彼岸島(PSP)
ぴーえすぴーのひがんじまほらーげーむ
「彼岸島」とは2005年4月28日にナウプロダクションより発売されたホラーゲームで対応機種はPSP。
内容はノベルゲームの要素が強く、プレイヤーはまるで小説を読むようにゲームを進めていく。
特徴としては彼岸島本編がおどろおどろしいホラーテイストの時に発売を敢行したためか、オリジナルの設定や展開が多い。
特に明たちメインキャラクターの生死や最終決戦の展開などの要素はプレイヤーの行動によって複雑に分岐しており、分岐ルート次第では島から全員で帰ってくるエンドも存在する。
完走までに必要な時間はおおよそ3~5時間ほど。
内容としては当時完結していなかった彼岸島のストーリーに大きくアレンジを加えており、また話の合間にミニゲームのようなアドベンチャーパートが挟まったりもする。
そしてミニゲームをしくじった場合は結果としてメインキャラが死んだり、そのままバッドエンドに直行する場合もあるので一応セーブはこまめにしておこう。
特徴として人物像や設定が非常に細かく、特に主人公である宮本明の心情の描写にポイントを置いている。
原作では掘り下げられなかった登場人物の過去がかなり詳しく語られ、そして原作とは違い明がそれほど修行しないことに加え、ストーリー終盤では雅に勝利可能などの原作ストーリーとの明確な相違点が存在する。
物語のあらすじ
行方不明となった自身の兄宮本篤を探すべく、手がかりとなる兄のカメラを頼りに絶海の孤島へと足を踏み入れた明達はそこで真の恐怖を味わうこととなる...。
主な登場人物
主人公
時折幻覚を見たり、自己嫌悪しまくったりする悩める思春期の少年。
武器としては病院で再開した篤から渡された日本刀を愛用する。
彼岸島に渡ったことをきっかけに、人間を襲う吸血鬼のボスである雅様との死闘に巻き込まれていく。
(※原作とは違い、このゲーム中の彼は武人ではないので注意。)
原作と少々異なり太平洋に面した港町(おそらく北関東?)に住んでおり、冒頭でレイが本土に持ってきた兄:篤の所持品のカメラを僅かな一致点からお祭りの人混みの中で出会い頭に見抜くなど、明自身が感じた違和感に気づく能力には凄まじいものがある。
明の幼なじみたち
主人公:宮本明の住む商店街の5人の幼なじみ達のこと。
何気に今作は彼等の育った家庭環境や互いの関係性について実に詳しく深掘りしている作品で、序盤の雰囲気が好きなファンからは超助かると評判である。
明が思いを寄せる勝気なショートヘアの女の子。
ゲーム中での武器はもちろん弓矢。ここは原作と同じである。
裕福な実家の元でお嬢様扱いされて育てられたものの、学校内では女子グループ内での苛烈ないじめが後を絶たなかった。
しかし、後に仲良くなるケンちゃんに褒められた弓道に全力で打ち込んだことで、彼女は無事過去のトラウマを克服することに成功したのだという。
インテリ気味の容姿に違わぬ知性を兼ね備えた明達一行の参謀役。
本編での名前は「徹」だったが、今作では「正一」となっている。
医学の道を志していたため、医療関連の知識に明るいほか戦闘時は火炎瓶に鉄パイプ、そして出刃包丁の槍などを使うようになる。
雅が病院に搬送された当時のカルテ(※英語、ドイツ語混じり)を読み解いて雅様の真の正体に勘付きかけたり、苦闘しつつも平安時代の書物を読み解く、また病院のコンピュータのパスワードを総当たり方式で解いて救助用のヘリを呼ぶ....などと多方面にわたる活躍を作中で披露した。
明の幼なじみの一人で、オールバック気味の長髪に高い長身が特徴的。明達と同じ商店街内の斉藤鮮魚店の息子で、島での戦いでは漁業用の銛を武器として用いる。喧嘩慣れしているためパーティーの中でも戦闘力は高いが、虫だけは大の苦手。
