概要
正式タイトル『庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる』
2021年9月から小説投稿サイト『小説家になろう』で連載されているネット小説。作者はダイスケ。
2022年12月15日に書籍化され、2024年現在1巻が発刊されている。2023年10月からマンガBANGコミックスよりコミカライズ版が連載開始され、2024年3月には第1巻が発刊している。
連載中のWEB版は55話までが連載しているが2022年12月14日以降更新は途絶えている。
題名の通りに現代日本にダンジョンが現れたというジャンルの作品だが、スキルや冒険者の類が活躍するいわゆる「現代ダンジョン」系とはまた異なり、庭に現れた穴によって変貌していく主人公『五味大樹』や穴が生み出す利益に群がる周囲の人々をホラーテイストで描いている。
星新一の著作『おーい でてこーい』を彷彿とさせるスタートながらも上述の味付けに加えて、同作者が『異世界コンサル株式会社』でも発揮したビジネス分野への知識が盛り込まれ、他では見られない作風となっている。
尚、タイトルに反し登場人物の誰も「穴」を「ダンジョン」とは認識していない。
特に略称等は無いが、作者は近況報告等で「庭に穴ができた」と本作を書いている。
あらすじ(WEB版)
ある日、家の庭に穴があいていた。
ゴミ穴にちょうどいいので、ゴミを捨てた。
家庭ごみを捨てた。
事業ゴミを捨てた。
建設ゴミを捨てた。
まだまだ穴は埋まらない…
主な登場人物
- 五味大樹(ごみ ひろき)
主人公。作中ではヒロキと称されている。34歳。2年前にブラック企業を退職した後、田舎町でリサイクルショップを経営している。庭で発生した穴を使って廃品処理を行う様になり、税金対策でベンチャー企業『マスクリーンテクノロジーブラックホール(MCTBH)株式会社』を石田達と一緒に立ち上げる。当初は中肉中背といった外見だったが、穴から溢れている魔力?で頑強な身体へと変貌しており、精神性も変容、穴にゴミを与える事に強い執着心を抱いている。
- 石田
大学所属の研究員。ヒロキ以外に新技術の正体=穴の存在を知っている唯一の人間。書籍版とコミカライズ版では童顔で小柄な体型をした青年として描かれている。ヒロキがベンチャー企業を立ち上げた以降は一派を連れて入社しヒロキの右腕的存在となり、カバーデータ作成など社に貢献する。
当初はヒロキを詐欺紛いの手口で彼が所有する新技術(穴)を奪おうと画策するが、ヒロキに企みを感付かれてしまい、仲間との会話を録音された上に穴に逆さづりにされるという反撃に遭う。その後、ヒロキに他に伝手が無いという理由で雇われる。彼から十分な給料を貰っている事と損得勘定が確りと出来る性格からヒロキを裏切る可能性は低い。その為、数年後には条件付きで穴の研究を許可される程に信用されている。
- 木崎
MCTBHのアルバイト職員。眼鏡を掛けたショートヘアの女性。マスコミからの取材を控えたヒロキにスーツを買う様に言ったり、弁当屋との取引を持って来たりしている。女性キャラクターが少ないのでコミカライズ版では出番が増えている。
- 町田
MCTBHに勤務している警備員。地元の中堅機械部品製造業を定年退職した後、市のシルバー人材派遣を通じてMCTBH社を紹介されたという経歴の持ち主。ヒロキ同様に穴から噴き出た魔力?で身体が強化され始めている。
- 金田
べっ甲メガネをかけた男。不動産屋の顔も持つが本業は金貸屋。
産廃許認可を得手としており、ヒロキの事業免許取得を助けるが、「穴」に金の匂いを嗅ぎつけその秘密を狙う。
- 法木
会社員や善意の一般市民などを名乗るが其の実はヤクザ。
放射性物質が残留した残土、注射器などの医療廃棄物を持ち込む。
- 債務者の男
金貸しヤクザに送り込まれた多重債務者の1人。地の文では「運のない男」と称されることも。「穴」の秘密を探るために同様の債務者5名と共に送られるが、穴の中に踏み込み不可逆な変容を遂げる。
金田をはじめとした複数名に報復を行ったものの、警察に追い詰められ「穴」へと還った。
- ハロッズ
髪を短く刈った白人の男。ファンドに雇われた荒事担当。銃器で武装した3チームを率いヒロキ誘拐に及ぶが失敗。
ヒロキに捕らえられ、「穴」に触れて発狂した仲間に帰国中の貨物船内で殺害される。
書籍情報
- 小説版
ASIN : B0BPXB4VZ1
出版社 : 一二三書房 (2022/12/15)
発売日 : 2022/12/15
- コミック版
庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる
ASIN : B0CP9CFJRX
出版社 : Amazia (2024/3/15)
発売日 : 2024/3/15