概要
清家雪子による『月刊アフタヌーン』(講談社)で2013年11月号から2019年9月号まで連載。全11巻。公式略称は「月吠」。
近代詩歌俳句を題材としてる。『月に吠えらんねえ』最後の「え」は小文字ではなく大文字。
幻想の街「詩歌句街」(通称□街)そこは近代日本のようであるが幻想の、情緒不安定な詩人・歌人・俳人たちが住まう街。萩原朔太郎、北原白秋、室生犀星、三好達治などの、近代詩歌俳句作品からイメージされたキャラクターたちが登場する。創作の喜びと絶望、近代日本の業と罪と狂気の深淵を描く、近代文学ファンタジー。
※あくまで近代詩歌俳句作品から受けた印象をキャラクター化したものであり、実在の人物と同一ではない。
例えば、「朔」は「萩原朔太郎のキャラクター化」ではなく、「萩原朔太郎の作品群の擬人化」である。
登場人物
朔くん
主人公。□街に暮らす詩人。
「月に吠える」「青猫」「氷島」等、萩原朔太郎の著作より。
白さん
朔の師匠格。
「邪宗門」「思ひ出」「桐の花」等、北原白秋の著作より。
犀
朔くんや白さんの友人。詩想を取り戻すため(?)に旅に出た。
「抒情小曲集」「愛の詩集」等、室生犀星の著作より。
ミヨシくん
朔の弟子(自称)。
「測量船」「南窗集」等、三好達治の著作より。
ぐうるさん
巨大な蛙の姿。
「定本 蛙」「第四の蛙」等、草野心平の著作より。
チューヤくん
「山羊の歌」「在りし日の歌」等、中原中也の著作より。
ミッチー
「萱草に寄す」「暁と夕の詩」等、立原道造の著作より。
シキさん
ナツメという愛猫がいる。
「子規句集」「子規歌集」「病牀六尺」等、正岡子規の著作より。
キョシ
「五百句」「六百五十句」等、高浜虚子の著作より。
ヘキゴト
「碧梧桐句集」「新傾向句集」等、河東碧梧桐の著作より。
コタローくん
チエコさんを連れている。
「道程」「智恵子抄」等、高村光太郎の著作より。
車掌さん
アライグマの姿をしている。
「春と修羅」等、宮沢賢治の著作より。
モッさん(アララギ先生)
□脳病院で医者をしている。
「赤光」「あらたま」斉藤茂吉の著作より。
アッコさん
「みだれ髪」「白櫻集」与謝野晶子の著作より。
Cafe JUN マスター
「Ambarvalia」「近代の寓話」等、西脇順三郎の著作より。
天気屋(西)
「大空」尾崎放哉の著作より。
天気屋(東)
「草木塔」種田山頭火の著作より。
居酒屋BOXY大将
「別離」「路上」等、若山牧水の著作より。
石川くん
「一握の砂」「悲しき玩具」等、石川啄木の著作より。
釈先生
「海やまのあひだ」「古代感愛集」等、釈迢空(折口信夫)の著作より。
はるみくん
釈先生の弟子。
「鵠が音」等、折口春洋の著作より。
龍くん
小説街に住む小説家。
「羅生門」「鼻」「河童」等、芥川龍之介の著作より。
カワバタくん
小説街に住む小説家。
「伊豆の踊子」「雪国」等、川端康成の著作より。
たっちゃん
小説街に住む小説家。
「聖家族」「風立ちぬ」等、堀辰雄の著作より。
別名・表記ゆれ
外部リンク
月吠ノート(原作者による情報ブログ)