中学校時代に両親の諍いが絶えなかった過去を持ち、当時同じく家庭環境が荒んでいた加藤とつるんで元不良だった時期もあったという。どちらかといえば機械弄りが得意で魚は匂いが苦手だったそうだが、父と和解して苦手を克服し、家業を継ぐ意思を決めた。また翔一という兄が居たものの、こちらは既に交通事故で他界している。
陽気なひょうきん者で、明の友達内のムードメーカー。武器は斧や果物ナイフなどを使うが、ケンちゃんと違い気弱で臆病な面も。
かつて先輩の阪山という生粋の半グレをケンちゃんと一緒に叩きのめしたことで、加藤というあだ名で呼ばれるようになった。商店街に数年前引っ越してきたカメラ屋の息子という設定で、今作ではポンの兄の警官にケンちゃん共々助けられる話や、原作で加藤の彼女だったメグミを思わせる彼女の話も一応登場する。
明達と同じ商店街に暮らす、裕福なおもちゃ屋の末っ子。
警官として勤務している兄がおり、兄弟仲は良くポンも彼のことを慕っている。
このゲームでの彼の命は発泡スチロールよりも軽い。
感染ルートの場合、明達との再会時には何故か武器として鎖鎌を用いた姿で対峙することとなる。玩具屋(死の商人)だったなんてそんなっ...そんっ...その後は本編通り亡者形態となり、一輝の計画を止めようとする明たちの前に立ちはだかる。
島の人間達
明の憧れの兄であり、ゲーム開始時点で失踪してから二年が経過している。文武両道の優等生で明さんにとって文字通り理想に近い存在だったが、当の本人は青果店を継がせようとする親からの重圧に苦しんでおり、いずれ親に打ち明けるつもりで趣味のカメラに情熱を傾けている。また、失踪する直前はバイクショップでアルバイトをしていたが、一週間の休暇届けを残し忽然と姿を消した。
逆神島、通称彼岸島に渡って以降は雅様の復活する直前の平和な島の様子を撮影しており、村の老人からは親しげに眼鏡のあっちゃん等と呼ばれている。
本編の終盤では、巧妙にレイに女装した雅様にウワーッと襲われてしまうシーンが少しだけある。無表情だけど。
- レイ
逆神島出身の女性。
姿形は原作の青山冷その人であり、今作では物語の極めて根幹に近い部分を彼女が握ることとなる。
一方で本編でいうところの涼子さんのポジションも担っており、兄貴と婚約したり明たちを彼岸島に連れてきたり吸血鬼について一部嘘を混ぜつつ島の説明も行ったり...と大変に忙しい。また、その特異な出自のため今作では雅様と血縁上の姉弟関係ということになっている。
彼岸島に蔓延する吸血鬼達が信奉する首魁だが、元々はレイの弟の「一輝(かずき)」という幼い少年。
吸血病自体の起源に関する設定が大きく異なるため、原作では見ることのできなかった少年らしい彼の姿を拝むことができる。
幼い頃に吸血病を発症してしまい、風習との板挟みで悩んだ両親の決断で11年間も幽閉されてしまったため復活後は人間を憎むようになったのだという。
一人称は「僕」で元々大人しい性格の少年だったようだが、時折かなり原作の雅様らしい口調に戻る時がある。
武器としては原作同様の鉄扇を用いるほか、最終決戦ではルート分岐で邪鬼の力を得て赤い桜の枝のような構造体を背中から生やし、広範囲を薙ぎ払って攻撃できるようになった。
その他にもテレパシーらしき不思議なパワーで他の生物を意のままに操るなど、原作の脳波干渉に似た能力も持っている。
- 謎の老人
炭鉱町付近の山林で邪鬼を近付けない電波を開発、一人隠者のように隠れ住んでいた謎の老人。
彼岸島開発計画の関連人物だったようだが...?
