概要
東京市千駄ヶ谷生まれ。父親は独立教会の牧師。
旧制福岡高等学校在学中、1944年12月に山口県の連隊に入営。中国の湖北省と湖南省の境でアメーバ赤痢・マラリア・コレラに罹る。ツルツル頭はその後遺症ともいわれる。
その後東京大学文学部哲学科に無試験入学するもほとんど出席せず、1952年に除籍。
1950年に進駐軍横田基地で職を得て、54年には三菱仲7号館にあった米軍の406医学研究所の生化学部の仕事に従事。そんな中、56年には早川書房で推理小説を翻訳することになる。軽妙洒脱な訳文で注目された。
1952年に『新潮』に「上陸」を発表し、67年以降『オール讀物』『小説現代』に大衆小説を発表し始め、本格的に作家活動に入る。
1979年に戦中や終戦直後の出来事を題材にした「浪曲師朝日丸の話」「ミミのこと」で第81回直木賞を受賞。
同年に父親のことなどを書いた短編集「ポロポロ」で第15回谷崎潤一郎賞を受賞した。