怖いか読者よ!己の非力を嘆くが良い!
「怖いか人間よ!!己の非力を嘆くが良い!!」とは、大人気サバイバルホラー漫画彼岸島の作中においてサンマ型の邪鬼が口にした台詞である。
...しかし、読者を恐怖させるべく演出されたそのセリフと、サンマが集中線付きで描かれたある意味牧歌的な画面が醸し出すシュールな笑いが読者の腹筋へと衝撃を与えた。
そのため、これらサンマ達の登場シーンは彼岸島を代表するホラーシーンでありながら、違う意味で彼岸島らしい輝きを放つこととなる。
サンマ登場の経緯
彼岸島序盤にて島から脱出を図る宮本篤と宮本明一行は、夜間の暗い海をボートに乗って逃走していた...
渓流の激しい死闘の果てに、彼岸島の吸血鬼のボスである雅様の首を討ち取った後、彼らが恐れるものは何もなかった。
しかし、意気揚々と本土へと向かう彼らの前に沖合からヌッと突如巨大な影が現れる。
明達が掲げたランプに照らし出された、夜に忍んだ襲撃者の姿は...
巨大なサンマ(らしきもの)の大群だった。
そこには体長が数十メートルにもなる超大型のサンマ型邪鬼が、明達の周りにうようよと待機していたのだ。
宮本篤の機転により、「彼らが音に敏感である」ということを知った明たちはボートのエンジンを止め、浅い岩場でボートを手で押すことで彼らの執念深い追跡を躱そうとした。
しかし沖合では再度エンジンを掛けざるを得ず、気づかれてしまう。
そして時を同じくして復活した雅様による超遠距離からの邪鬼たちへの脳波干渉という離れ業により、雅様の言葉を喋り始める邪鬼たち。
「そんなに怖いか 丸メガネ」
「怖いか人間よ!! 己の非力を嘆くがいい!!」
操られた邪鬼の群れにより、篤達はあっという間に彼らにボートを破壊されてしまい、雅が復活した彼岸島へと逆戻りしてしまったのだった。
自らの非力を知り、強くなるしかないと悟った明は雅と対峙するべく、再び地獄の中で生き抜くことを誓ったのだった...。
余談
なお、よく間違われがちであるがサンマが人の言葉を理解して会話していたわけではない。
実際に喋っていたのは首を切られたけど実は島でピンピンしてた雅様である。
なんでも生物を操るマスターヴァンパイアにとって、サンマに人語を喋らせるくらい造作もない...
でも簡単な罠には引っかかるし屋根の上で滑って転んだりする。
最後の47日間、まさかのサンマ再登場
最後の47日間の方では雅様に操作されていない天然もののサンマ邪鬼たちと交戦することとなったが、こちらは脳波干渉の影響を受けていないためかなんと独自の言語をギーギー喋っている姿が発見された。
そしてうち一体は明さんの半端なく精密な居合斬りにより鼻先を切りつけ、撃退することに成功。
彼らは幸運にも2度の遭遇&生還を果たすこととなったのだった___
本土編でのサンマたち
本土編、つまりは後日談であるところの48日後...ではサンマたちは今のところ未登場の邪鬼である。
...しかし、同じく無印序盤からの登場である量産型邪鬼は東京近辺にて大量に生息していること、また東京湾一体は水没しており、陸深い場所でも多少サンマがいてもおかしくないと考えられている。
ひょっとしたらこのサンマ邪鬼たちもいずれはワー ワーという擬音とともに大量発生するのかもしれない。
今後の展開に期待だ ガハハ!!