義務がありながら相手のライダーを救護せず現場から逃走した点も悪質である。ただし、留意しておくとこの映画が公開された1998年当時は危険運転致死傷罪は未制定(2001年に初めて制定)だった。
演者について
声を担当する岡本麻弥は、アニメ第18話『6月の花嫁殺人事件』で松本清長の娘・小百合役、第448話『目黒の秋刀魚事件』で目黒美弥役をそれぞれ演じている。
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この先、ネタバレ注意!
彼女が3ヵ月前に事故を起こした相手は、今回の事件の真犯人である沢木だった。
あの事故で頭部を強打した沢木は事故後に味覚障害を発症してしまい、「完璧なソムリエでありたい」というプライドを傷つけられた彼は、頭部外傷の原因を作った奈々と、ストレスの原因を作った旭、仁科、辻の命を狙うようになった。
劇中後半でアクアクリスタルが一時停電に陥った際、暗闇の中で沢木に背後からナイフで刺されて死亡した。
沢木は旭の秘書を装って奈々にプレゼントしたマニキュアに夜光塗料を仕込んでおり、暗闇の中で光る彼女の爪(付け爪)が目印になったため、標的である奈々に容易に接近することができたのである。
しかし、奈々は刺された直後に犯人に抵抗し、手に持っていた落書き入りのコルク栓が抵抗の際に沢木の上着のポケットに入ったことで、彼が犯人であることを示す決定的な証拠となった。
また、彼女の遺体は沢木が起こした爆発によってアクアクリスタルと共に海に沈むこととなった(僅かではあるが、奈々の遺体が爆発の際に水に飲み込まれるシーンが描かれている)。
一応、奈々は事故の件を気にかけていたようだが、上述のように事故を起こした時に沢木を救護することもなく逃走し、事故から3ヶ月経っても運転マナーの悪さが改善されていなかったことを考えると、彼女自身に関しては天罰が下ったとしか言いようがない。
いずれにしても、彼女にもう少しモラルがあれば
- 沢木が味覚障害を発症せず、事件を起こそうとしなかった。
- 仮出所したばかりの村上が沢木と鉢合わせをせず、事件に利用されるために殺されずに済んだ。
- 辻や旭らが沢木の恨みを買わずに済んだ。もっとも、沢木のソムリエとしてのプライドやワインへの情熱を考えるとこの事故は無関係なのかもしれないが。
等、沢木のみならず多くの人間の人生を狂わせていることになる。この事件の最大の元凶は彼女であると言っても差し支えず、前述のように事件の発端である彼女には小五郎を糾弾する権利など全くなかったのである。
現代でもながら運転・ながら歩きが問題となっているので、この悲劇の繰り返しが起こらない事を願うばかりである。