師匠(彼岸島)
ちわわにかったおとこ
『その仮面の下は人間か、それとも化け物か』
元々彼岸島に暮らす温厚な吸血鬼の一族出身である彼は、そんな一族の爪弾き者だった同じく吸血鬼の雅様に対し宣戦布告。
彼岸島無印本編にて彼の息の根を止めるべく戦争の狼煙を挙げた。
なお師匠は吸血鬼ではあるが人間の血を吸うことを頑なに拒否している。
そして、その行動が彼の運命を決定することとなる。
作中初めて丸太を武器として使い始めた人物であり、本編での彼は吸血鬼の脅威に対し、
その圧倒的な体格と質量を味方につけて怪力無双の修羅と化すこととなる。
作中内の最大戦力であるがそれ以上に彼は才能を見抜く力を持っており『いずれワシを超える』
と主人公である宮本明の才能と可能性を信じ、彼の修行をサポートすることとなる。
また周囲の人間にも自らを『師匠』と呼ばせ、打倒雅を誓う抵抗勢力を率い戦闘集団を結成した。
顔につけている能面は『死人の面』と呼ばれている。
仮面の下の素顔は...正直普通に渋いオジサン系のイケメンである。
自身の鋭い牙などで人間に動揺を与えかねないため、普段の彼は仮面を外すことは決して無い。
師匠はかつて仏に祈りを捧げる温和な性格の住職だった。
心優しい彼は島内の子供達の人気者だったが...太平洋戦争開戦時に島へと進駐した大日本帝国陸軍中佐の五十嵐一郎軍医の人体実験の被験者となったことが彼の人生を変えた。
実験終了後は人間と同じ見た目の姿を手に入れ、慎ましく彼岸島島内で生活しするうちに彼は島民達から信頼された彼は彼岸島の村長となる。
そのため島内での彼の影響力は絶大で、彼岸島作中における宮本篤そして五十嵐一郎に並ぶ物語のキーパーソンである。(また、冷と楓の義父でもある)
雅が復活した際、多くの村人が殺される中で自身も雅の攻撃で致命傷を負い、生死を彷徨いながらも彼の不死身に対抗できるだけの力を得るため、一か八かの賭けで五十嵐から預かった注射器で吸血鬼の血液を体内に注射。
雅と同じ混血種(アマルガム)の力を手に入れ、さらに結果長時間に渡る苦しみの末に彼の身体は著しく巨大化する。
その際に彼の目は黒くなり、歯も鋭く伸び...見た目は吸血鬼そのものとなり、さらに注射の後遺症で吸血衝動が度々起きることとなった師匠は夜な夜な発作に苦しむこととなる。
衝動時の彼は発作が起きるたびに大声を上げて暴れまわってしまうため、発作が起きている間は誰も襲わないように自身の体を鎖で繋ぐことになった。
そしてこれまで人間として接してくれていた村人に対し吸血鬼となった自分を晒すことができず、寺に保管されていた先述の仮面を付けたのだった。
再び村人の目の前に姿を現した時、その巨大な身体と仮面に村人は圧倒された。
恐怖を抱く彼らを説得し、師匠は雅ら率いる吸血鬼達に対し修羅となることを宣言、
自身のつけた仮面を「死人の面」と呼び、ここに吸血鬼軍に対して宣戦布告したのだった。
そして師匠の宣言の下、勇気を取り戻した村人はレジスタンスを結成して吸血鬼の脅威に立ち向かうこととなったのだった。
彼が作ったレジスタンスには後に宮本篤や宮本明が加入することとなり、数多くの戦いで彼らをサポートした。
戦いの中で自身の家族である冷や、弟子の宮本篤さえも失うが仏への信仰心でなんとか自身の勇気を奮い起こし、打倒雅のために奮戦することとなる。
(...しかし、祈っても祈っても人間を救おうとしない仏像に対し最終的に激昂し、いつも祈っている『仏像』を頭突きで破壊することとなる。)
そして雅との戦いも佳境となるが...
