概要
川を渡ったり、上陸作戦で海から浜辺へ向かうために水陸両用車となった戦車で、浮航式と潜水式がある。
浮航式のものが1930年代頃から使用され始めたが、『水上を走れる浮力を得るためには軽くなければならない → どうしても火力と防御力が犠牲になってしまう』という問題があったため豆戦車や軽戦車程度の性能にしかならなかった。
そのため、戦車を載せたまま浜辺へビーチングして陸揚げできる揚陸艦が登場すると「普通の戦車を揚陸艦で運ぶ方がいい」となり衰退していき、浮航式の水陸両用戦車は姿を消した。
一方、潜水式はシュノーケルをつけて水底を走るというものであるが、こちらも1930年代からあり、現在も主力戦車の多くにその機能が取り入れられている。逆に言えば、それだけ一般化したという事でもあり、この能力があるだけでわざわざ水陸両用戦車と呼ばれることは現在あまり無い。
主な水陸両用戦車
- 内火艇 ※本来は船舶の分類のひとつだが、秘匿名称として用いられた
- シャーマンDD
- ビッカーズA4E11 豆戦車の車体を流用して軽戦車を作ろうというプロジェクト(A4計画)の副産物。ソ連やポーランドに輸出されそれぞれの国で独自改良型が開発され1930年代にちょっとした水陸両用戦車ブームを巻き起こした。
- PT-76