- 檜垣磨美
明たちが廃校の地下で出会った、黒い長髪が特徴的な謎の少女。
学校脱出後は明さん達と別れ、その後のルート分岐によっては最終決戦の地にて再会することとなる。
また、失楽園編後の彼女は大多鬼丸の剣という対"雅様"仕様の特殊な刀を持ち歩いている。
檜垣家は吸血鬼の血に対して凄まじい耐性を持っており、一族の中でも特に彼女はその力が強い。
(彼女の父も吸血鬼化してなお明瞭な理性を保っていた。)
- 彼岸島の吸血鬼たち
また、今作における彼岸島の吸血鬼達は原作通りのキモ笠や邪鬼などのほかに霊鬼という今作オリジナルの生物群が登場する。
地名など
- 逆神島
明達の住む港町から片道30時間という絶海の孤島に位置する火山島。
地底の強力な活火山がもたらす地熱の影響により、一年中彼岸花が咲き乱れる美しい島。彼岸花が各所に咲き乱れており、通称彼岸島と呼ばれている。アクセスの問題から現在本土から来る船もほぼ存在しないが、1952年に炭鉱町が作られた頃はそれなりに栄えたとのことらしい。
また、原作とは少々違う形で学校や神社などが存在し、前者はなんだか見覚えのある怪しい能面を付けた謎の人物が学校内を取り仕切り雅の支配から隔絶された安全圏を作り出している。
蝦夷征伐の坂上田村麻呂ゆかりの地でもあるとされ、同時に島自体の歴史も相当に古く、彼岸島の観光パンフレット内では彼にその名を由来するとされる逆神(さかがみ)神社が紹介され、島の地下にも更にマズそうなものも存在している。
- 逆神島
明達の住む港町から片道30時間以上という、絶海の孤島に位置する火山島。
地底の強力な活火山がもたらす地熱の影響により、一年中暖かな美しい島。彼岸花が各所に咲き乱れており、通称彼岸島と呼ばれている。炭鉱の閉鎖やアクセスの問題から現在でこそ寂れているが、数十年前は当時それなりに栄えたとのことらしい。
また、原作とは少々違う形で学校や神社などが存在し、前者はなんだか見覚えのある怪しい能面を付けた謎の人物が学校内を取り仕切り雅の支配から隔絶された安全圏を作り出している。
蝦夷征伐の坂上田村麻呂ゆかりの地でもあるとされ、同時に島自体の歴史も相当に古く、彼岸島の観光パンフレット内では彼にその名を由来するとされる逆神(さかがみ)神社が紹介されている。
- 炭鉱町
かつてこの島内に建設された、炭鉱採掘で栄えた島内南東端の町。
1952年に商社が炭鉱と町を作り、当時最新の機械を用いて鉱山を掘削したことで島内に莫大な富をもたらし、同時にこの島に病院や警察、消防団や役場といった施設が整備された。
しかし1971年に炭鉱は火山の噴火による事故で閉鎖されてしまい、数千人の人口を誇ったこの街が廃町となったことで島が急速に寂れる原因となった。
- 逆神村
島内奥深くに存在する小さいながらも長閑な村で、村の起源は平安時代に
蝦夷征伐が行われた時期にも遡るという。
炭鉱町が廃町となるほどの大噴火の後もこの村は幾つもの山が壁となり無傷で残っており、明達もやや驚くほど大昔の日本らしい家屋が立ち並ぶ一方で、村の外れには意味深な逆神神社が存在する。
アイテムなど
- 角材
雅様が神社から運び込まれた先の病院で復活した事を知り、彼の弱点の手がかりを探すべく訪れた廃病院のトイレの中に無造作に落ちていた謎の角材のこと。
殺伐とした病院に何故か角材が落ちているそのシュールさから、このシーンは何故かPSP版彼岸島プレイヤーたちから妙に人気がある。
- 大多鬼丸の剣
最終決戦で磨美が廃校から持ち出してきた骨董品じみた古代の刀剣。...この手の終盤の謎の剣にありがちな「再生を妨害する」「ボスの致命的な弱点」などのそれっぽい不思議効果は一切無く、ただただ壮絶な攻撃力と単純な切れ味の凄さで雅様を圧倒した。
- 西山のペンライト
西山が文具屋の息子らしく、普段から愛用しているペンライト。
本人曰くお店の売れ残りで性能はさほどでもないそうだが、夜の森で松明が使えない状況下や停電下で地図を読む際などには、今作のMVPと呼べるほどに大活躍した。
(ペンライト以外にも、西山は乾電池などを持ち込んで兄貴のカメラを修理したりと今作で各方面に万能な活躍を見せている)
- 柴犬
ゲーム版彼岸島最強の生物。
メインストーリーの最後、明達が彼岸島から脱出する際にフェリーを襲った霊鬼の前に立ちはだかり、脚に喰らい付いて重傷を負わせた。
その後は明達の脱出を見届ける形で霊鬼とともに地割れの中へと飲み込まれてしまった。
エンド関連の用語
- 霊鬼
吸血鬼達の中の精鋭部隊のようなもので、雅様の側近でもある。
特にデカい個体で、兄貴曰く彼らが現れるということは雅が直々に指揮を取ってもいるとのこと。
- 邪鬼
島の吸血鬼たちが血の欠乏によりいずれ変異する怪物の姿。