それまで血を吸うことを頑なに拒否し続けた結果、とうとう師匠は邪鬼化してしまう。
正気を失い、かつて味方だった人間さえも次々に食い殺してしまう師匠だったが、弟子の宮本明の手でその巨大な胴体をダイナマイトで粉々に吹き飛ばされた上で瓦礫の下に封印される。
しかし、その後の明達は敵である吸血鬼の大群に周囲を囲まれてしまう。
孤立無援の状況の中で、彼ら人間軍は地下の師匠に助けを求め、必死に叫び続けたのだった...
そして地下にいる師匠にその声が届いた時、彼の意識が覚醒した。
師匠は残された人間の助けを呼ぶ声により正気を取り戻し、邪鬼の力を完全にコントロール下に置きいて復活を果たした。
巨大な邪鬼の姿と成り果てながら、なおも死の淵から蘇った師匠は地上へとその姿を現した。
邪鬼化した師匠は雅軍の邪鬼を次々と喰い殺し、そして雅の従える最強の邪鬼チワワ様と対面。
師匠は彼と一騎討ちの死闘を繰り広げる事となり、そして師匠は自身の片腕と引き換えにチワワ様の首を食いちぎって撃破。
なんとか逃げ遅れた人間達の脱出を成功させた師匠は自身もレジスタンスのアジトに撤収するはずだったが、しかし突如として前線に現れた雅本人の登場により事態は急変する。
前触れなく現れた雅の奇襲攻撃により、師匠は邪鬼化した頭部を一撃で斬り落とされてしまう。
続く二発目の攻撃で師匠の体は邪鬼の体から完全に斬り離され、彼は雅に一矢報いぬことも出来ずに倒されてしまった。
しかし、身体を失ってなおも師匠は雅ににじり寄り、そして彼に『お前の野望は必ず明が止める』と言い残し力尽きた。
(死亡後の彼の頭部は雅により切断され、サッカーボールのように蹴り飛ばされた。)
残された者達は彼の死によってさらに吸血鬼に対しての憎悪を増長させることとなり、師匠の亡骸は彼を慕っていた抵抗組織のメンバー達によって埋葬された。
そして彼の被っていた能面は明に遺品として手渡された。
...と、ここまでシリアスな設定の多い師匠ではあるが、
見た目のインパクトが非常に強く、それを被っている間は何を言っても面白い能面と、そして「すまぬ」の一言で逃げ惑う邪鬼共を丸太で叩いて砕くギャグ混じりの戦闘力。
圧倒的な強さはネタにされることもしばしば。
また彼の作ったレジスタンスは数が減れば次の話には復活するどころか増えて帰ってくる。
彼らのその性質と、まるで南米の原住民のようにカラフルな忍者装束はしばしネタにされ、彼らは時に『無限湧き忍者』と称される。
ちなみに師匠は雅様と比較すると年老いて見えるが、これは彼が雅より年上なわけではない。
これは、もともと彼岸島の吸血病は発症したタイミングで加齢が止まるためである。
(明治時代に撮影された彼岸島の吸血鬼一族集合写真でも、中央に移る一見ヨボヨボの老人が雅の実弟である)
- 『彼岸島』
彼ら吸血鬼の一族が代々人間とともに共存してきた平和な島。
雅率いる吸血鬼が人間を駆逐するべく戦争を始め、危機に瀕した人間達は吸血鬼を根絶するべく、
丸太を片手に戦うこととなる。どっちが人外なのかわからん。
人間
- 『宮本明』
この島の人間軍のリーダーの一人。
日本刀や物凄ェ丸太を使いこなす人類最強の吸血鬼ハンター。
- 『宮本篤』
宮本明の兄にして、師匠と同じく人間軍のリーダー格の一人。
武術全般に優れた万能の天才で、特に薙刀を使用した場合は師匠すら超える実力を持つ。
ただ、『薙刀は重いからあまり戦闘に使いたくはない』との理由であまり使おうとはしない。(←しかし丸太は普通に使う)
- 『五十嵐一郎』
戦前の彼岸島島内にて激ヤバ人体実験を幾度となく行い、最終的に生物兵器の雅が誕生するきっかけとなった陸軍唯一無二の天才軍医にしてマッドサイエンティスト。
一応彼は『お国のため』という100%の善意で実験を行なったのがまた皮肉な話である。