月明かりの下に広がる美しい市街、冷たい谷のイルシール。
その街の教壇には、今もなお2振りの剣を握る法王が待っていた。
概要
英語表記:Pontiff Sulyvahn
Darksouls3のステージ、「冷たい谷のイルシール」のエリアボス。
本作においての神々の末路に深くかかわる人物。本人の台詞はなく、アイテムのテキストのみが情報源となる。
元々の素性は「アリアンデル絵画世界」から若くしてやって来た魔術師。イルシールの地下に広がる罪の都、そこで罪の火を見つけた際に自身にも消えぬ野心が芽生えたという。
権力の座に就き、法王を名乗った後はアノール・ロンドを掌握。ヨルシカやグウィンドリンなど旧王家の末裔を幽閉・処分し、彼らに連なる暗月の騎士団も解散させる等、徹底した弾圧を行った。また市民にも彼らへの信仰を禁じ、手下の「法王の騎士」に監視させるなど、そのやり口はかなり強権的で冷徹である。
また一部の者は装着者を獣のように変貌させてしまう『法王の左眼』、『法王の右眼』という二つの指輪を与え『外征騎士』として市外への遠征を命じ、事実上追放するなど抜け目ない一面も垣間見える。
その中には旧王家の末裔冷たい谷の踊り子もおり、彼女については自身の得物と属性を対にする魔剣を与える等、特別な思い入れがあったようだ。だが最終的には彼女の傍に使えるボルドと同様に、外征騎士たちと共に追放されてしまった。
また元は聖騎士だった『火の魔女』を罪の火に魅入らせ、自軍に引き込んだりもしている。
このような行動の中で『神喰らい』を目論んだ薪の王、エルドリッチとも共謀し、彼にアノール・ロンドを明け渡してグウィンドリンを彼に供するという暴挙にすら出たとんでもない王様である。
なお、「ロスリックの高壁」の噴水広場のようなエリアに若き日のサリヴァーンと思わしき像が確認できる。ロスリックとイルシールは敵対していたようだが、なぜサリヴァーンの像が存在するのかは不明。
ボス戦
中盤の壁となる強敵。「冷たい谷のイルシール」自体が難易度の高いエリアであるが、その先に待っているサリヴァーンに心を折られたプレイヤーも多いだろう。
魔術師という出自にありながら、その戦闘スタイルは両手に剣を構えたガチガチの戦闘型。
右手には炎属性の「罪の大剣」、左手には魔術属性の「裁きの大剣」を携え、スピーディーで力強い乱舞を繰り出してくる。
小盾・中盾ではとても受けきれないため、大盾ガードかタイミングよくローリングで潜り抜けながら少ない反撃の機会を待つしかない。
HPが60%を切ると背中から翼を生じ、第2形態に移行。
低空飛行し、空中から急襲する大技の他、地面に罪の大剣を突き刺す大爆発攻撃、裁きの大剣から光波や槍を放つ攻撃などが追加される。
さらに厄介なことに、第2形態では自らの影を分身として召喚するようになる。
分身と言っても二手に分かれることはなく、分身体は常に本体の傍に佇んでいる。
分身が先に攻撃を繰り出し、やや遅れて本体が同じ攻撃を連続で行うようになり、ただでさえ小さい攻撃の隙が完全にカバーされてしまう。
早々に分身を消し去らなければ、一気に窮地に追い込まれてしまうだろう。
なお、一部の攻撃はパリィが可能。
致命の一撃により大ダメージを与えられるため、腕に自信があれば狙ってみるのも良い。
没ボス『蝕の老王』
そんなサリヴァーンだが、開発初期段階での彼は今とはだいぶ違う待遇を受けていた。
ボス名は『蝕の老王』。なんと現職のロスリック王かつラスボスとして設定されており、何事かを為すべく暗躍していたようだ。
第二形態に顕著だが、翼と二刀を備えた人型のボスというデザインはキングスフィールドⅲのラスボス、闇の白竜シースの似姿と思しい。ダークソウルというシリーズを締めくくる最後の敵として、オマージュ元になったと考えられる。
その後、ストーリーが大きく変更された事で全く異なる立ち位置へと収まった『蝕の老王』、改め『法王サリヴァーン』。だが前述の「ロスリックの高壁」など、グラフィック面ではその名残が垣間見える。
一新された世界観の中で、それらをどう解釈していくか。それは、我々プレイヤーに委ねられているのだ。