原作で言うところの亡者や量産型邪鬼などの姿も今作で登場するが、神社地下道の無数の蟲や顔の二つある鳥たちなど、ゲーム版独自のミニ邪鬼のようなものも存在する。ミニサイズの個体はともかく、人の力では通常勝ち目はない。
- 『雅様(ミヤビ)』
平安時代から現代に至るまで彼岸島の住民を祟り続けている怪異のこと。
古来より彼岸島で生まれ育った子ども達の中から一定の周期で吸血病を発症する子どもが生まれるとされており、彼岸島の風習では生まれてきた二人の子供の片方を「雅様」と呼びんで豪華な着物を着せたのち、儀式を行って荼毘に付して弔っていた。
焼かれた子どもの魂を弔うために彼らを模した牙のある人形が何百体も作られ、神社に捧げられた。
檜垣家の古文書によれば縄文時代には既に島内には逆神と呼ばれる吸血鬼の一族が存在していたようであり、彼ら一族の起源は元々蝦夷地に流れ着いた異民族にあるものらしい。
また平安時代には怪異の起源となる"雅様"が誕生したことで本土の日本列島中が吸血鬼の軍勢の手に落ちたものの、その時は人間達の中でも吸血病に感染しない抗体を持った者達が団結することで何とか雅様を封じ込んで討伐することに成功した。
現在の"雅様"は当時の戦いで身体を失ったことで怪異化しており、自身を打ち倒した陰陽師の家系の末裔である一輝に取り憑いている。
- 桜エンド
火山での決戦後、雅様が桜を模した邪鬼形態へと変化した姿から名付けられたエンディングのこと。
地下火山の大噴火により雅を討伐し、平和が訪れた彼岸島に花咲いた桜の巨木(※雅様)と舞い散る桜花に島中が包まれる姿が印象的...!!
("恋人の桜エンド"とは異なり、こちらでは磨美や兄貴達も含むパーティーの大多数が生存するなどの違いがある。)
- 邪鬼の化石たち
最終決戦の地、彼岸島の火山内部の巨大な地下空間の天井に存在する異形の化石群のこと。
ゲーム中のどのルートでも詳細は明らかにならないが、兄貴の推測では邪鬼たちが暮らしていたのは数万年前の氷河期にまで遡るかもしれないとのこと。考えすぎであってほしい。
クリア後にセーブさせられるが、周回が記載されるだけで特に特典はないからちくしょう....!
ゲーム中に登場するランダム要素として有名なものだと、ヒロインのユキがたまにセーラー服などに着替えることがある。
…また、特にポンが亡者にならずに島を脱出するルートは謎が多く、何らかの形で周回の有無が関与する確率分岐であると予想されている。(現時点では細かな分岐点などは不明。)
....と、ポンの生死は長らくランダム要素だとばかり思われていたが、なんと有志の検証者さんの奮闘により2021年に晴れてその分岐点の存在が明らかなものとなった。
( ワー ワーワー)
(詳しくは下記の超助かる攻略情報を参考のこと)
↓
その後も複数の検証者さんにより情報が次々と集まっており、特に全員生還エンドにはクリアデータがある状態だとポン生還ルートの可能性が高まること、何より「池パートで正しい選択肢を取る」などが重要な要素となっている。
(特に、初回プレイ時よりも周回プレイ時ではより安定性・再現性の高いポンの生存ルート構築が可能なことが2025年時点で明らかとなっている。)
今作では彼岸島を代表する吸血→失禁(ジョードボドボ)のシーンがそんなに存在しないため注意されたし。
(序盤の霊鬼戦などではしっかり登場するのでご安心ください)
また年季の入ったノベルゲーゆえにAボタンが過労死しかねないため、長時間プレイに挑む方々は時々休憩を忘れずに十分お気をつけください。
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> 読み返し機能 スキップ機能 文章速度設定いずれもなし <
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(オプション画面では「オートセーブON/OFF」「明るさ調整」の項目が存在する。)
(※攻略する上ではオートセーブはOFFにして手動でこまめにセーブするのがおすすめ。
…また、特に既読スキップ機能が無いために周回プレイはしばしば苦行の様相を醸し出すこととなる。)
公式サイトは下記のリンクより参照のこと。
...ただし、如何せん2005年のゲームなので期待してはいけない。
(...しかし、それはそれとして真っ白な背景に白字は読み辛いを通り越してもはや常人には視認不能であるとファンの間では囁かれている。公式サイトの紹介文が隠し要素なんてそんなっ...そんっ...)
公式サイト ↓↓
https://www.nowpro.co.jp/menu_en/product/higanzima/hgpage.html
その他、親切な攻略サイトなど ↓↓
http://akiyosiko.seesaa.net/article/90067301.html
親切なレビューサイト ↓↓